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#2 ぼくとわたしと禁断の数字【プロローグ】

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 小柄で色白な小雪の隣にいるのは、その真反対と言わんばかりに長身で色黒なギャルだった。その化粧は恐らく真綾よりも濃く、もはや原型が全く分からない。ナチュラルメイクの小雪の隣にいるから、そのケバさが際立った。越井香純こしいかすみ――このクラスのギャルグループのメンバーである。ただ、普段はグループとして一緒にいるものの、なんだか彼女だけ別物であるかのように見える時があった。女子の世界は複雑なのかもしれないが、なんとなく香純はギャルグループの中で浮いているように見える。

 チーム本田の最後の1人は進藤舞しんどうまいだった。彼女はどちらかと言えば安藤寄りの人間である。地味で大人しく、まるで小動物のような存在だ。自分から口を開くことは少ないように見えるが、別に無口というわけでもない。話しかけられれば誰とでも話すような印象があるし、少なくとも安藤や芽衣よりかは社交的であろう。最初の事件で亡くなった田中伊乃理たなかいのりといつも一緒にいたイメージがあった。

 ――本田、坂崎、伊勢崎、小雪、香純、舞。この6人が運命共同体。どのような基準で姫乙が決めたのかは分からないが、彼らは死を分かつ仲間となる。

 残りの1チームは、根津を筆頭とするチームだった。熱血漢であり、前回の【糾弾ホームルーム】では、途中から板書を買って出た男。彼にいたっては、もはや余計な説明は邪魔なだけであろう。

 根津の隣には、あの時からずっと顔色が悪いままの副委員長――友華の姿があった。実は彼女、月曜の登校時間になっても学校に来ず、家で塞ぎ込んでいたところを、官軍警察により連行されて登校したという経緯がある。郷野がアベンジャーだったという事実はもちろんのこと、その郷野が残酷な殺された方をしたという現実もまた、いまだにトラウマとなって彼女の胸に突き刺さっているのであろう。

 根津と友華から少し離れたところに、千奈美の姿があった。腐れ縁の幼馴染同士はバラバラになってしまったわけだ。もっとも、この教室の中では、あちらの都合で元よりバラバラの赤の他人扱いであるが。たまたま目が合うと、助けをうような表情を浮かべてきたが、わざとらしく目を背けてやった。

 続いての面子であるが、どうやら同じチームになる親友コンビは本田と坂崎だけではないらしい。根津のチームには、番場純也ばんばじゅんや渡辺淳平わたなべじゅんぺいの親友コンビがいた。彼らはまるで漫才コンビのようで、授業中に2人でクラスの笑いを取るのが得意だった。
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