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第一章 好奇心の代償【現在 七色七奈】
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小学校の前に到着すると、少しためらいはあったものの、そのまま校門を抜けて前庭の適当なところに車を停める。私の記憶が正しければ、左手に駐車場があったはずなのだが、生い茂った雑草に隠れて見えなくなってしまっていた。思ったよりも校舎が綺麗だから、手入れされているのではないかと思ったが、しかし廃校は廃校。人の手が入らないと、アスファルトの隙間から容赦なく雑草が生えてくる。
車を降りると、辺りを見回してみる。小学生の頃は毎日のように通っていた学校。多くはなかったが、登校時には生徒で賑わっていた前庭も、今はその面影さえ残っておらず、ただ静寂に支配されている。良くも悪くも周囲は田畑ばかりであり、勉学に励むには絶好のコンディションかもしれないが、しかしここまで静かだっただろうか。まるで、この場所だけ時が止まり、それと一緒に音という概念までもが、同じように機能を失ってしまったような感覚だ。
前庭を抜けた先に正面玄関が見える。正面玄関の左手には体育館があり、その体育館をぐるりと回り込むと、校舎に囲まれる形でグラウンドがある。私が目指すべき場所は正面玄関。近場でありがたい。これでもし、ビデオテープが3階にある音楽室だとか、屋上にそのまま出ることもできる図書室だとかだったら、さすがに尻込みしてしまう。幽霊なんて存在を信じたくはないが、廃校というものが不気味であることだけは間違いない。静寂の中、自分の足音だけが辺りに響く。その静寂の中に、人ざる者が潜んでいても――不思議ではない。
心配をしていたのは正面玄関の鍵であったのだが、調べてみると、一部の扉だけ鍵がかかっていないことが判明する。恐らく、現在は市が管理しているのであろうが、かなり適当な管理である。いや、あながち廃れてしまった建物の扱いなんて、こんなものなのかもしれない。
鍵がかかっていなかった扉に体重をかけると、ガラスの扉は軋む音をあげながら開く。途端に中に溜まっていた埃が、外の空気に吸い出されるかのごとく飛散したような気がした。大袈裟な表現なのかもしれないが、私が3度に渡りくしゃみをしたことは、まぎれもない事実だ。
扉から体を滑り込ませる形で正面玄関の中を伺う。辺りに漂うは静寂ばかり。しんと静まり返った正面玄関。ずらりと並んだ下駄箱が、その静けさに反証するかのごとく、存在感を放っていた。
車を降りると、辺りを見回してみる。小学生の頃は毎日のように通っていた学校。多くはなかったが、登校時には生徒で賑わっていた前庭も、今はその面影さえ残っておらず、ただ静寂に支配されている。良くも悪くも周囲は田畑ばかりであり、勉学に励むには絶好のコンディションかもしれないが、しかしここまで静かだっただろうか。まるで、この場所だけ時が止まり、それと一緒に音という概念までもが、同じように機能を失ってしまったような感覚だ。
前庭を抜けた先に正面玄関が見える。正面玄関の左手には体育館があり、その体育館をぐるりと回り込むと、校舎に囲まれる形でグラウンドがある。私が目指すべき場所は正面玄関。近場でありがたい。これでもし、ビデオテープが3階にある音楽室だとか、屋上にそのまま出ることもできる図書室だとかだったら、さすがに尻込みしてしまう。幽霊なんて存在を信じたくはないが、廃校というものが不気味であることだけは間違いない。静寂の中、自分の足音だけが辺りに響く。その静寂の中に、人ざる者が潜んでいても――不思議ではない。
心配をしていたのは正面玄関の鍵であったのだが、調べてみると、一部の扉だけ鍵がかかっていないことが判明する。恐らく、現在は市が管理しているのであろうが、かなり適当な管理である。いや、あながち廃れてしまった建物の扱いなんて、こんなものなのかもしれない。
鍵がかかっていなかった扉に体重をかけると、ガラスの扉は軋む音をあげながら開く。途端に中に溜まっていた埃が、外の空気に吸い出されるかのごとく飛散したような気がした。大袈裟な表現なのかもしれないが、私が3度に渡りくしゃみをしたことは、まぎれもない事実だ。
扉から体を滑り込ませる形で正面玄関の中を伺う。辺りに漂うは静寂ばかり。しんと静まり返った正面玄関。ずらりと並んだ下駄箱が、その静けさに反証するかのごとく、存在感を放っていた。
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