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第三章 惨殺による惨殺【過去 湯川智昭】
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朱里は基本的に人懐っこいというか、人との距離感が分からないような時がある。湯川はなんとも思わないのであるが、それを好意があるものだと勘違いする男子もいたし、その距離感なく男子と接する朱里のことを、快く思っていない女子もいる。夏帆は誰とでも仲良くできるタイプであり、だからさほど気にはしていないのであろうが、朱里のことを毛嫌いしている女子がいることも事実だ。
はっきり言ってしまうと、現時点でクラスでは浮いていると思う。けれども、昔からの友人や、朱里の距離感などが気にならない人間は、ごくごく普通に付き合ってやれている。ただ、朱里を見ていて湯川は思う。全く別の環境に行った時、彼女のようなタイプは孤立してしまいそうだな――と。
「そこで帰らずに1人でここにいる辺り、尊敬さえするよ。どういう神経をしているんだ?」
これは湯川からすれば褒め言葉だった。夏帆も中々に度胸が据わっているが、朱里ほど度胸がある人間もいないだろう。ただ、朱里の場合は何も考えていないというのもあるだろうが。
「とりあえずミノタウロスの森に行けば、誰かに会えるかなぁ――って」
確かに、置いていかれたほうとしては、そう考えるのが自然なのかもしれない。しかし、それをあっけらかんとした様子で実行に移せるのは凄い。
「ってか朱里。そのビデオカメラどうしたの?」
湯川達と合流してからも、ずっとビデオカメラを回し続けている朱里。その光景に夏帆が疑問を抱くのは当然だ。なんせ、湯川も全く同じことを疑問に思っていたのだから。
「あ、これ? ミノタウロスの森で何が起きるか記録してやろうと思って。まぁ、今のところ――そこまで面白いことは起きてないんだけど」
大人達から口酸っぱく、危ない場所だから近づくなと言われ続けていたミノタウロスの森。そこに入り、ビデオカメラを回しながら、まだ面白いことは起きていないと言ってしまう辺り、やはり朱里は変わり者だと思う。
「そうか。それで、まだ他の奴らとは合流できていないのか?」
単独で行動していたと思われる朱里。湯川と夏帆が、ようやく合流できた相手だとすると、まだ合流できていない面子がいることになる。そう、時間軸的に考えると、湯川達より先にミノタウロスの森へと向かったはずの連中が、どこかにいるはずだ。
「うん、合流はできてないよ」
「それじゃ、もっと奥かもしれないな。赤松、一緒に行こう。お前を1人にするのは、なんだか危なっかしい」
はっきり言ってしまうと、現時点でクラスでは浮いていると思う。けれども、昔からの友人や、朱里の距離感などが気にならない人間は、ごくごく普通に付き合ってやれている。ただ、朱里を見ていて湯川は思う。全く別の環境に行った時、彼女のようなタイプは孤立してしまいそうだな――と。
「そこで帰らずに1人でここにいる辺り、尊敬さえするよ。どういう神経をしているんだ?」
これは湯川からすれば褒め言葉だった。夏帆も中々に度胸が据わっているが、朱里ほど度胸がある人間もいないだろう。ただ、朱里の場合は何も考えていないというのもあるだろうが。
「とりあえずミノタウロスの森に行けば、誰かに会えるかなぁ――って」
確かに、置いていかれたほうとしては、そう考えるのが自然なのかもしれない。しかし、それをあっけらかんとした様子で実行に移せるのは凄い。
「ってか朱里。そのビデオカメラどうしたの?」
湯川達と合流してからも、ずっとビデオカメラを回し続けている朱里。その光景に夏帆が疑問を抱くのは当然だ。なんせ、湯川も全く同じことを疑問に思っていたのだから。
「あ、これ? ミノタウロスの森で何が起きるか記録してやろうと思って。まぁ、今のところ――そこまで面白いことは起きてないんだけど」
大人達から口酸っぱく、危ない場所だから近づくなと言われ続けていたミノタウロスの森。そこに入り、ビデオカメラを回しながら、まだ面白いことは起きていないと言ってしまう辺り、やはり朱里は変わり者だと思う。
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単独で行動していたと思われる朱里。湯川と夏帆が、ようやく合流できた相手だとすると、まだ合流できていない面子がいることになる。そう、時間軸的に考えると、湯川達より先にミノタウロスの森へと向かったはずの連中が、どこかにいるはずだ。
「うん、合流はできてないよ」
「それじゃ、もっと奥かもしれないな。赤松、一緒に行こう。お前を1人にするのは、なんだか危なっかしい」
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