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幕間【第四節】
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どうして今まで、このような決断ができなかったのか。もっと早い段階で決断できていれば、ここまで苦しむこともなかったのに。一度決めてしまったら、これまで我慢を続けてきた自分が馬鹿馬鹿しく思えてしまった。もうサンドバッグであり続ける必要などない。
円は衝動に駆られたまま動き出した。この時間帯、両親はリビングにいるはずだ。どう足掻いたところで縁には現場を見られてしまうだろうが、上手い具合にごまかせばいい。それこそ、ナンバリングキラーの仕業ということにして、縁を言いくるめればいいだろう。
まずは凶器の調達。ナンバリングキラーの使用する凶器には、大したこだわりがない。ゆえに、どんな手段を用いて両親を殺害しても、ナンバリングキラーの仕業に見せかけることはできるだろう。ただし、体にナンバーを刻む作業を考えると、包丁などの刃物がいい。
リビングの前を抜き足差し足で通過し、そして台所から包丁を調達する。台所といえば、家族団欒の食卓であるが、そこでも円は理不尽な扱いを受けた。彼女だけは、いつも床だった。床に新聞紙を広げ、そこに残飯のようなものをぶちまけられる。残してしまうと怒られる。食べるのに時間がかかっても怒られる。家族と同じように食卓に並ぼうとしようものなら、首根っこを掴まれて投げ飛ばされた。このような虐待は、主に母親の機嫌が悪い時に行われていたように思える。
今日も今日とて、両親はいつもと変わらない一日で終わると思っているだろう。虫の居所が悪かったのか、いつも以上に虐げられたが、そんな思いをするのも今日までだ。
リビングの前まで戻って息を潜める。扉を一枚隔てた向こう側に両親がいる。変哲のない一日が終わると思っている、愚かな両親が――。円は勢いに任せて、リビングへと飛び込んだ。
両親からすれば、円は虐げるべきものであり、また奴隷のような存在でもある。だから、まさか謀反を起こされるなんて思ってもいない。
リビングに入るや否や、両親が一斉に振り向いた。円は迷わず父に飛びかかった。何が起きているか把握する前に父を殺してしまえば、後は簡単だ。男である父さえ先に殺してしまえば、母など恐るるに足らぬ。むしろ、母のほうはじっくりとなぶり殺してやってもいい。
心臓を一突き。まだ状況が理解できていないであろう父が、口をパクパクと動かす。包丁を引き抜き、そして何度も切りつけた。母の馬鹿みたいにヒステリックな叫び声がうるさかった。
円は衝動に駆られたまま動き出した。この時間帯、両親はリビングにいるはずだ。どう足掻いたところで縁には現場を見られてしまうだろうが、上手い具合にごまかせばいい。それこそ、ナンバリングキラーの仕業ということにして、縁を言いくるめればいいだろう。
まずは凶器の調達。ナンバリングキラーの使用する凶器には、大したこだわりがない。ゆえに、どんな手段を用いて両親を殺害しても、ナンバリングキラーの仕業に見せかけることはできるだろう。ただし、体にナンバーを刻む作業を考えると、包丁などの刃物がいい。
リビングの前を抜き足差し足で通過し、そして台所から包丁を調達する。台所といえば、家族団欒の食卓であるが、そこでも円は理不尽な扱いを受けた。彼女だけは、いつも床だった。床に新聞紙を広げ、そこに残飯のようなものをぶちまけられる。残してしまうと怒られる。食べるのに時間がかかっても怒られる。家族と同じように食卓に並ぼうとしようものなら、首根っこを掴まれて投げ飛ばされた。このような虐待は、主に母親の機嫌が悪い時に行われていたように思える。
今日も今日とて、両親はいつもと変わらない一日で終わると思っているだろう。虫の居所が悪かったのか、いつも以上に虐げられたが、そんな思いをするのも今日までだ。
リビングの前まで戻って息を潜める。扉を一枚隔てた向こう側に両親がいる。変哲のない一日が終わると思っている、愚かな両親が――。円は勢いに任せて、リビングへと飛び込んだ。
両親からすれば、円は虐げるべきものであり、また奴隷のような存在でもある。だから、まさか謀反を起こされるなんて思ってもいない。
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心臓を一突き。まだ状況が理解できていないであろう父が、口をパクパクと動かす。包丁を引き抜き、そして何度も切りつけた。母の馬鹿みたいにヒステリックな叫び声がうるさかった。
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