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事例3 正面突破の解放軍【事件篇】
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解放軍に対して堂々とした振る舞いを見せていたのも、軽々とアサルトライフルを扱うことができたのも、またその場に適した最適な判断を下すことができたのも、全ては楠木が元SATだったから。アンダープリズンに思わぬ人材が隠れていたものである。もっとも、このような状況に陥ることでもなければ、その真価はずっと発揮されなかったのであろうが。
「へぇ、他の人とは少し違うとは思ってましたけど、まさか楠木さんが元SATだったなんて驚きですよ」
下手をするとSATの隊員は、0.5係やアンダープリズンにたずさわる人間よりも、厳しく機密によって管理されているのかもしれない。SATの人間の個人情報が公表されることはないらしいし、離れて暮らす両親が、自分の息子がSATに属していたことを、殉職してから知った――なんて事例があるほど、機密に対しては徹底している。そんなところにいた楠木からすれば、ここの機密の扱いなど生易しいものであろう。
「昔取った杵柄――というやつか。もうSATを離れてから大分経つし、確実に腕は衰えているだろうがな」
中嶋の言葉に返すと、楠木は気持ちを切り替えるかのごとく、軽く咳払いをしてから続ける。
「まぁ、俺の昔話なんてどうでもいいことだ。解放軍の気配がないうちに、さっさと対面してしまおう。ここの大問題児とな」
坂田に力添えして貰うことが、必ずしも良い結果を引き寄せるというわけではない。懸念されているように、坂田を独房から出したことによって、さらに状況が悪くなることだって充分に考えられる。楠木が問題児と坂田を揶揄したのは的確である。
縁と尾崎は顔を見合わせ、そして頷き合う。尾崎が認証機に近付いて、認可証を読み込ませた。重厚な扉が横へとスライドし、その先にいる魔物の元へと縁達を誘う。扉の隙間から漏れ出す瘴気のようなものに、楠木と中嶋が身構えたような気がした。何も感じないのは、悪い意味で坂田と面会することに免疫ができてしまったからなのか。九十九殺しの殺人鬼に対して警戒心が薄れてしまっていることに、危機感を抱かねばならないだろう。
ここはやはり、坂田とのやり取りに慣れている縁と尾崎が率先して独房へと入り、拳銃を引き抜いた。ここに入ることが初めてであろう楠木は、やや遅れてからアサルトライフルを鉄格子の向こうへと向けた。恐らく、縁と尾崎を真似たというよりも、本能的な部分で危険を察知したからこそ、無意識に銃口を向けたのかもしれない。
「へぇ、他の人とは少し違うとは思ってましたけど、まさか楠木さんが元SATだったなんて驚きですよ」
下手をするとSATの隊員は、0.5係やアンダープリズンにたずさわる人間よりも、厳しく機密によって管理されているのかもしれない。SATの人間の個人情報が公表されることはないらしいし、離れて暮らす両親が、自分の息子がSATに属していたことを、殉職してから知った――なんて事例があるほど、機密に対しては徹底している。そんなところにいた楠木からすれば、ここの機密の扱いなど生易しいものであろう。
「昔取った杵柄――というやつか。もうSATを離れてから大分経つし、確実に腕は衰えているだろうがな」
中嶋の言葉に返すと、楠木は気持ちを切り替えるかのごとく、軽く咳払いをしてから続ける。
「まぁ、俺の昔話なんてどうでもいいことだ。解放軍の気配がないうちに、さっさと対面してしまおう。ここの大問題児とな」
坂田に力添えして貰うことが、必ずしも良い結果を引き寄せるというわけではない。懸念されているように、坂田を独房から出したことによって、さらに状況が悪くなることだって充分に考えられる。楠木が問題児と坂田を揶揄したのは的確である。
縁と尾崎は顔を見合わせ、そして頷き合う。尾崎が認証機に近付いて、認可証を読み込ませた。重厚な扉が横へとスライドし、その先にいる魔物の元へと縁達を誘う。扉の隙間から漏れ出す瘴気のようなものに、楠木と中嶋が身構えたような気がした。何も感じないのは、悪い意味で坂田と面会することに免疫ができてしまったからなのか。九十九殺しの殺人鬼に対して警戒心が薄れてしまっていることに、危機感を抱かねばならないだろう。
ここはやはり、坂田とのやり取りに慣れている縁と尾崎が率先して独房へと入り、拳銃を引き抜いた。ここに入ることが初めてであろう楠木は、やや遅れてからアサルトライフルを鉄格子の向こうへと向けた。恐らく、縁と尾崎を真似たというよりも、本能的な部分で危険を察知したからこそ、無意識に銃口を向けたのかもしれない。
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