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元奴隷勇者
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フェリックは、今の白髪の女性の発言に、言葉を失ってしまった。しかし、すぐに我に返り、聞き返す。
「え⋯⋯今なんて?」
「聞こえなかったのか? 魔王討伐に成功した、と言ったのだが」
「やっぱり聞き間違えじゃなかった!?」
しかもこの女性たち――魔王討伐に成功した勇者たちは、フェリックをパーティーに入れたいと言っていた。
しかし、フェリックは考える。これは罠なのではないかと。魔王討伐という偉大な功績に罠を仕掛け、フェリックのような餌を釣り上げ、こき使うという。⋯⋯まぁ内心、この美少女たちにこき使われるのは嫌じゃないフェリックだったが。
「あ、あの、俺をパーティーに入れたいって聞こえたんですけど⋯⋯」
「はいはーい! そうだよー! 君をパーティーに入れるの!」
フェリックが怪訝そうに言うと、後ろにいた金髪の少女が手を上げながら出てきた。
なんとも可愛らしい少女である。目はクリっとしていて、口調から察するに活発な少女なのだろう。スタイルも良く、活発なオーラが溢れ出ていた。こういう少女が1人でもいると、パーティーの士気と活気は上がるものだ。
フェリックはその金髪の少女の言葉を聞き、嬉しい様子で言った。
「ほ、ほんとですか!? あ、でも⋯⋯」
フェリックは突然暗い顔になる。それに対し、後ろにいた黒髪の少女が困ったように首を傾げて言う。
「あのあの、どうかしたのですか?」
「⋯⋯実は俺、昨日シャトロワの森で元いたパーティーから追い出されたんだ。それで今あなたたちがパーティーに入れてくれるって言ったから、なんか罪悪感が出てきて⋯⋯」
フェリックが言い終わると、女性4人たちは顔を見合わせて、笑った。フェリックからしたら全く笑えない状況だったが、前にいた白髪の女性は言った。
「なんだそんなことか! そんな小さなこと気にしなくてもよいぞ」
「⋯⋯え? で、でも」
「昨日私たちもパーティーから追い出されたのだ! 同じなのだ!」
「え⋯⋯? 追い出された?」
後ろにいたオレンジ髪の幼い少女が満面の笑みを浮かべ、そう言う。いきなりのことにフェリックは驚きを隠せなかった。
「ははははっ! 偶然か必然か。そう、私たちも昨日追い出されてしまってな。元は10人いたのだが、今はこの追い出された4人で活動している」
「⋯⋯追い出されたって、一体何があったんですか?」
「聞きたいことは同じだな。ここではなんだ、酒場へ移動して、落ち着いてから話そうではないか」
「あ、でもお金が⋯⋯」
「あのあの、気にしなくていいですよ! お金ならあるので」
そう言って黒髪の女性は微笑む。その笑みに思わずフェリックは堕ちてしまいそうだった。首を左右に振り、考えを改める。
「わ、わかりました。よろしくお願いします」
「うむ。では私についてくるのだな」
そうして白髪の女性は先々に歩いていく。それについて行くように皆歩き出す。しかし、黒髪の少女だけは振り返り、手を差し出してくる。
「さ、行きましょう!」
「う、うん」
フェリックはその手を取った。
「え⋯⋯今なんて?」
「聞こえなかったのか? 魔王討伐に成功した、と言ったのだが」
「やっぱり聞き間違えじゃなかった!?」
しかもこの女性たち――魔王討伐に成功した勇者たちは、フェリックをパーティーに入れたいと言っていた。
しかし、フェリックは考える。これは罠なのではないかと。魔王討伐という偉大な功績に罠を仕掛け、フェリックのような餌を釣り上げ、こき使うという。⋯⋯まぁ内心、この美少女たちにこき使われるのは嫌じゃないフェリックだったが。
「あ、あの、俺をパーティーに入れたいって聞こえたんですけど⋯⋯」
「はいはーい! そうだよー! 君をパーティーに入れるの!」
フェリックが怪訝そうに言うと、後ろにいた金髪の少女が手を上げながら出てきた。
なんとも可愛らしい少女である。目はクリっとしていて、口調から察するに活発な少女なのだろう。スタイルも良く、活発なオーラが溢れ出ていた。こういう少女が1人でもいると、パーティーの士気と活気は上がるものだ。
フェリックはその金髪の少女の言葉を聞き、嬉しい様子で言った。
「ほ、ほんとですか!? あ、でも⋯⋯」
フェリックは突然暗い顔になる。それに対し、後ろにいた黒髪の少女が困ったように首を傾げて言う。
「あのあの、どうかしたのですか?」
「⋯⋯実は俺、昨日シャトロワの森で元いたパーティーから追い出されたんだ。それで今あなたたちがパーティーに入れてくれるって言ったから、なんか罪悪感が出てきて⋯⋯」
フェリックが言い終わると、女性4人たちは顔を見合わせて、笑った。フェリックからしたら全く笑えない状況だったが、前にいた白髪の女性は言った。
「なんだそんなことか! そんな小さなこと気にしなくてもよいぞ」
「⋯⋯え? で、でも」
「昨日私たちもパーティーから追い出されたのだ! 同じなのだ!」
「え⋯⋯? 追い出された?」
後ろにいたオレンジ髪の幼い少女が満面の笑みを浮かべ、そう言う。いきなりのことにフェリックは驚きを隠せなかった。
「ははははっ! 偶然か必然か。そう、私たちも昨日追い出されてしまってな。元は10人いたのだが、今はこの追い出された4人で活動している」
「⋯⋯追い出されたって、一体何があったんですか?」
「聞きたいことは同じだな。ここではなんだ、酒場へ移動して、落ち着いてから話そうではないか」
「あ、でもお金が⋯⋯」
「あのあの、気にしなくていいですよ! お金ならあるので」
そう言って黒髪の女性は微笑む。その笑みに思わずフェリックは堕ちてしまいそうだった。首を左右に振り、考えを改める。
「わ、わかりました。よろしくお願いします」
「うむ。では私についてくるのだな」
そうして白髪の女性は先々に歩いていく。それについて行くように皆歩き出す。しかし、黒髪の少女だけは振り返り、手を差し出してくる。
「さ、行きましょう!」
「う、うん」
フェリックはその手を取った。
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