BOOBY TRAP 〜僕らが生きる理由〜

鬼霧宗作

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ダイニング イン ザ ダイ【午後8時〜午後9時】

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「お前のせいやぞっ! あんなとこに片岡を連れ出すから、こんなことになったんやっ!」

 深田の血走った目が春日を責め立てる。改めて春日の胸倉を掴んだ手は、ぷるぷると震えていた。

「すまない。私はただ……」

 片岡は死んだ。春日だけのせいではないだろうが、しかし片岡の死に対して春日に責任がないというわけではない。

 中央に寝かされている片岡の姿に気づいた。片腕がなくなってしまってはいるが、残された腕のほうは、胸の前で手を組むかのようになっていた。決して穏やかな死に顔ではなかった。

「やめろ深田。春日さんの判断は間違ってない」

 春日が深田に責められるなら、片岡のそばにしゃがみ込んで手を合わせる水落が漏らす。肩を借りていた陸士長も一緒になって手を合わせ、ようやく体力が戻ったのか一人で立ち上がった。

「でも、結果的に片岡は死んだんや! もう、戻ってこんのやぞっ!」

 再び春日に殴りかかりそうな勢いで、深田は水落のほうへと唾を飛ばした。アガサと晴美は、やや遠巻きに心配そうな表情を浮かべるだけだ。

「だから、悪いのは春日さんじゃない! こんなふざけたことを俺達にやらせている誰かだろうが!」

 売り言葉に買い言葉。深田の言葉が気にさわったのか、水落は立ち上がると声を張り上げる。

「――そんなこと、言われんでも分かっとるわ!」

 深田も大声を張り上げ、そして春日の胸倉から手を離した。目には涙を溜め、その場にへたり込むかのごとく崩れ落ちる。

「……俺だって分かってんねん。片岡が死んだんは、ここにおる誰のせいでもない。でも、でもな」

 深田はそこで言葉に詰まると、涙をこぼしながら天井を見上げる。いや、教室の隅に設置されている監視カメラらしきものへと視線をやったようだ。

「どこの誰か知らんけど――もう勘弁してくれや。俺――俺達、そんなに悪いことしたか?」

 実に弱々しく、そして懇願するかのような言葉は、監視カメラに吸い込まれて消えて行く。そして、声も上げずに深田は泣き崩れた。

 春日はいかに自分が無力であるかを思い知らされた。それと同時に、これまで大きな勘違いをしていたことにも気付いた。これまで、誰とも関わらず、独りで生きてきたつもりだった。誰の力も借りず、自分の力だけで生きてきたつもりでいたのである。だが、実際は違った。自分の力だけで生きてきたわけではなかった。

 水落達が助けにきてくれなければ春日はすでに死んでいただろう。それどころか、ここまでたどり着くことさえできなかったに違いない。
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