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ケース4 ロンダリングプリンセス誕生秘話【出題編】
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「――その辺りについては、今のところノーコメントでお願いします」
意味深な返し方をされてしまう。千早は何かしらの理由があって、急いで家を出たというのだろうか。
「もしかして、愛のお母さんに何か聞かれたらまずいことでもあったのか?」
そう勘繰ってしまうくらい、千早は実にせわしなかった。一里之の問いかけに、求める答えが返ってくることはなかった。
「ですから、今はノーコメントです。じき、お話できるようになったらしますから」
ウインカーを出し、通りへと車を走らせる千早。見慣れたはずの光景が、再び流れゆく景色と化した。
「いや、それにしたって、愛のお母さんから大した話も聞けなかったし――」
「収穫ならありましたよ。まず、一里之君がずっと抱いていたモヤモヤを解消することができました」
わざわざ愛の家までやってきて、実質的な収穫はゼロではないか――そう言われることを見越したかのごとく、間髪入れずに口を開く千早。
「それに、事件に関する収穫も大いにあったじゃありませんか。今のところはこれだけで充分です」
愛の母親とのやりとりは、そこまで多くはなかったはず。それなのに、千早はすでに何かを掴んでいるようだった。一体、何を掴んだのであろうか。またしても見透かしたかのように千早。
「まぁ、まだノーコメントということで」
とにもかくにも、今は一里之にさえ話せないということなのか。このような時は食い下がっても意味がないから、大人しく従うことにする。
「分かったよ。ちゃんと話せる時がきたら話してくれよ」
一里之はそう返すことしかできなかった。以前よりマイペースな千早であるが、今回は特に彼女のペースである。
「はい。それでは、少しだけ急ぎますので」
千早は断りを入れると、一里之が返事をするより先にアクセルを踏み込んだ。けれども、あくまでもそれは制限速度を遵守したものだった。変なところで律儀だなと思う。もっとも、向かう先が警察署だから、なおさら意識しているだけの可能性もあるが。
ゆっくりと流れゆく景色に眠気を覚えつつ、助手席に座ることしばらく。街の中心街を抜けて大きな通りへと出ると、2人を乗せた車は警察署の駐車場へと入った。入り口付近の駐車場に車を停めると、サイドブレーキを引きながら警察署を見上げる千早。いつも斑目が店にやってくる形だから、こうしてこちらから出向くことは珍しいのかもしれない。
意味深な返し方をされてしまう。千早は何かしらの理由があって、急いで家を出たというのだろうか。
「もしかして、愛のお母さんに何か聞かれたらまずいことでもあったのか?」
そう勘繰ってしまうくらい、千早は実にせわしなかった。一里之の問いかけに、求める答えが返ってくることはなかった。
「ですから、今はノーコメントです。じき、お話できるようになったらしますから」
ウインカーを出し、通りへと車を走らせる千早。見慣れたはずの光景が、再び流れゆく景色と化した。
「いや、それにしたって、愛のお母さんから大した話も聞けなかったし――」
「収穫ならありましたよ。まず、一里之君がずっと抱いていたモヤモヤを解消することができました」
わざわざ愛の家までやってきて、実質的な収穫はゼロではないか――そう言われることを見越したかのごとく、間髪入れずに口を開く千早。
「それに、事件に関する収穫も大いにあったじゃありませんか。今のところはこれだけで充分です」
愛の母親とのやりとりは、そこまで多くはなかったはず。それなのに、千早はすでに何かを掴んでいるようだった。一体、何を掴んだのであろうか。またしても見透かしたかのように千早。
「まぁ、まだノーコメントということで」
とにもかくにも、今は一里之にさえ話せないということなのか。このような時は食い下がっても意味がないから、大人しく従うことにする。
「分かったよ。ちゃんと話せる時がきたら話してくれよ」
一里之はそう返すことしかできなかった。以前よりマイペースな千早であるが、今回は特に彼女のペースである。
「はい。それでは、少しだけ急ぎますので」
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ゆっくりと流れゆく景色に眠気を覚えつつ、助手席に座ることしばらく。街の中心街を抜けて大きな通りへと出ると、2人を乗せた車は警察署の駐車場へと入った。入り口付近の駐車場に車を停めると、サイドブレーキを引きながら警察署を見上げる千早。いつも斑目が店にやってくる形だから、こうしてこちらから出向くことは珍しいのかもしれない。
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