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第二 天敵 風間一心
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「前回の依頼者は怖気付いてキャンセルか……」
真山はソファーに座り浜家から渡された依頼者情報の確認をする。
依頼者は自殺した山内尚也二八歳と同じ職場で恋人だった林崎愛彩、二三歳。
彼女は上司の中崎にセクハラをされ、それを恋人の山内に相談。
その事に怒りを覚えた山内は中崎を呼び出したのだが中崎の上司の課長である小山田がしゃしゃり出てきたのである。そうして山内に対して二人で徹底的にパワハラ行為を繰り返す……。
「なるほど……」
真山は浜家から渡された依頼書にさっと目を通しながら少し苦めの熱いコーヒーをすすり「浜家、今回の依頼情報のファクトチェックは可能か?」
「ええ……検証してます」
「何か、しっくり来ないんだよな……この依頼、しかも二人もターゲットだろ」
山内尚也が勤めていた会社係長、中崎知矢とその上司、課長、小山田智彦。
依頼者は山内の恋人だった林崎彩愛。
「念の為、依頼者本人と亡くなった恋人の二人が写っている写真をメールする様に頼みましたが、返事はまだ来ません」
真山は浜家を隣に座らせ頭を撫で撫でする。
「浜家……君は最高の助手だ」
真山は最近、必要に警察にマークをされている事に気付いていた。その為にしばらくおとなしくしていたのだが……。
「それで浜家……今回の依頼はどうする?」
「警察が動いたら、掲示板が騒がしくなりますから、直ぐにわかりますわ。しかしこの度の依頼なんですが私の見解ですと様子見が無難かと……何故なら通信機器の識別番号が前回の依頼者と同じですから」
「そうか! 完璧だ浜家。ヨシッ少し返事を引き延ばそう」
「さすが瞬様……名判断です」
二人はソファーに座り、寄り添いながら不敵な笑みを浮かべ見つめ合うのであった。
「春崎さん、駄目です……。もしかして、こちらの動きが見えているんですかね」
「糞ったれ次の手を考えるか……」
「一心君にまた頼みますか……」
「オイ! 山田、風間の息子ばかり頼りにするな! ……まぁでも今回は頼んでみるか」
春崎の部下の山田耕平が風間一心に連絡をとり後日会うことになった。
「一心……誰からの電話?」
「あぁ……山田さんからや、今度の週末会うことになったけど、小春も一緒に来てくれるか」
「了解でーーす!」
電柱の陰から二人の会話を盗み聞きする松木は、ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべながら呟くのであった。
『いい事聞いたわ……ワタクシも着いて行こうかしら……』
それから数日が経ち約束の日が訪れた。
少し早いが待ち合わせのいつもの喫茶店につく春崎と山田。
店員がいつもと変わらず出迎える。
「お客様待ち合わせのお客様がみえてますよ」
「おはよう一心君! 今日はありがとう」
挨拶をかわす一心と小春。
それから……少し間を置き一心はもう一人紹介する。
「後ろの彼女は松木秀子さんです。以前、復讐のナイトメアを利用したことがある人です」
焦った松木は被っていたハンチング帽 をとり、サングラスとマスクをつけたまま挨拶をするのであった。
「どっどうしてわかったのでしょうか……」
「必ずくると思ってたよ……わざと君に聞こえるように話てたからね。しかし……変装はちょっとね……」
身を震わせながらすすり泣くように笑う小春と山田。
少し緊張気味だった雰囲気がやわらぐのであった。
真山はソファーに座り浜家から渡された依頼者情報の確認をする。
依頼者は自殺した山内尚也二八歳と同じ職場で恋人だった林崎愛彩、二三歳。
彼女は上司の中崎にセクハラをされ、それを恋人の山内に相談。
その事に怒りを覚えた山内は中崎を呼び出したのだが中崎の上司の課長である小山田がしゃしゃり出てきたのである。そうして山内に対して二人で徹底的にパワハラ行為を繰り返す……。
「なるほど……」
真山は浜家から渡された依頼書にさっと目を通しながら少し苦めの熱いコーヒーをすすり「浜家、今回の依頼情報のファクトチェックは可能か?」
「ええ……検証してます」
「何か、しっくり来ないんだよな……この依頼、しかも二人もターゲットだろ」
山内尚也が勤めていた会社係長、中崎知矢とその上司、課長、小山田智彦。
依頼者は山内の恋人だった林崎彩愛。
「念の為、依頼者本人と亡くなった恋人の二人が写っている写真をメールする様に頼みましたが、返事はまだ来ません」
真山は浜家を隣に座らせ頭を撫で撫でする。
「浜家……君は最高の助手だ」
真山は最近、必要に警察にマークをされている事に気付いていた。その為にしばらくおとなしくしていたのだが……。
「それで浜家……今回の依頼はどうする?」
「警察が動いたら、掲示板が騒がしくなりますから、直ぐにわかりますわ。しかしこの度の依頼なんですが私の見解ですと様子見が無難かと……何故なら通信機器の識別番号が前回の依頼者と同じですから」
「そうか! 完璧だ浜家。ヨシッ少し返事を引き延ばそう」
「さすが瞬様……名判断です」
二人はソファーに座り、寄り添いながら不敵な笑みを浮かべ見つめ合うのであった。
「春崎さん、駄目です……。もしかして、こちらの動きが見えているんですかね」
「糞ったれ次の手を考えるか……」
「一心君にまた頼みますか……」
「オイ! 山田、風間の息子ばかり頼りにするな! ……まぁでも今回は頼んでみるか」
春崎の部下の山田耕平が風間一心に連絡をとり後日会うことになった。
「一心……誰からの電話?」
「あぁ……山田さんからや、今度の週末会うことになったけど、小春も一緒に来てくれるか」
「了解でーーす!」
電柱の陰から二人の会話を盗み聞きする松木は、ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべながら呟くのであった。
『いい事聞いたわ……ワタクシも着いて行こうかしら……』
それから数日が経ち約束の日が訪れた。
少し早いが待ち合わせのいつもの喫茶店につく春崎と山田。
店員がいつもと変わらず出迎える。
「お客様待ち合わせのお客様がみえてますよ」
「おはよう一心君! 今日はありがとう」
挨拶をかわす一心と小春。
それから……少し間を置き一心はもう一人紹介する。
「後ろの彼女は松木秀子さんです。以前、復讐のナイトメアを利用したことがある人です」
焦った松木は被っていたハンチング帽 をとり、サングラスとマスクをつけたまま挨拶をするのであった。
「どっどうしてわかったのでしょうか……」
「必ずくると思ってたよ……わざと君に聞こえるように話てたからね。しかし……変装はちょっとね……」
身を震わせながらすすり泣くように笑う小春と山田。
少し緊張気味だった雰囲気がやわらぐのであった。
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