BOOBY TRAP 〜僕らが生きる理由〜

鬼霧宗作

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闇の中からの強行突破【午後6時〜午後7時】

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 日はすっかりと落ち、辺りは暗闇に包まれている。ずっと暗闇の中に身を潜めていた比嘉とは違い、外にいた連中は暗闇に目が慣れていない。なんだかんだで外には月明かりというものがあり、この学校内よりかは明かりがある。

 ――目が暗闇に慣れていないことは本人達も分かっているはず。それに加えて、モールス信号により、この学校内には刃物を持った異常者がいるということも伝わっている。異常者とは余計なお世話であるが、ならば、ライフル銃を持った迷彩服が真っ先に校内に足を踏み入れるのは、おかしいのではないか。

 暗闇に目が慣れておらず、また校内には刃物を持った異常者がいるという状況。いつどこで襲われてもおかしくないと考えるのが普通だ。だとすると、かなりのアドバンテージを得ることのできるライフル銃を持った人間が先行するというのはおかしいのではないか。いきなり襲われてライフル銃を奪われてしまう恐れだってあるわけだし、この状況を警戒するのであれば、アドバンテージを得ることのできるライフル銃は、後方支援という位置にいたほうがいい。

 そもそも、銃器というのは長距離の射程範囲があってこそ有利なわけであるし、わざわざ自ら間合いを詰めるような真似は馬鹿げている。視界がしっかりと確保できているのならば、ライフル銃が先行してもおかしくはないが、この暗闇の中、不用心にライフル銃が先行するのはおかしいだろう。

 ではなぜ、ライフル銃が先行してきたのか。答えはいたって簡単。そのライフル銃が本物ではないからだ。後方支援に回ることもできなければ、視覚による脅しにしか使えないからなのである。この暗闇の中で、こちらがどれだけの視界を確保しているのかは、あちらからすれば未知数だ。ゆえに、こちらが何かしらの手段で――例えば懐中電灯などの明かりを所持していることを想定して、まずは目に見える牽制を仕掛けてきたのではないだろうか。だからこそのライフル銃先行なのだ。

 もう少し様子を見てやろう。ライフル銃を構えた迷彩服に飛びかかってやっても構わなかったが、まだライフルが偽物であるという確信を得たわけではない。それに、もう一人の戦力を確認してからでも遅くはない。比嘉は扉の隙間から、この校内に侵入を試みた愚か者達の様子を伺う。

 迷彩服に続いて入ってきたのはスーツ姿。その背格好からして男であろうが、見た限り武器を所持しているようには見えなかった。

「き、気をつけろ! どこに敵が潜んでいるか分からないからな!」

 突然、迷彩服が大きな声を出したから驚いた。緊張感がないというか、自分の存在を主張するようなことをするなんて馬鹿なやつだ。

「陸士長――声が大きい」

 一方、スーツ姿のほうは冷静のようで、声を潜めつつ迷彩服に注意をする。迷彩服は「すまない」と呟いた。
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