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わがまま姫とそれが不愉快な仲間達【午後1時〜午後2時】
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ゆっくりと歩みを進めつつ、まずは正面玄関へと到着した比嘉は、笑い出しそうになるのを必死に堪えた。誰かに見られるわけでもなく、この場には比嘉しかいないのだから、別に笑いを堪える必要はない。しかしながら、なぜだか無意識に笑いを堪えていた。苗場兄弟の行動があまりにも安易すぎて、おかしかったのかもしれない。目の前に広がる光景が、あまりにもテンプレートすぎて、おかしかったのかもしれない。
本来ならば正面玄関に面するであろう廊下が、そのまま何かも綺麗さっぱりと無くなってしまっていた。いや、正確には廊下そのものがなくなったわけではない。床が消えてなくなり、その代わりに穴が広がっていたのだ。
穴の淵まで向かうと、落ちないように穴の中を覗き込んだ。高さにして5メートル、いいや、下手すると10メートルはあるだろう。幅は廊下の幅と同じであり、穴の大きさそのものは正面玄関とほぼ同じ――すなわち、正面玄関が丸々入るくらいの大きさ。それほどの大穴が、小学校の正面玄関前の廊下に空いていたのだ。落とし穴というやつか。
穴の底には、銀色に輝く点のようなものが、差し込む光の加減で輝いているのが見えた。その点が鋭いトゲの先端であると分かったのは、それが貫通した部分からの出血が、遠目からでも確認できたからだ。そう、二人分のタンパク質の塊が、無数のトゲによって体を貫かれ絶命していたのである。どう贔屓目に見ても生きてなんていない。当然ながら血まみれであり、落ちた姿勢のまま無数のトゲに刺さってしまったのだろう。実に不恰好な姿勢のまま、その虚ろな瞳は比嘉に助けを求めているようにさえ見えた。
「いやいや、ベタすぎるだろうよ。落とし穴とかよ――しかも、穴の底に無数のトゲとか、小学生が考えつきそうな罠だなぁ」
苗場兄弟の死体を眺めつつ呟くと、とうとう堪えきれずに笑い出してしまった。こんなベタベタの分かりやすい罠にかかり、苗場兄弟は死んだのだ。ツボに入ってしまったのか、しばらく笑い続けた後、改めて穴の中を覗いてみて、それの存在に気づいた。血にまみれたふたつのタンパク質の塊の近くに、小さな人の形をした何かがあった。身を乗り出して穴を覗き込むと、どうやらピエロの人形らしかった。もしかすると【トラッペ君】と呼ばれるものなのかもしれない。罠の作動に巻き込まれて、一緒に穴の底へと落ちてしまったのであろう。その存在に気づくことができれば罠も察知できただろうに。
「お前らもさ、俺みたいな人間じゃなくて、他の人間と出会ってたら、もしかして死なずに済んだのかもしれねぇなぁ」
本来ならば正面玄関に面するであろう廊下が、そのまま何かも綺麗さっぱりと無くなってしまっていた。いや、正確には廊下そのものがなくなったわけではない。床が消えてなくなり、その代わりに穴が広がっていたのだ。
穴の淵まで向かうと、落ちないように穴の中を覗き込んだ。高さにして5メートル、いいや、下手すると10メートルはあるだろう。幅は廊下の幅と同じであり、穴の大きさそのものは正面玄関とほぼ同じ――すなわち、正面玄関が丸々入るくらいの大きさ。それほどの大穴が、小学校の正面玄関前の廊下に空いていたのだ。落とし穴というやつか。
穴の底には、銀色に輝く点のようなものが、差し込む光の加減で輝いているのが見えた。その点が鋭いトゲの先端であると分かったのは、それが貫通した部分からの出血が、遠目からでも確認できたからだ。そう、二人分のタンパク質の塊が、無数のトゲによって体を貫かれ絶命していたのである。どう贔屓目に見ても生きてなんていない。当然ながら血まみれであり、落ちた姿勢のまま無数のトゲに刺さってしまったのだろう。実に不恰好な姿勢のまま、その虚ろな瞳は比嘉に助けを求めているようにさえ見えた。
「いやいや、ベタすぎるだろうよ。落とし穴とかよ――しかも、穴の底に無数のトゲとか、小学生が考えつきそうな罠だなぁ」
苗場兄弟の死体を眺めつつ呟くと、とうとう堪えきれずに笑い出してしまった。こんなベタベタの分かりやすい罠にかかり、苗場兄弟は死んだのだ。ツボに入ってしまったのか、しばらく笑い続けた後、改めて穴の中を覗いてみて、それの存在に気づいた。血にまみれたふたつのタンパク質の塊の近くに、小さな人の形をした何かがあった。身を乗り出して穴を覗き込むと、どうやらピエロの人形らしかった。もしかすると【トラッペ君】と呼ばれるものなのかもしれない。罠の作動に巻き込まれて、一緒に穴の底へと落ちてしまったのであろう。その存在に気づくことができれば罠も察知できただろうに。
「お前らもさ、俺みたいな人間じゃなくて、他の人間と出会ってたら、もしかして死なずに済んだのかもしれねぇなぁ」
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