26 / 61
おっさん、綾華のご学友を見つける
しおりを挟む
今さら焦ったところでもう遅い、俺をこんな状態にしたのは君なんだよ綾華。
「あそこにいる女の子の様子が変ですの」
綾華の視線の先には顔を真っ赤にして今にも泣きそうな女の子がいた。
微妙に身体をゆすり場所を移動しようしているが、非力な女の子がすし詰め状態の電車内を移動できるわけがない。
……あぁ、あれは完璧に触られてるな。
周りの大人たちはスマホをいじってたり、立ち寝状態で気づいていない。
そもそも、女子高生くらいの背丈では満員電車の大人の男たちの背丈の中に埋没しやすく、何かされていたとしても気づかれにくい。女の子が体を揺すっていたとしても電車の揺れの方が強く無言のSOSはかき消されてしまう。
女の子と同じ視線の綾華だからこそ電車が揺れた拍子に隙間が出来て気づけたのだろう。
気づけたのはいいが、さてどうしよう。
若い頃の俺なら正義感に駆られて痴漢を捕まえただろう。
実際、捕まえたこともある。だが、その後の助けた女性と駅員の対応がひどかった。
痴漢してたのがイケメンで、助けたのが三段腹の若ハゲの俺だったいうことから人を見た眼で判断し、途中から俺が痴漢をしたんじゃないのかと疑われた。
結局、イケメンが罪を認めて解決したが、冤罪をかぶせようとした助けた女性と駅員からは謝罪されなかった。
まあ、変に正義感に駆られて行動するとロクな結果にならない良い教訓だと今は納得しているが、当時の事を思い出すと今もイライラする。
というか、イライラしてきた。
今回も倫理上、助けてあげるべきなのだろうが面倒ごとになる。
だが、女の子を助けて痴漢を捕まえたら、俺は女の子と一緒に駅長室へ同行することになるだろう。
警察が呼ばれて状況説明などで時間がかかる。
そうすれば、一緒にいる綾華が学校に遅刻することになる。
普段から綾華が電車通学をしていれば一人で行かせることも可能だが、今回が初めての電車通学。
恐らく、学校の最寄り駅から学校までの道順も分からないだろう。
ましてや、一人で行動させている時に事故でもあったら四条総裁に申し訳が立たない。
と、言う事でここは女の子には泣いて我慢してもらおう。
第一、女性専用車両があるのに男が沢山いる満員電車に乗ってきて痴漢に遭うなんて自業自得だ。
次回はキチンと女性専用車両に乗るんだぞ。
そう心の中で女の子にアドバイスを送っていると、綾華がふと気づいた表情で言ってきた。
「あら、あの子はわたくしと同じクラスの方ですわ」
「あそこにいる女の子の様子が変ですの」
綾華の視線の先には顔を真っ赤にして今にも泣きそうな女の子がいた。
微妙に身体をゆすり場所を移動しようしているが、非力な女の子がすし詰め状態の電車内を移動できるわけがない。
……あぁ、あれは完璧に触られてるな。
周りの大人たちはスマホをいじってたり、立ち寝状態で気づいていない。
そもそも、女子高生くらいの背丈では満員電車の大人の男たちの背丈の中に埋没しやすく、何かされていたとしても気づかれにくい。女の子が体を揺すっていたとしても電車の揺れの方が強く無言のSOSはかき消されてしまう。
女の子と同じ視線の綾華だからこそ電車が揺れた拍子に隙間が出来て気づけたのだろう。
気づけたのはいいが、さてどうしよう。
若い頃の俺なら正義感に駆られて痴漢を捕まえただろう。
実際、捕まえたこともある。だが、その後の助けた女性と駅員の対応がひどかった。
痴漢してたのがイケメンで、助けたのが三段腹の若ハゲの俺だったいうことから人を見た眼で判断し、途中から俺が痴漢をしたんじゃないのかと疑われた。
結局、イケメンが罪を認めて解決したが、冤罪をかぶせようとした助けた女性と駅員からは謝罪されなかった。
まあ、変に正義感に駆られて行動するとロクな結果にならない良い教訓だと今は納得しているが、当時の事を思い出すと今もイライラする。
というか、イライラしてきた。
今回も倫理上、助けてあげるべきなのだろうが面倒ごとになる。
だが、女の子を助けて痴漢を捕まえたら、俺は女の子と一緒に駅長室へ同行することになるだろう。
警察が呼ばれて状況説明などで時間がかかる。
そうすれば、一緒にいる綾華が学校に遅刻することになる。
普段から綾華が電車通学をしていれば一人で行かせることも可能だが、今回が初めての電車通学。
恐らく、学校の最寄り駅から学校までの道順も分からないだろう。
ましてや、一人で行動させている時に事故でもあったら四条総裁に申し訳が立たない。
と、言う事でここは女の子には泣いて我慢してもらおう。
第一、女性専用車両があるのに男が沢山いる満員電車に乗ってきて痴漢に遭うなんて自業自得だ。
次回はキチンと女性専用車両に乗るんだぞ。
そう心の中で女の子にアドバイスを送っていると、綾華がふと気づいた表情で言ってきた。
「あら、あの子はわたくしと同じクラスの方ですわ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる