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事例4 人殺しの人殺し【エピローグ】
事例4 人殺しの人殺し【エピローグ】1
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サイレンが辺りに鳴り響く。アクセルを踏み込むと、その速度は瞬く間に上がり、降り始めた小雨がフロントガラスを叩いた。
「おら、尾崎! もっと急げ! いい加減、警察の威信にかかってくるぞ!」
復帰してすぐだというのに、随分と人使いが荒い。まぁ、表向きは組織から存在が消されていたものの、助手席の倉科とは毎日のように顔を合わせていたのだ。人使いの荒さはいつものことか。
「これ、もっと早々とアンダープリズンに投げておくべき案件だったんじゃねぇっすか?」
アクセルをベタに踏み込みながら、信号ひとつない農道をひた走る。パトカーのサイレンが広大な田畑に響き渡って、なんだかやまびこのように返ってくる。
0.5係という宙ぶらりんの存在は、あの事件のすぐ後に撤廃された。一時は専任という形で0.5係を正式に発足したわけであるが、組織に存在していながら、しかし存在していない人間の扱いというのが、かなり難しかったらしい。しかも、0.5係に任命された人間から犯罪者が出てしまったということもあり、0.5係は解散。尾崎は出戻りという形で、倉科の元で刑事をやり直すことになった。いつの間にか、休職して世界へと武者修行に出ていた――なんて設定があって、それに話を合わせる度に倉科のことを恨んでいる。
「アンダープリズンは最終手段だよ。あの事件以来――国もどこか消極的なんだよ。もし独断で動いていいってのなら、遠の昔に地下に潜ってる」
もどかしい話であるが、しかし倉科の言う通りなのだ。ただでさえ出入りする際の手続きが複雑だったアンダープリズンは、さらに手続きが複雑となり、対象の事件を資料として国に提出。そこで認証されて初めて出入りが許可されるようになった。毎日のように詰め所で時間を潰していた頃が懐かしい。もっとも、ごくごく稀に連絡を取る楠木は、大分負担が減って楽になったらしいが。
「とにかく、先月からもう三件目っすよ。リア充爆発しろ――なんていうネットスラングだか何か知らないものを模倣して、本当に爆発させるとか意味が分からねぇっす」
三件目の現場とやらは、この農道をひたすら走った先にあるらしい。これだけ街中から離れていれば、爆発音は聞こえなかったであろう。
「いい加減、国の連中が資料の提出を求めてくるだろう。あいつらが0.5係を解散させて、俺とお前さんに兼任で引き継がせているんだから、その辺りの判断くらいしっかりして欲しいもんだがなぁ。もういつでも提出できるように資料はできてる」
「おら、尾崎! もっと急げ! いい加減、警察の威信にかかってくるぞ!」
復帰してすぐだというのに、随分と人使いが荒い。まぁ、表向きは組織から存在が消されていたものの、助手席の倉科とは毎日のように顔を合わせていたのだ。人使いの荒さはいつものことか。
「これ、もっと早々とアンダープリズンに投げておくべき案件だったんじゃねぇっすか?」
アクセルをベタに踏み込みながら、信号ひとつない農道をひた走る。パトカーのサイレンが広大な田畑に響き渡って、なんだかやまびこのように返ってくる。
0.5係という宙ぶらりんの存在は、あの事件のすぐ後に撤廃された。一時は専任という形で0.5係を正式に発足したわけであるが、組織に存在していながら、しかし存在していない人間の扱いというのが、かなり難しかったらしい。しかも、0.5係に任命された人間から犯罪者が出てしまったということもあり、0.5係は解散。尾崎は出戻りという形で、倉科の元で刑事をやり直すことになった。いつの間にか、休職して世界へと武者修行に出ていた――なんて設定があって、それに話を合わせる度に倉科のことを恨んでいる。
「アンダープリズンは最終手段だよ。あの事件以来――国もどこか消極的なんだよ。もし独断で動いていいってのなら、遠の昔に地下に潜ってる」
もどかしい話であるが、しかし倉科の言う通りなのだ。ただでさえ出入りする際の手続きが複雑だったアンダープリズンは、さらに手続きが複雑となり、対象の事件を資料として国に提出。そこで認証されて初めて出入りが許可されるようになった。毎日のように詰め所で時間を潰していた頃が懐かしい。もっとも、ごくごく稀に連絡を取る楠木は、大分負担が減って楽になったらしいが。
「とにかく、先月からもう三件目っすよ。リア充爆発しろ――なんていうネットスラングだか何か知らないものを模倣して、本当に爆発させるとか意味が分からねぇっす」
三件目の現場とやらは、この農道をひたすら走った先にあるらしい。これだけ街中から離れていれば、爆発音は聞こえなかったであろう。
「いい加減、国の連中が資料の提出を求めてくるだろう。あいつらが0.5係を解散させて、俺とお前さんに兼任で引き継がせているんだから、その辺りの判断くらいしっかりして欲しいもんだがなぁ。もういつでも提出できるように資料はできてる」
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