BOOBY TRAP 〜僕らが生きる理由〜

鬼霧宗作

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ダイニング イン ザ ダイ【午後8時〜午後9時】

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【午後8時55分 小杉美智子こすぎみちこ 郊外の森林小屋】

 身をひそめる。とにもかくにも身をひそめる。ここに留まってから、どれくらい時間が経過するのかさえ分からない。ただただ身を寄せ合うようにして待ち続けた。

「心配することはありません。きっと他の方々がなんとかしてくれますから――」

 明かりのひとつすらない小屋の中は、木材が腐ったような臭いがする。何のためにあるのか分からない小屋を見つけたのは、この悪夢が始まった直後のこと。幸いなことにゲームが始まった時点で互いに近くにおり、行動を共にすることになった仲間達と、小屋を見つけた時は飛んで喜んだものだ。なんせ、目が覚めた場所が富士の樹海のような入り組んだ森の中だったのだ。そんな中にぽつんと建っていた小屋は、砂漠のオアシスと同等の価値があった。少なくとも、小屋を発見した時点での彼女――小杉美智子はそう思ったのだ。

 プレイヤーの人数も多いし、自分達が何もしなくとも、いずれ他のプレイヤーがなんとかしてくれる。そんなことを口にしたのは、こうして今でもリーダーシップを発揮している中谷輝なかたにあきらだった。その格好は現職の牧師らしく、禿げ上がった頭はかのフランシスコ・ザビエルを連想させる。

「でも、ゲームが始まってから聞こえてくるのは、プレイヤーの訃報をしらせるものばかりです。本当に大丈夫なんですか? 牧師様」

 美智子が中谷よりも早く合流した岩部直也いわべなおやが呟いた。随分とおどおどとした様子の青年であり、どこぞの大学の大学院生だとか。ちなみに、美智子自身は専業主婦というやつだ。まったく接点も共通点もない三人が、どうしてこんなところに放り込まれたのか――正直なところ全然心当たりがなかった。

「心配いりませんよ。我々はここで待っていればいいだけなのです」

 ――本当にそうだろうか。中谷の物腰の柔らかさと、説法じみた話し方のせいで、なんとなく中谷の言っていることが正しいように思えてしまうのであるが、待っているだけで事態が解決するとは思えなかった。そもそも、中谷が言っていることは、すなわち他人任せの他力本願。言い換えれば、自分達だけノーリスクで恩恵にあずかろうとしているような気がして、なんだか腑に落ちずにいた。

「でも、このまま何事も起きずに朝を迎えてしまうかもしれません――何事も起きずに制限時間を迎えてしまう恐れだってあります」

 胸中で中谷に対しての疑心があったせいか、自然と現状の苛立ちを言葉にして中谷へとぶつけてしまう美智子。
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