BOOBY TRAP 〜僕らが生きる理由〜

鬼霧宗作

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ダイニング イン ザ ダイ【午後8時〜午後9時】

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【午後8時15分 野沢真子 小学校近郊】

 いつ襲われるか分からない恐怖。どこの暗闇に悪魔が潜んでいるのか分からず、ただただ手探りのごとく、彼女はそれを目指して地面を蹴り続ける。

 一筋の光明。とにもかくにも、どんよりとした夜のとばりに輝きを放ち続ける光へと、真子は少しずつ――そして着実に近づいていた。もしかすると、マッチ売りの少女がマッチの明かりの中に見たものは、真子と同じものだったのかもしれない。

 息は上がるし、一度肉離れを起こしかけたせいか、走るたびに痛みが走る。体の水分という水分が出てしまったかのごとく喉が渇き、汗のせいで自慢の髪は頬へとべったり張り付いた。だが、それでも真子が走り続けられているのは、走った分だけ光が近づいているからだった。

 真子は一人になってしまった。磯部、村山、吉良――真子が関わった人達は、みんな死んでしまったのだ。けれども、あの光の下には、きっと他のプレイヤーがいる。そう自分に言い聞かせることで原動力としていた。

 良くも悪くも真子は自分のことを知っている。自分一人で現状をどうこうできるわけではないことも分かっていた。でも、他のプレイヤーに会うことができれば、何かが大きく変わるかもしれない。

 まさしく極限状態のまま、終わりの見えないマラソンを続ける真子。徐々に近づいてくる光の存在が、なんとか彼女のモチベーションを保ち続けた。そして、ついに真子は光の正体を知るところまで到達する。

 光はいくつもある窓から漏れ出し、光の中には動く人影が見える。全体像からして、どうやら学校のようだった。

「もう少し……。もう少しだけ頑張って!」

 真子は自らの両足に向かって言い聞かせると、最後の力を振り絞って地面を蹴った。大嫌いだったマラソン大会を思い出す。校庭に入った途端、最後の力を振り絞るアレだ。

 ラストスパート。もうゴールは目前だ。どうか何事もなく、あの光源へとたどり着けますように――真子は祈りながら走った。しかし、どうやら真子の願いは届かなかったらしい。むしろ、余計な試練をおまけしてくれた始末。これがもし神の仕業であり、そのせいで自分が死んでしまったら、あの世で神様をぶん殴りたい。

 徐々に大きくなる光。その光の中に、突如として影が揺らめいた。その影は左右に揺れ、そして気味の悪い声を発する。しかも、耳を塞ぎたくなるほどの大声で。

「待ってまーしーたぁぁぁぁ!」
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