BOOBY TRAP 〜僕らが生きる理由〜

鬼霧宗作

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狂気には凶器を【午後4時〜午後5時】

狂気には凶器を【午後4時〜午後5時】1

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【午後4時5分 比嘉涼 宮垣小学校】

 学校全体を揺らすほどではなかったが、突然の爆発音が辺りに響いたのが、体感的に今から1時間くらい前のこと。たまたま見つけた放送室で、周囲に向けて呼びかけた後のことだった。ちなみに、まさか放送室の機器が使えるとは思ってもみなかった。あくまでもここはゲーム用に作られた街であり、細部までは作り込まれていないと思ったからだ。しかし、それはどうやら比嘉の思い込みだったらしい。

 爆発音を聞いた比嘉は、すぐにグラウンドの向こうに火柱が上がっているのを発見した。同時に流れた放送のおかげで、また人が死んだことを知った。タイミング的に考えて火柱と深い関係があるのだろうと察する。とりあえず安全な出口からグラウンドに出てみた比嘉は、尻餅をつき、焦点の合わない視線を宙に泳がせる女性を見つけた。声をかけても生返事のようなものしか返さない。焦点も合わなければ、ただただ虚ろな瞳には悲壮感のようなものが漂っていた。

 比嘉はとりあえず女性を学校の中へと連れて行くことにした。かわいそうだとか、放っておけないとか、人道的に助けるべきだとか――そのように考えたからではない。単純に女なら色々と利用価値があると考えたからだった。抱きかかえた時、ガソリン特有の匂いが鼻をついた。

 比嘉の言葉に返事はなかったが、伝えたいことは伝わっているようだった。一時的で極端な放心状態みたいな感じになっているようだった。グラウンドに上がった火柱のことを聞こうとすると、異常なほどに怯えた反応をすることも分かった。

 ――とりあえずガソリンの匂いをどうにかしたい。比嘉は彼女を抱きかかえたまま解決策を模索。やや時間がかかってしまったが、体育館にある更衣室にシャワー室を発見する。放送室と同じように、シャワー室もまた普通に使えるであろうと考えた比嘉は、とにかく彼女にシャワーを浴びせることにした。

 放心状態に陥り、他人と会話が成り立たない状況でも、理性の根幹部分というものは機能しているらしい。シャワーのために比嘉が服を脱がせようとすると嫌がった。ごくごく当たり前のように抵抗された。シャワーを浴びせたら、どうせ楽しませてもらうつもりだし、それが早いか遅いかというだけのことなのに。結局のところ一人でふらふらとシャワー室に入った彼女は、しばらくそこから出てこなかった。ただただシャワーの流れる音だけが、体育館に響いていた。
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