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第一話 コレクター【解決編】
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坂田の口から出た意外な一言に、楠野は視線を巌鉄のほうへと向けた。巌鉄は巌鉄で「どこから食ったって発想が出てくるんだよ……」と、やや困惑した様子だった。
「実際、そうとしか考えられねぇんだよ。特に紫衣流の目玉なんて、どこに隠せた? タッパーなんて持っていたら目立つし、ポケットに捩じ込むなんてこともできない。なぜなら、俺達が近くにいたからな」
坂田の言葉の意味は、その場にいる全員が暗に理解したであろう。
「それって、あの時この店にいた私達の中に犯人がいるってこと?」
新山の問いに頷いたりはせず、ただただ気味の悪い笑みを浮かべるばかりの坂田。
「さぁ、どうだろうなぁ……。あくまでも俺の想像だからよ。ただ、仮に食っていようがいなかろうが、犯人が目玉をくり抜いたことだけは間違いのない事実だ」
坂田は銀山のほうに向かって歩く。テーブル席に座り、ややぐったりとしている様子の銀山は、明らかに身構えた。先ほどまで自分を足蹴にしていた相手が近寄れば、誰だって同じようなリアクションを取るだろう。
「銀山、答えろ。紫衣流は本当に眼鏡を忘れて出かけたのか?」
またしても眼鏡の話題。すでに銀山はその問いに答えを出していたはずだが。何か事件に関係しているのだろうか。
「――あぁ。お前達も知ってると思うけど、あいつ極端に目が悪いんだよ。外じゃあんまり眼鏡をかけたがらないが、家の中じゃ常に眼鏡をしてたくらいだからな。眼鏡をケースごと忘れることが珍しくて、だから覚えてたんだよ」
坂田に一撃をお見舞いされたせいか、すっかり大人しくなってしまった銀山。少しだけ同情する。
「じゃあ、コンタクトレンズに変えたってことも知らなかったんだな?」
驚いたかのように目を丸くする銀山は「は? いつからだ? そんなこと俺は聞いてねぇぞ」と驚く。
「マスターにも念のために聞いておこうか。紫衣流が眼鏡からコンタクトレンズに変えたこと――知ってたか?」
相も変わらずニタニタと笑みを浮かべつつ新山に問う。
「そもそも、眼鏡が必要なくらい目が悪かったなんて初耳よ。あの子、外じゃ滅多に眼鏡なんてかけなかったでしょ?」
新山の返答に坂田は頷いた。そのまま「まぁ、俺も目が悪いことは知ってたけどよ、コンタクトレンズに変えたなんて知らなかった」と呟き落とした。さらに坂田は続ける。
「実際、そうとしか考えられねぇんだよ。特に紫衣流の目玉なんて、どこに隠せた? タッパーなんて持っていたら目立つし、ポケットに捩じ込むなんてこともできない。なぜなら、俺達が近くにいたからな」
坂田の言葉の意味は、その場にいる全員が暗に理解したであろう。
「それって、あの時この店にいた私達の中に犯人がいるってこと?」
新山の問いに頷いたりはせず、ただただ気味の悪い笑みを浮かべるばかりの坂田。
「さぁ、どうだろうなぁ……。あくまでも俺の想像だからよ。ただ、仮に食っていようがいなかろうが、犯人が目玉をくり抜いたことだけは間違いのない事実だ」
坂田は銀山のほうに向かって歩く。テーブル席に座り、ややぐったりとしている様子の銀山は、明らかに身構えた。先ほどまで自分を足蹴にしていた相手が近寄れば、誰だって同じようなリアクションを取るだろう。
「銀山、答えろ。紫衣流は本当に眼鏡を忘れて出かけたのか?」
またしても眼鏡の話題。すでに銀山はその問いに答えを出していたはずだが。何か事件に関係しているのだろうか。
「――あぁ。お前達も知ってると思うけど、あいつ極端に目が悪いんだよ。外じゃあんまり眼鏡をかけたがらないが、家の中じゃ常に眼鏡をしてたくらいだからな。眼鏡をケースごと忘れることが珍しくて、だから覚えてたんだよ」
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「じゃあ、コンタクトレンズに変えたってことも知らなかったんだな?」
驚いたかのように目を丸くする銀山は「は? いつからだ? そんなこと俺は聞いてねぇぞ」と驚く。
「マスターにも念のために聞いておこうか。紫衣流が眼鏡からコンタクトレンズに変えたこと――知ってたか?」
相も変わらずニタニタと笑みを浮かべつつ新山に問う。
「そもそも、眼鏡が必要なくらい目が悪かったなんて初耳よ。あの子、外じゃ滅多に眼鏡なんてかけなかったでしょ?」
新山の返答に坂田は頷いた。そのまま「まぁ、俺も目が悪いことは知ってたけどよ、コンタクトレンズに変えたなんて知らなかった」と呟き落とした。さらに坂田は続ける。
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