BOOBY TRAP 〜僕らが生きる理由〜

鬼霧宗作

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闇の中からの強行突破【午後6時〜午後7時】

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【午後6時45分 比嘉涼 小学校勝手口そば倉庫】

「来るなら来てみろ――間抜け共が」

 実に狭い倉庫の中で、比嘉は自信たっぷりに呟いた。辺りはすでに真っ暗であり、闇に慣れた目であっても、辛うじて人の輪郭を確認できるかどうかという状態だった。

 現時点で、敵となり得る連中は大きな過ちを犯した。それは、比嘉涼という男を敵に回してしまったことだ。

 集団がこちらに向かっていることには、早い段階で気づいていた。そもそも、この小学校に他の参加者が集まってくる可能性はかなり高いと踏んでいた。学校――というと、無意識に避難所という連想が起きる。そして、避難所には人が集まるという印象が強い。ゆえに、特に行き先の決まっていない参加者達は、一発目の死亡者が学校で出たことを知り、避難所を連想して向かおうと考えるはずだ。むしろ、あの女共以外に誰も来ないことが不思議なくらいだった。その考えが念頭にあり、意識的に外を伺っていたことが、外の連中の早期発見に繋がったのだろう。

 外にいた連中が、どのような手段で学校に侵入してくるかは断定できない。しかしながら、こちらの情報が連中に筒抜けであることは知っているし、まず間違いなくグラウンド側の勝手口から、連中が侵入しようとすることは間違いない。だからこそ、その近くの倉庫――具体的には階段下についた扉の向こうにある、ほんのわずかなスペースに比嘉は潜伏しているのだ。

 なぜ、比嘉がそこまで知っているのか。それは実に簡単。恐らく外の連中に向けて発信されていたであろうモールス信号を、単純に比嘉も読み解いたのだ。

 一般的に考えれば、日常生活の中でモースル信号のことを知っている人間は少ない。そのようなものがあるとは多くの人が知っていても、実際に解読できる人間というのは極めて少ないだろう。これが連中の犯した――いいや、あの女達が犯してしまったミス。外の連中の中にモースル信号が解読できる人間がいるとも限らないのに、モースル信号で連絡を取ろうとしてしまった。まさか、比嘉がモースル信号を解読できるとも知らずに。

 ――外にいた連中は、誰一人として正面玄関には近づこうとせず、グラウンドのほうへと回った。それを確認した比嘉は、あちらにもモールス信号を解読できる人物がいると推測。奇襲を仕掛けるために、グラウンド側の勝手口のそばに身を潜め、そして現在へといたる。
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