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迫る毒牙
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ふと、六課の扉が叩かれた。こちらが返事をする前に勝手にとびらが開かれる。一同が視線を向けた先には、捜査一課の責任者である、亜紀の姿があった。
俯き加減の亜紀は、ふと顔をもたげると、何も言わずに田之上のデスクの上に資料らしきものを置く。そのまま、一同の視線を浴びながら、六課の扉に手をかけると、そこで振り返って、ようやく口を開いた。
「先日の事件の解剖結果が出たわ。そこに置いておくから目を通しておいて」
冷たい口調で言い放った亜紀をからかうかのように、田之上はここぞとばかりに口を開く。
「どういう風の吹き回しかねぇ? もしかして、今回の失態で俺達に泣きつきにでもきたのか?」
「勘違いしないで。失態なんかしていないし、それはあなた達がそう思っているだけのことでしょう? 私は六課に情けをかけてあげているだけよ」
亜紀はそう言いながら、しきりに髪の毛を触っていた。このような仕草をする時の彼女は、大抵後ろめたいものを感じて嘘をついている。曲がりなりにも男女の仲にあった田之上だからこそ分かることだとばかり思ったのだが、どうやら亜紀の態度というのは分かりやすいらしい。
桂が資料を手に取りながら、苦笑いを浮かべる。
「安心して下さい進藤警部。事件は僕達が解決に導くから」
「何度も言うけど、事件は私達捜査一課が解決するの。ただ、それはコピーしようとして――そうよ、コピーしようとして失敗したやつだから。一応大切な資料だし、ゴミに捨てるわけにもいかないから、仕方なくここに持ってきただけなんだからね」
亜紀はそう言うと、大きく鼻を鳴らして六課から出て行ってしまった。機密資料をコピーするとか、作り話下手か。
「……相変わらず素直な女じゃねぇな。六課に力を貸して欲しいなら、素直にそう言えばいいのによ」
亜紀が出て行った扉を眺めつつ、田之上は大きな溜め息をひとつ。
「うわぁ、なんか絵に描いたみたいなツンデレだったねぇ」
勢い良く閉められた扉を眺めつつ呟く雅に、田之上は付け足してやった。
「その通りだ。でもな雅、あいつはベッドの上でも――ツンだ」
「――だったらいつデレるの? そこでしょう? どう考えてもデレるならそこでしょう?」
ちょっと場を和ませようとした田之上と雅のやり取りは、残念ながら桂の咳払いにて一蹴されてしまった。
俯き加減の亜紀は、ふと顔をもたげると、何も言わずに田之上のデスクの上に資料らしきものを置く。そのまま、一同の視線を浴びながら、六課の扉に手をかけると、そこで振り返って、ようやく口を開いた。
「先日の事件の解剖結果が出たわ。そこに置いておくから目を通しておいて」
冷たい口調で言い放った亜紀をからかうかのように、田之上はここぞとばかりに口を開く。
「どういう風の吹き回しかねぇ? もしかして、今回の失態で俺達に泣きつきにでもきたのか?」
「勘違いしないで。失態なんかしていないし、それはあなた達がそう思っているだけのことでしょう? 私は六課に情けをかけてあげているだけよ」
亜紀はそう言いながら、しきりに髪の毛を触っていた。このような仕草をする時の彼女は、大抵後ろめたいものを感じて嘘をついている。曲がりなりにも男女の仲にあった田之上だからこそ分かることだとばかり思ったのだが、どうやら亜紀の態度というのは分かりやすいらしい。
桂が資料を手に取りながら、苦笑いを浮かべる。
「安心して下さい進藤警部。事件は僕達が解決に導くから」
「何度も言うけど、事件は私達捜査一課が解決するの。ただ、それはコピーしようとして――そうよ、コピーしようとして失敗したやつだから。一応大切な資料だし、ゴミに捨てるわけにもいかないから、仕方なくここに持ってきただけなんだからね」
亜紀はそう言うと、大きく鼻を鳴らして六課から出て行ってしまった。機密資料をコピーするとか、作り話下手か。
「……相変わらず素直な女じゃねぇな。六課に力を貸して欲しいなら、素直にそう言えばいいのによ」
亜紀が出て行った扉を眺めつつ、田之上は大きな溜め息をひとつ。
「うわぁ、なんか絵に描いたみたいなツンデレだったねぇ」
勢い良く閉められた扉を眺めつつ呟く雅に、田之上は付け足してやった。
「その通りだ。でもな雅、あいつはベッドの上でも――ツンだ」
「――だったらいつデレるの? そこでしょう? どう考えてもデレるならそこでしょう?」
ちょっと場を和ませようとした田之上と雅のやり取りは、残念ながら桂の咳払いにて一蹴されてしまった。
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