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#3 罠と死体とみんなのアリバイ【糾弾ホームルーム篇】
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お金の代わりとなるもの。それは、すなわち現場で見つかっているものの中に代替え品があるということになる。そして、それはきっと――誰もが同じものを連想したことであろう。
「星野崎君が握りしめていた紙切れ――。彼自身が書き残したと思われる感謝のメッセージが書かれたものね? あれくらいしか、代替え品となりそうなものはないもの」
案の定、芽衣は安藤と同じ発想をし、そして舞がその言葉に頷く。
「うん。あれは星野崎君自身が書いたメッセージだったよね? もしかすると、誰かに宛てて書いたものだったのかもしれないし、私達クラスに向けて書かれたものだったのかもしれない。問題なのは、そのメッセージが、いつ書かれていたのか分からないものだってことだと思うんだ。もしかすると、随分と前に書かれたものだったのかもしれない。そして――それは星野崎君にとって、誰かに見られると困るものだったとしたら?」
自分一人では一方通行というか、決まった道順を、自分の中で決めたルールに従って推測を進めるわけだが、人によってやり方は様々であり、推測の進め方も全く違ってくる。三人寄れば文殊の知恵――なんてことわざがあるわけだが、それはあながち間違いではないということだ。小宮山や舞の発想は、自分のやり方とは異なるがゆえに、どうしても無理があるように思えてしまうのであるが。
「進藤さん。それって、どういう意味?」
あまりにも興味深くて、舞に問いかけている自分がいた。現場に残されており、小雪がダイイングメッセージであると主張したメッセージ。あれを別の視点から見た時、果たして何が見えるのだろうか。安藤があまりにも期待の眼差しを向けたからか、舞は困ったかのように目を泳がせた。普段から注目されるようなことがない彼女だからこそ、いざ注目されると困るのであろう。
「あ、あの――。例えばだよ。例えばの話なんだけど、あれは誰かに送ったラブレターの一文だったとか。星野崎君はかつて誰かにラブレターを送ったけど振られてしまった。それが道場に落ちていたものだから、慌てて拾おうとしたんじゃないかな? 実際はラブレター全文じゃなくて、切り取られた一文だけだったみたいだけど」
舞の言葉を聞いて首をひねった小宮山が口を開く。
「あのメッセージが、実はラブレターの一文を切り取られたものだった――。それはさすがにこじつけじゃないかな。それだったら、まだお金が落ちていたほうが現実的だよ」
「星野崎君が握りしめていた紙切れ――。彼自身が書き残したと思われる感謝のメッセージが書かれたものね? あれくらいしか、代替え品となりそうなものはないもの」
案の定、芽衣は安藤と同じ発想をし、そして舞がその言葉に頷く。
「うん。あれは星野崎君自身が書いたメッセージだったよね? もしかすると、誰かに宛てて書いたものだったのかもしれないし、私達クラスに向けて書かれたものだったのかもしれない。問題なのは、そのメッセージが、いつ書かれていたのか分からないものだってことだと思うんだ。もしかすると、随分と前に書かれたものだったのかもしれない。そして――それは星野崎君にとって、誰かに見られると困るものだったとしたら?」
自分一人では一方通行というか、決まった道順を、自分の中で決めたルールに従って推測を進めるわけだが、人によってやり方は様々であり、推測の進め方も全く違ってくる。三人寄れば文殊の知恵――なんてことわざがあるわけだが、それはあながち間違いではないということだ。小宮山や舞の発想は、自分のやり方とは異なるがゆえに、どうしても無理があるように思えてしまうのであるが。
「進藤さん。それって、どういう意味?」
あまりにも興味深くて、舞に問いかけている自分がいた。現場に残されており、小雪がダイイングメッセージであると主張したメッセージ。あれを別の視点から見た時、果たして何が見えるのだろうか。安藤があまりにも期待の眼差しを向けたからか、舞は困ったかのように目を泳がせた。普段から注目されるようなことがない彼女だからこそ、いざ注目されると困るのであろう。
「あ、あの――。例えばだよ。例えばの話なんだけど、あれは誰かに送ったラブレターの一文だったとか。星野崎君はかつて誰かにラブレターを送ったけど振られてしまった。それが道場に落ちていたものだから、慌てて拾おうとしたんじゃないかな? 実際はラブレター全文じゃなくて、切り取られた一文だけだったみたいだけど」
舞の言葉を聞いて首をひねった小宮山が口を開く。
「あのメッセージが、実はラブレターの一文を切り取られたものだった――。それはさすがにこじつけじゃないかな。それだったら、まだお金が落ちていたほうが現実的だよ」
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