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ケース2 干しかんぴょう殺人事件【出題編】
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一里之は仕事でやっているのだし、それに相手は社長の御令嬢だ。敬語を使って当然だと考えていたのであるが、どうやらコトリはそれが面白くないらしい。
「いや、でも玄界灘さんも――」
敬語を使っているではないか――そう続けようとしたが、コトリに遮られてしまった。
「彼女はわたくしに仕えている身だから仕方がありませんわ。以前、一里之君と同じような提案をしたのですけど、本人が頑なに認めたがらなくて今にいたりますわ」
冥にも同じように敬語を使わないようにと言ったみたいだが、メイドとして雇われている彼女のプライドみたいなものが許さなかったのであろう。彼女の性格からして充分にあり得ることだ。執事という立場であるのに、執事らしいことは一切せず、遠慮なくコトリとタメ口の鯖洲を見習うべきなのかもしれない。
「ほら、一里之君はわたくしと歳も近いですし、こう――もう少し気軽に、そしてフランクにお話しできる仲でありたいと思っていますの。その、一里之君さえ嫌でなければ……の話だけれども」
多くの人間に囲まれ、お嬢様として扱われながら生きてきたコトリにとって、必要なのは従者ではなく、同じ目線で話ができる相手なのかもしれない。やや上目遣いで反応を待っているコトリの姿が可愛い。
「わ、分かりました。いや、分かったよ。だったら今からタメ口で話すから。後で元に戻せ――とか言い出すなよ?」
敬語からタメ口へとシフトチェンジは難しい。あまりにも意識しすぎてしまうと、露骨なタメ口になってしまう。友人に接するようにすればいいだけのはずだが、しかしコトリ相手というのは中々難しかった。
「えぇ、言いませんわ! 元に戻せなんて言いませんから!」
コトリがこれまで、どんな生き方をしてきたのかは分からない。どんな幼少期を経て、どんな学生時代を送ったのであろうか。ただ、彼女の趣味に付き合わせる人間を会社内から調達する辺り、きっと社長はコトリのことを寵愛しているのであろう。お嬢様として扱われ、特別な存在として周囲から距離を置かれてしまうのは寂しいだろう。もしかして――いいや、もしかしなくとも、彼女は友達が欲しいのかもしれない。
「お、おう。だったらいいけどよ」
一里之の言葉に、両手をパンと叩いて目を輝かせるコトリ。
「今の言葉、わたくしに対して発したのよね? わたくしに対しての反応ですわよね? あぁ、思っていた以上に素敵ですわ」
「いや、でも玄界灘さんも――」
敬語を使っているではないか――そう続けようとしたが、コトリに遮られてしまった。
「彼女はわたくしに仕えている身だから仕方がありませんわ。以前、一里之君と同じような提案をしたのですけど、本人が頑なに認めたがらなくて今にいたりますわ」
冥にも同じように敬語を使わないようにと言ったみたいだが、メイドとして雇われている彼女のプライドみたいなものが許さなかったのであろう。彼女の性格からして充分にあり得ることだ。執事という立場であるのに、執事らしいことは一切せず、遠慮なくコトリとタメ口の鯖洲を見習うべきなのかもしれない。
「ほら、一里之君はわたくしと歳も近いですし、こう――もう少し気軽に、そしてフランクにお話しできる仲でありたいと思っていますの。その、一里之君さえ嫌でなければ……の話だけれども」
多くの人間に囲まれ、お嬢様として扱われながら生きてきたコトリにとって、必要なのは従者ではなく、同じ目線で話ができる相手なのかもしれない。やや上目遣いで反応を待っているコトリの姿が可愛い。
「わ、分かりました。いや、分かったよ。だったら今からタメ口で話すから。後で元に戻せ――とか言い出すなよ?」
敬語からタメ口へとシフトチェンジは難しい。あまりにも意識しすぎてしまうと、露骨なタメ口になってしまう。友人に接するようにすればいいだけのはずだが、しかしコトリ相手というのは中々難しかった。
「えぇ、言いませんわ! 元に戻せなんて言いませんから!」
コトリがこれまで、どんな生き方をしてきたのかは分からない。どんな幼少期を経て、どんな学生時代を送ったのであろうか。ただ、彼女の趣味に付き合わせる人間を会社内から調達する辺り、きっと社長はコトリのことを寵愛しているのであろう。お嬢様として扱われ、特別な存在として周囲から距離を置かれてしまうのは寂しいだろう。もしかして――いいや、もしかしなくとも、彼女は友達が欲しいのかもしれない。
「お、おう。だったらいいけどよ」
一里之の言葉に、両手をパンと叩いて目を輝かせるコトリ。
「今の言葉、わたくしに対して発したのよね? わたくしに対しての反応ですわよね? あぁ、思っていた以上に素敵ですわ」
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