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おっさん、大吟醸が美味い
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大浴場から部屋に戻ると食事が三人分用意されていた。
少しバツの悪そうな綾華の隣には上機嫌の亜紀。
「おい、なんでお前がここにいるんだよ」
「いやぁ、お風呂場で綾華ちゃんと意気投合しちゃってさ。ご飯も一緒に食べてくれるって」
語尾にハートマークでも付けてそうな口調でテヘペロしてくる亜紀。
部屋主である俺が許可したわけでもないのに三人分用意されている時点で、親父たちの了承が入っている。
これで問答無用で亜紀を追い出そうものなら、後で説教の嵐だろう。
「ハァ、まあいいか。食うか」
「はぁ~い、いっただきまーす」
亜紀はお客様用のご飯が食べれるのでウキウキである。
従業員用のまかない飯はそれなりに美味いのだが、やはりお客様用の飯はまた別格である。
「ハイ、叔父さん。大好きな大吟醸を用意しておいたよ。ビールより大吟醸でしょ?」
「英二様、そうなのですか?」
「あぁ、まあな」
綾華は少し拗ねたよう表情で聞いてきた。多分、昨日、ビールを薦めてきた事を軽く後悔しているのだろう。
「大吟醸が好きなら遠慮なく言ってくだされば良かったのに」という表情である。
「ちなみに、この大吟醸は旅館の奢りか?」
「そんな訳ないじゃん。きちんとお客様である叔父さんの宿泊費に合算するよ。公私混同はしちゃいけませんなぁ、叔父さん」
部屋主に断りなく三人分の料理を用意したのは公私混同に入らないんですかね、この野郎。
てか、帰省して来た身内に対して宿泊費を請求する家族ってどうなんよ。
客室を利用しているだろって言われれば何も言い返せないが。
久々に飲む地元酒の大吟醸は旨い。適度に高い度数の酒の喉越し、胃に染み渡る熱さ。旨い。
女子トークに盛り上がる亜紀たちを肴に呑む酒も悪くない。
風呂で亜紀がどういう手品を使ったかは知らんが、すっかりと綾華と打ち解けていた。
社交界にしがらみのない同年代の亜紀と仲良くなれた事は綾華にとって貴重だろう。
黙々と食べつつ飲みつつ良い気分の俺にニヤけながら亜紀が言ってきた。
「ねえ、叔父さん。綾華ちゃんってスンごいスタイルいいよ。知ってた?」
「ちょっと、亜紀さん!?」
亜紀の口を真っ赤な顔で両手で塞ごうとする綾華。
モガモガと更に何か言おうとする亜紀。
いいねぇ、こういう年相応のじゃれ合い。多分、綾華には無い経験だ。
結構な酔いも手伝い、つい俺も身内同士のノリで答えてしまう。
「あぁ、知ってる」
「英二様!?」
綾華の顔が茹でダコの様に赤くなり涙目になる。
上品な社交界ではまずあり得ないやり取り。綾華のキャパをオーバーしたようだ。
顔を両手で覆い、肩を震わせてしまう。
「あー、叔父さんセクハラだよぉ? 可愛い綾華ちゃんが泣いちゃったじゃん」
それを振ってきたお前がどの口で言う。
亜紀が綾華を抱きしめ、頭を撫でて慰める。
不本意ではあるが、とりあえずキチンと詫びねば綾華の心に傷を残す。
「すまん、綾華。言葉が不適切でした。嫌な気分にさせちゃったよな」
綾華は頭を振りながら、顔から手を離し顔を真っ赤にしながら俺を見る。
「他の殿方ならともかく、英二様からなら嫌じゃありませんわ。ただ、恥ずかしいだけですわ……」
あぁ、さいですか……。この答えにはどう返していいものやら。
少しバツの悪そうな綾華の隣には上機嫌の亜紀。
「おい、なんでお前がここにいるんだよ」
「いやぁ、お風呂場で綾華ちゃんと意気投合しちゃってさ。ご飯も一緒に食べてくれるって」
語尾にハートマークでも付けてそうな口調でテヘペロしてくる亜紀。
部屋主である俺が許可したわけでもないのに三人分用意されている時点で、親父たちの了承が入っている。
これで問答無用で亜紀を追い出そうものなら、後で説教の嵐だろう。
「ハァ、まあいいか。食うか」
「はぁ~い、いっただきまーす」
亜紀はお客様用のご飯が食べれるのでウキウキである。
従業員用のまかない飯はそれなりに美味いのだが、やはりお客様用の飯はまた別格である。
「ハイ、叔父さん。大好きな大吟醸を用意しておいたよ。ビールより大吟醸でしょ?」
「英二様、そうなのですか?」
「あぁ、まあな」
綾華は少し拗ねたよう表情で聞いてきた。多分、昨日、ビールを薦めてきた事を軽く後悔しているのだろう。
「大吟醸が好きなら遠慮なく言ってくだされば良かったのに」という表情である。
「ちなみに、この大吟醸は旅館の奢りか?」
「そんな訳ないじゃん。きちんとお客様である叔父さんの宿泊費に合算するよ。公私混同はしちゃいけませんなぁ、叔父さん」
部屋主に断りなく三人分の料理を用意したのは公私混同に入らないんですかね、この野郎。
てか、帰省して来た身内に対して宿泊費を請求する家族ってどうなんよ。
客室を利用しているだろって言われれば何も言い返せないが。
久々に飲む地元酒の大吟醸は旨い。適度に高い度数の酒の喉越し、胃に染み渡る熱さ。旨い。
女子トークに盛り上がる亜紀たちを肴に呑む酒も悪くない。
風呂で亜紀がどういう手品を使ったかは知らんが、すっかりと綾華と打ち解けていた。
社交界にしがらみのない同年代の亜紀と仲良くなれた事は綾華にとって貴重だろう。
黙々と食べつつ飲みつつ良い気分の俺にニヤけながら亜紀が言ってきた。
「ねえ、叔父さん。綾華ちゃんってスンごいスタイルいいよ。知ってた?」
「ちょっと、亜紀さん!?」
亜紀の口を真っ赤な顔で両手で塞ごうとする綾華。
モガモガと更に何か言おうとする亜紀。
いいねぇ、こういう年相応のじゃれ合い。多分、綾華には無い経験だ。
結構な酔いも手伝い、つい俺も身内同士のノリで答えてしまう。
「あぁ、知ってる」
「英二様!?」
綾華の顔が茹でダコの様に赤くなり涙目になる。
上品な社交界ではまずあり得ないやり取り。綾華のキャパをオーバーしたようだ。
顔を両手で覆い、肩を震わせてしまう。
「あー、叔父さんセクハラだよぉ? 可愛い綾華ちゃんが泣いちゃったじゃん」
それを振ってきたお前がどの口で言う。
亜紀が綾華を抱きしめ、頭を撫でて慰める。
不本意ではあるが、とりあえずキチンと詫びねば綾華の心に傷を残す。
「すまん、綾華。言葉が不適切でした。嫌な気分にさせちゃったよな」
綾華は頭を振りながら、顔から手を離し顔を真っ赤にしながら俺を見る。
「他の殿方ならともかく、英二様からなら嫌じゃありませんわ。ただ、恥ずかしいだけですわ……」
あぁ、さいですか……。この答えにはどう返していいものやら。
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