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わがまま姫とそれが不愉快な仲間達【午後1時〜午後2時】
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「私の【固有ヒント】が本物だと仮定してみればいいわ。私の【固有ヒント】は、全員の【固有ヒント】が偽物――というもの。すなわち、私の【固有ヒント】が本物だとれば、私の【固有ヒント】も偽物じゃなければならないという矛盾が生じるのよ」
晴美の言葉を受け、頭の中がちょいとばかりごちゃごちゃと散らかり始めたが、しかし西宮はそれらを振り払って自分なりに考える。
晴美の【固有ヒント】は、全員の――すなわち20人に与えられた【固有ヒント】が全て偽物であるとするもの。では、実際にこれが本物であると仮定するのならば、晴美本人の【固有ヒント】も偽物だということになる。本物だと仮定した結果、それは偽物であるという矛盾した答えが生じてしまうのだ。
「本物だと仮定すると、偽物だってことになる――。そもそも、本物だと仮定することができないようになっているのか」
学校を卒業すると同時に大工の道に進んだ西宮は、そこまで学があるとは自分では思っていないし、頭も悪いほうの部類に入ると思っている。しかし、頭をひねって考えた結果、ようやく納得できそうな答えにたどり着くことができたようだった。
「その通り。私の【固有ヒント】を本物だと考えると、どうやっても避けることのできない矛盾が生じる。これを回避するのはいたって簡単。私の【固有ヒント】を偽物だと考えればいい。そうすれば矛盾は生じない。よって、私の【固有ヒント】は現段階でも偽物であると定義できる――ってわけ」
晴美の蛇足的な説明はさておき、そのように考えれば晴美の【固有ヒント】は偽物だと確定することができる。しかし、そこで西宮の頭に疑問が浮かんだ。
「ちょっと待ってくれ。例えば嬢ちゃんの【固有ヒント】が偽物だったとしよう。でも、そう考えても矛盾が生じるんじゃないか?」
「どうして?」
間髪入れずに晴美が返してくる。西宮に意見されたのが気に入らない、反論は一切認めない――そのような雰囲気さえ感じた。
「だって、嬢ちゃんの【固有ヒント】を偽物だとするなら、ヒントの意味合いも逆になって、20人の【固有ヒント】は全て偽物ではないということになるだろ? となると、嬢ちゃんの【固有ヒント】も本物だってことになる。でも、本物だと考えると、それはそれで矛盾が生じる。ほら、どちらにせよ矛盾が――」
西宮の言葉は晴美の深い溜め息でかき消された。
「短絡的すぎ。私の【固有ヒント】が偽物だということは、ただ単純に全員の【固有ヒント】が全部偽物というわけではないと定義できるだけでしょ? 全員の【固有ヒント】が本物だと決定付ける根拠はどこにもないわ。まぁ、あんた自身の【固有ヒント】と同じ発想をしたくなる気持ちも分かるけど、私とあんたの【固有ヒント】は種類が違うのよ」
晴美の言葉を受け、頭の中がちょいとばかりごちゃごちゃと散らかり始めたが、しかし西宮はそれらを振り払って自分なりに考える。
晴美の【固有ヒント】は、全員の――すなわち20人に与えられた【固有ヒント】が全て偽物であるとするもの。では、実際にこれが本物であると仮定するのならば、晴美本人の【固有ヒント】も偽物だということになる。本物だと仮定した結果、それは偽物であるという矛盾した答えが生じてしまうのだ。
「本物だと仮定すると、偽物だってことになる――。そもそも、本物だと仮定することができないようになっているのか」
学校を卒業すると同時に大工の道に進んだ西宮は、そこまで学があるとは自分では思っていないし、頭も悪いほうの部類に入ると思っている。しかし、頭をひねって考えた結果、ようやく納得できそうな答えにたどり着くことができたようだった。
「その通り。私の【固有ヒント】を本物だと考えると、どうやっても避けることのできない矛盾が生じる。これを回避するのはいたって簡単。私の【固有ヒント】を偽物だと考えればいい。そうすれば矛盾は生じない。よって、私の【固有ヒント】は現段階でも偽物であると定義できる――ってわけ」
晴美の蛇足的な説明はさておき、そのように考えれば晴美の【固有ヒント】は偽物だと確定することができる。しかし、そこで西宮の頭に疑問が浮かんだ。
「ちょっと待ってくれ。例えば嬢ちゃんの【固有ヒント】が偽物だったとしよう。でも、そう考えても矛盾が生じるんじゃないか?」
「どうして?」
間髪入れずに晴美が返してくる。西宮に意見されたのが気に入らない、反論は一切認めない――そのような雰囲気さえ感じた。
「だって、嬢ちゃんの【固有ヒント】を偽物だとするなら、ヒントの意味合いも逆になって、20人の【固有ヒント】は全て偽物ではないということになるだろ? となると、嬢ちゃんの【固有ヒント】も本物だってことになる。でも、本物だと考えると、それはそれで矛盾が生じる。ほら、どちらにせよ矛盾が――」
西宮の言葉は晴美の深い溜め息でかき消された。
「短絡的すぎ。私の【固有ヒント】が偽物だということは、ただ単純に全員の【固有ヒント】が全部偽物というわけではないと定義できるだけでしょ? 全員の【固有ヒント】が本物だと決定付ける根拠はどこにもないわ。まぁ、あんた自身の【固有ヒント】と同じ発想をしたくなる気持ちも分かるけど、私とあんたの【固有ヒント】は種類が違うのよ」
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