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頑固親父と全く笑えない冗談【午後2時〜午後3時】
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突然の出来事に言葉を失い、そして引き戸にもたれかかるようにへたり込んでしまう晴美。どうして――あそこの罠は回避したはずなのに。
もしかすると、何かの間違いなのかもしれない。火の手が上がっている方角は全く同じであるが、あの穴から火の手が上がっているとは限らないではないか。こじつけもいいところの晴美の考えは、しかし次の瞬間には打ち砕かれていた。
あのメロディーが流れる。ついさっきプレイヤーの訃報を告げたばかりのメロディーが。思わず耳を塞ぎたくなったが、しかしそうはさせまいと、元気いっぱいの子ども達の声が響いた。
そこからは現実感がなくなったというか、変に状況を傍観している自分がいた。へたり込んで唇を震わせている自分を、少し離れたところで見ているような感覚だった。
アナウンスは非情にも西宮の死を告げた。無邪気に、そして楽しそうに。お願いだから、言葉の意味を良く知らないまま言わされているだけであって欲しい。
罠は回避したはずだった。それなのに、どうして爆発したのか。困惑し、混乱する自分から離れ、第三者の視点から状況を見つめた晴美は気づいてしまう。まだあの場には【トラッペ君】があったということに――。西宮と晴美が罠を回避した後も、ガソリンの海を漂っていたのだ。ルール上【トラッペ君】は罠が仕掛けられている象徴。すなわち、あれが存在している限り、罠は何度も作動するのではないか。
「あ、あぁ――」
気づいて声を出してしまった。あの穴から離れる時、西宮は何かを言いかけていたではないか。具体的には念のために蓋を閉めろ――というニュアンスのような言葉だった。それは、また改めて罠が作動する可能性を危惧したものだったのではないだろうか。混合比の都合で、蓋さえ閉めておけば、着火されてもガソリンには引火しないはずなのだから。
殺した。彼は殺されたのではなく自分が殺したのだ。彼の忠告に耳を傾けてやれば――蓋さえ閉めてやっていれば、彼は助かったかもしれない。しかし、晴美が蓋を開けっぱなしにしてしまったがゆえに、ガソリンと空気が燃焼できる混合比になってしまい、そして爆発したのだ。
とんでもない後悔。もはや、絶対に取り返しのつかない現実。先ほど聞こえた西宮の声は、きっと空耳ではなかったのだろう。考えれば考えるほど罪悪感に押しつぶされそうになる。
――火の手は上がり続け、呆然とする晴美からは、しかし涙は流れなかった。防衛反応なのか、感情というものが全体的に麻痺してしまったようになり、晴美はただただ上がる火の手を眺めることしかできなかったのであった。
もしかすると、何かの間違いなのかもしれない。火の手が上がっている方角は全く同じであるが、あの穴から火の手が上がっているとは限らないではないか。こじつけもいいところの晴美の考えは、しかし次の瞬間には打ち砕かれていた。
あのメロディーが流れる。ついさっきプレイヤーの訃報を告げたばかりのメロディーが。思わず耳を塞ぎたくなったが、しかしそうはさせまいと、元気いっぱいの子ども達の声が響いた。
そこからは現実感がなくなったというか、変に状況を傍観している自分がいた。へたり込んで唇を震わせている自分を、少し離れたところで見ているような感覚だった。
アナウンスは非情にも西宮の死を告げた。無邪気に、そして楽しそうに。お願いだから、言葉の意味を良く知らないまま言わされているだけであって欲しい。
罠は回避したはずだった。それなのに、どうして爆発したのか。困惑し、混乱する自分から離れ、第三者の視点から状況を見つめた晴美は気づいてしまう。まだあの場には【トラッペ君】があったということに――。西宮と晴美が罠を回避した後も、ガソリンの海を漂っていたのだ。ルール上【トラッペ君】は罠が仕掛けられている象徴。すなわち、あれが存在している限り、罠は何度も作動するのではないか。
「あ、あぁ――」
気づいて声を出してしまった。あの穴から離れる時、西宮は何かを言いかけていたではないか。具体的には念のために蓋を閉めろ――というニュアンスのような言葉だった。それは、また改めて罠が作動する可能性を危惧したものだったのではないだろうか。混合比の都合で、蓋さえ閉めておけば、着火されてもガソリンには引火しないはずなのだから。
殺した。彼は殺されたのではなく自分が殺したのだ。彼の忠告に耳を傾けてやれば――蓋さえ閉めてやっていれば、彼は助かったかもしれない。しかし、晴美が蓋を開けっぱなしにしてしまったがゆえに、ガソリンと空気が燃焼できる混合比になってしまい、そして爆発したのだ。
とんでもない後悔。もはや、絶対に取り返しのつかない現実。先ほど聞こえた西宮の声は、きっと空耳ではなかったのだろう。考えれば考えるほど罪悪感に押しつぶされそうになる。
――火の手は上がり続け、呆然とする晴美からは、しかし涙は流れなかった。防衛反応なのか、感情というものが全体的に麻痺してしまったようになり、晴美はただただ上がる火の手を眺めることしかできなかったのであった。
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