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事例2 美食家の悪食【事件篇】
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レシピは全て横書きである。まず一番目に料理のタイトル――【人肉炒飯】と銘打たれ、その下には料理の写真らしきものが載せられている。さらにその下には材料――【白米……適量】【ねぎ……適量】【生卵……1個】と順番に中央揃えで並び立てられている。だからこそ、やたら左右に余白が目立つように思えるのかもしれない。その材料で一際異色さを放つのは、言うまでもなく材料の最後に記されている【人肉……2本】の文字。
それに続いて三段に分けられて書かれたコメントらしきもの。これがどうにも気味が悪い。文章そのものの内容が不気味なのと、人の肉を使った料理が、さも当たり前であるかのように書かれているのも気持ち悪い。
――【人肉とパラパラのご飯が見事にマッチする至高の一品】。
ここで文字列は改行され、中央揃えで次の文字列へと移る。
――【人肉を口に含むとじわりと肉汁が出てご飯に染み込む】。
正直なところ、頭がおかしいなんてレベルじゃなかった。人が人を喰らうという時点で倫理的なタブーを犯してしまっているわけだが、コメントからも、まともな神経をしている人間の仕業ではないことが充分に伺える。ここでさらに文字列は改行され、同じように中央揃えで三段目に続く。
――【ご家庭でも簡単に作れる一品ぜひお試しあれ】。
家庭で作るにも材料の調達ができないし、仮にそれができても誰が作るものか――。思わず心の中で悪態をつく倉科。文章そのものはもちろん不気味だが、なんだか気持ちの悪さを感じる要因は、どうやら他のところにあるようだ。この文章――句読点が使用されていないから、なんだか気持ちの悪さを感じるのかもしれない。
もう一方のレシピにも、同じような気味の悪さが漂っている。もはや【人肉野菜炒め】なんて名前だけで辟易としてしまう。材料は【もやし……1袋半】【キャベツ……2分の1】【人参……1本】とごく当たり前の材料が並び、またしても最後の最後で【人肉……8本】となっている。
コメントは以下のようになっていた。
――【お手軽料理の定番】。
――【しんなりとしていて新鮮さの残る野菜に中がレアの人肉が見事にマッチ】。
――【栄養満点でおいしい一品はお子様にもおすすめですよ】。
「それで坂田……。このレシピのどこに犯人の几帳面さが出ているっていうんだ?」
またしても胃から込み上げてきたものを押し戻しつつ、倉科は率直に坂田へと問うた。
「――そこに記されている料理の名前、材料、コメント全てにおいて、使用されている文字数が全部偶数になるようになってんだよ」
それに続いて三段に分けられて書かれたコメントらしきもの。これがどうにも気味が悪い。文章そのものの内容が不気味なのと、人の肉を使った料理が、さも当たり前であるかのように書かれているのも気持ち悪い。
――【人肉とパラパラのご飯が見事にマッチする至高の一品】。
ここで文字列は改行され、中央揃えで次の文字列へと移る。
――【人肉を口に含むとじわりと肉汁が出てご飯に染み込む】。
正直なところ、頭がおかしいなんてレベルじゃなかった。人が人を喰らうという時点で倫理的なタブーを犯してしまっているわけだが、コメントからも、まともな神経をしている人間の仕業ではないことが充分に伺える。ここでさらに文字列は改行され、同じように中央揃えで三段目に続く。
――【ご家庭でも簡単に作れる一品ぜひお試しあれ】。
家庭で作るにも材料の調達ができないし、仮にそれができても誰が作るものか――。思わず心の中で悪態をつく倉科。文章そのものはもちろん不気味だが、なんだか気持ちの悪さを感じる要因は、どうやら他のところにあるようだ。この文章――句読点が使用されていないから、なんだか気持ちの悪さを感じるのかもしれない。
もう一方のレシピにも、同じような気味の悪さが漂っている。もはや【人肉野菜炒め】なんて名前だけで辟易としてしまう。材料は【もやし……1袋半】【キャベツ……2分の1】【人参……1本】とごく当たり前の材料が並び、またしても最後の最後で【人肉……8本】となっている。
コメントは以下のようになっていた。
――【お手軽料理の定番】。
――【しんなりとしていて新鮮さの残る野菜に中がレアの人肉が見事にマッチ】。
――【栄養満点でおいしい一品はお子様にもおすすめですよ】。
「それで坂田……。このレシピのどこに犯人の几帳面さが出ているっていうんだ?」
またしても胃から込み上げてきたものを押し戻しつつ、倉科は率直に坂田へと問うた。
「――そこに記されている料理の名前、材料、コメント全てにおいて、使用されている文字数が全部偶数になるようになってんだよ」
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