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ダイニング イン ザ ダイ【午後8時〜午後9時】
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ナタ女が追いかけてくる音が聞こえる。もはや、人としての何かが完全に崩壊してしまったのであろう。噛み殺すような笑いも一緒に追いかけてくる。それらを――恐怖という恐怖を振り払い、真子は一心不乱に走った。
明かりの大元――根源となっていたのは学校らしき建物だった。これでもかとばかりに窓には明かりが灯り、その中に人影が見えた。あちらも真子の姿に気がついたのか、窓の外を指差して姿を消した。
「助けてっ! 誰か助けてっ!」
聞こえるかどうかは分からない。届くかどうかも分からない。それでも、真子は懸命に叫んだ。
学校らしき建物は目前。建物の中にいた人も真子のことに気づいたようだし、きっと助けに来てくれるに違いない。これで助かる――そう思ったことにより、これまで張り詰めていた緊張の糸が切れてしまったのであろう。急に膝から力が抜けたと思ったら、真子の体はなす術もなく地面へと崩れ落ちてしまった。倒れた拍子に顔をぶつけてしまったようで、口の中は砂利と鉄の味で一杯になる。ここまで気力だけで走っていたことを思い知らされた。
「ははっ……。馬鹿だな私って。詰めが甘いって、いつも言われてたじゃん」
もはや笑うしかなかった。ここまできておいて、ゴールが見えた途端のエンスト。少しだけ走る力が残っていればゴールできただろうに、ゴール直前になっての失速。なんとも情けない。
「今度こそ捕まえたぁぁぁぁぁ!」
俯せになったままの真子は、吐き気をもよおすほどの殺気に飲み込まれ、しかしもう笑うことしかできなかった。自然と涙があふれる。きっと、死ぬのが怖いのではなく、命を張って守ってくれた村山達の想いを踏みにじるような気がして悔しかったのだと思う。
「ごめんね。私ったら最期まで駄目な子だったね……」
頭上でナタが空気を切り裂いたような気がした。これから真子の脳天に振り下ろされることだろう。覚悟を決めた真子は力強く目をつむった。だが、その瞬間のことだった。何かが割れるような音と共に、ナタ女の悲鳴が辺りに響き渡った。
「ぎゃぁぁぁぁっ! 痛い……痛いぃぃぃぃぃっ!」
何事かと顔を上げると、ツナギを着た男が私の元へと滑り込み、私の手を力任せに掴む。
「こっちや!」
その男に言われるがまま立ち上がってはみるものの、すでに両足共にこむら返りを起こしていた。例えがたい痛みが走り、立つことすらままならない。
「深田っ! 早く彼女を安全な場所へっ!」
明かりの大元――根源となっていたのは学校らしき建物だった。これでもかとばかりに窓には明かりが灯り、その中に人影が見えた。あちらも真子の姿に気がついたのか、窓の外を指差して姿を消した。
「助けてっ! 誰か助けてっ!」
聞こえるかどうかは分からない。届くかどうかも分からない。それでも、真子は懸命に叫んだ。
学校らしき建物は目前。建物の中にいた人も真子のことに気づいたようだし、きっと助けに来てくれるに違いない。これで助かる――そう思ったことにより、これまで張り詰めていた緊張の糸が切れてしまったのであろう。急に膝から力が抜けたと思ったら、真子の体はなす術もなく地面へと崩れ落ちてしまった。倒れた拍子に顔をぶつけてしまったようで、口の中は砂利と鉄の味で一杯になる。ここまで気力だけで走っていたことを思い知らされた。
「ははっ……。馬鹿だな私って。詰めが甘いって、いつも言われてたじゃん」
もはや笑うしかなかった。ここまできておいて、ゴールが見えた途端のエンスト。少しだけ走る力が残っていればゴールできただろうに、ゴール直前になっての失速。なんとも情けない。
「今度こそ捕まえたぁぁぁぁぁ!」
俯せになったままの真子は、吐き気をもよおすほどの殺気に飲み込まれ、しかしもう笑うことしかできなかった。自然と涙があふれる。きっと、死ぬのが怖いのではなく、命を張って守ってくれた村山達の想いを踏みにじるような気がして悔しかったのだと思う。
「ごめんね。私ったら最期まで駄目な子だったね……」
頭上でナタが空気を切り裂いたような気がした。これから真子の脳天に振り下ろされることだろう。覚悟を決めた真子は力強く目をつむった。だが、その瞬間のことだった。何かが割れるような音と共に、ナタ女の悲鳴が辺りに響き渡った。
「ぎゃぁぁぁぁっ! 痛い……痛いぃぃぃぃぃっ!」
何事かと顔を上げると、ツナギを着た男が私の元へと滑り込み、私の手を力任せに掴む。
「こっちや!」
その男に言われるがまま立ち上がってはみるものの、すでに両足共にこむら返りを起こしていた。例えがたい痛みが走り、立つことすらままならない。
「深田っ! 早く彼女を安全な場所へっ!」
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