ETDの雑用係

とりい とうか

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三章 ペイン

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 ノーイが丁寧に説明を繰り返して、しかしてペインの中での結論としては「次代の魔王様が自分で自分の身を守ることができるようになるまでその存在を秘匿したい」からだと誤解したままで。また来るからの! なんて無邪気に帰っていくペインをシェムハザと共に見送ったノーイは、深々と溜め息をついた。

「いやどう見ても大神官本人だろ……見えてないとはいえそこはわかれよ……」
「貴方を師と仰いでいると話したらすぐに仲良くなれました。やはり共通の知人の話題というのは万能ですね」
「ですねじゃなくない?」
「私の魔力の質も、あの頃からは随分変化しましたし……」
「そうね、死魔法を使えば使うだけね、だから教会からは汚染呪法とか呼ばれてるんだよね」

 あっけらかんと宣うシェムハザにも、ノーイの溜め息が止まることはない。ペインの目は、というより上半身は擬態に過ぎず、そのほとんどが見た目通りには機能していない。彼女が感知しているのは、魔力の量と質、それから揺らぎである。

「そういえば、障害物は無事撤去できたんですか?」
「あ、そうそう。何か石化の瞳が落ちてて……」
「おや珍しい……あぁ、貴方には効かないんでしたっけ」
「そ、ご存知かとは思うけど、夜と闇と……呪魂死魔法はね」
「大魔女が悔しがっていたのでよく覚えてます」
「その代わり星と月はね、めちゃくちゃ怖い」
「光魔法が弱点じゃないと知った時はこちらも怖かったですよ」
「光魔法は克服だったけどなー」

 ころん、とインベントリから出した石化の瞳は、きらきらと輝いている。が、シェムハザはそれを無造作につまみ、首を傾げた。

「しかし、触手にも効かないのでは?」
「や、それが粘液と変な反応してたみたいで、これくらいの塊になってた」
「あぁ、それはつっかえますね。動けなくなってしまう」
「だもんで触手を伸ばして頑張ってた」
「貴方の口振りを聞いていると、触手にも愛着が湧いてきそうなんですよね」
「アイツらからは愛情返ってこないからおすすめしないぜ?」

 石化の瞳をノーイに返し、ぱちぱちとまばたきするシェムハザ。その睫毛から石粉がこぼれたのを見たノーイは、ぽかんと口を開く。

「お前も無効じゃないの?」
「魅了はされてないんですけど、貴方に装飾品を贈るならこれくらいきらきらしているものが良いかなと思いました」
「二度と思わないで」
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