女神様の使い5歳からやってます

めのめむし

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第5章 崩れた日常

第128話 魔王VS勇者

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「さあ、次は君だよ。魔王! 僕のために灰になってくれ」
 
 勇者工藤蓮がそう言うと、魔王ガルヴォートは静かにその目を開いた。

 そこへ、炎斬魔将ヴォルクが膝をつき、魔王に進言する。

「魔王様が出るまでもありますまい。拙者にお任せいただければと思います」

 魔王は、ヴォルクの進言に耳を傾けたが、受け入れない。

「ヴォルクよ。そなたの忠義は喜ばしく思うぞ。しかし、我も体を動かしたいのでな。
それに……」

 魔王がスクリーンを見て言う。

「我の強さも示しておかねばなるまい?」
「ハッ、余計な発言、お許しください」
「良い、これからも励むが良い」
「ハハッ」

 魔王が竜車の上の玉座から降り、謁見の間に初めて降り立つ。

 勇者工藤蓮の前に来ると、マントを勢いよく剥いだ。
マントの下からは魔王の威容が露わになる。
 
 身長は2メートルをゆうに越え、側頭部にはねじれたツノがあり、首は太く、全身を覆う鎧のような太い筋肉、上半身は魔物の皮の袖のない黒い上衣、下も魔物の皮でできた黒いズボンを履いている。

 短く切り揃えられた、ダークレッドの髪は魔王の怒りをそのまま表しているようだ。
 その顔は整っているが、長年の恨みの蓄積なのか、魔王という重圧なのか、どこまでも険しく、眼光は見るものを一瞬で失神させるほどに恐ろしい。

 手にした大剣は血を想起させるような赤と漆黒の闇を表すような黒の、一目で業物と分かる、異様な迫力のあるものだった。

 さしもの勇者も魔王のその佇まいを見て息を呑む。

 しかし、工藤蓮も勇者としてこの世界に来ている。
勇者が魔王に怯えているわけにはいかない。

 何も気にしていないかのように、その甘いマスクを優雅に緩ませて、魔王に言った。

「やあ、魔王。ようやく、君が出てきたね。正直、他の者では役不足でね。僕には魔王くらいでないと、相手にならないんだよね」

 その言葉に、魔将たちがぴくりと反応する。
が、魔王の手前、皆自分を抑えている。

 魔王が勇者の言葉に返す。

「ふっ、道化め。汝如きが魔将たちに勝てるわけがなかろう。
我が出てきたのは、人間どもに魔王である我の力を見せつけるため。その一点である。

 自分の実力で、我を引き摺り出したと思うな」

 蓮は魔王の物言いに、腹を立てたが、冷静を装って言い返す。

「へ、へえ。魔王って、口だけは達者なんだね。でもね、君より強い僕が、君の部下に負けるわけなんかないでしょ」
「ふっ」
「な、なんだよ。馬鹿にしてるのか?」
「もういいだろう。勇者よ。早く死合おうじゃないか」
「くそ! 吠え面をかかせてやる」

 魔王が手にしていた大剣を床に突き刺す。まだ使う気がないようだ。
 
「!? どこまで僕を馬鹿にするんだ! 吠え面かかせてやる」
 
 勇者が愛剣を抜いた。
 
 そして、ジャンプしながら、大上段から斬りつけた。
斬撃のスピードは早く常人ではとても視認できない勢いのある動きだった。

 斬撃は魔王の顔面に吸い込まれるように入った。

 ドン!

 しかし、とても剣が切り裂いた時に出すような音ではなかった。

 なんと、魔王は左手のひらで、剣を正面から受けていたのだ。

「なっ!?」

 蓮は素早く後ろに下がって、体勢を立て直し、今度は左の胴を薙ぎに行く。
しかし、魔王は左の掌を返し、それも受け止める。

 焦って、蓮がまた後ろに下がる。

「勇者よ。私は剣が得意なのだがな。その程度では私の剣術を見せることもできないではないか」
(な、なんなんだよ。こいつは。僕の斬撃が通じていないじゃないか。素手で受け止めるなんて反則だよ。
 クソクソクソ! いや、待て、落ち着け。斬撃が効かないなら燃やせばいいじゃないか。そうだ、そうすればいい)

 焦った、顔をしていた蓮だったが、顔を歪めて笑い出す。

「あははははは、君は大したものだよ。僕の斬撃を止めるなんてね。でも、これはどうかな?『フレイムブレード』」

 蓮は、先ほど、魔人を体の内側から焼き尽くした青白い炎を纏う魔法剣、フレイムブレードを使った。

「どうだい、魔王。これだったら、素手で受けることはできないだろう?」
「ふっ、そうだな」

 魔王の返事に蓮は気をよくする。

「そうとも、これは素手では受けられない。早くその床に刺さっている剣を抜けばどうかな?」

 しかし、魔王は動かない。
蓮は、先ほどからの魔王の目が気に入らない。

(まるで、虫を見ているかのような目だ。許せない! 僕は勇者だぞ。誰もが認める、唯一魔王を倒す存在なんだ!)

 蓮は苛立ち紛れに叫ぶ!

「魔王! なぜ剣を取らないんだ! 僕を馬鹿にしているのか!」

 魔王がつまらなさそうに答える。

「剣か。幼少期に鍛え始めた剣技を我は未だに磨いている。それこそ、奴隷になった時を除いてずっとな。
もう100年近く振り続けている。我の誇りとも言えるものよ。

 よって、我の剣技はそれに相応しいものにしか見せることはない」

 蓮の頭に血が昇った。

「僕の剣技がふさわしくないというのか?」

 魔王が侮蔑の目で蓮を見る。

「剣技? 汝のやっていることは児戯であろう?」

 蓮は、怒りを通り越して、かえって冷静になった。

「上等だよ。剣を抜かないのは君の自由さ。そっちがそっちのやり方でやるっていうなら、僕も僕のやり方でやってやる。
君をさっきの魔人と同じように燃やし尽くしてやる。剣を使わないなら、楽にできる。今更、剣を使うなよ」
「ふっ、何をしても児戯には変わりない」
 
 蓮のフレイムソードの青白い炎が一段と大きく燃え上がる。

「くだらないこだわりと一緒に死ね! 魔王!」

 蓮は跳び上がり、大上段から振り下ろした。
これは先ほどのように素手で受けられない、必殺の一撃だ。

 剣が魔王の顔面を捉えようとした時、

 ドン!

 しかし、先ほどのような、剣で斬った音ではない音が聞こえる。

 なんと、魔王がまたしても左手で受けていたのだ。
しかも今度は握っている。

 蓮は焦り、場違いな抗議をする。
 
「さっき、このフレイムソードは素手で受けられないって言ってたじゃないか」

 その物言いに、魔王は吹き出しながら答える。

「フッ、どこまでも笑わせる。そうだな、確かに言ったが、よく我の手を見てみろ」

 燃え盛る、蓮の剣の中央あたりを掴む魔王の手は、何か黒いモヤに覆われていた。

「な、なんだ、これは」
「魔力で手を包んだだけだ。お前の剣もそうだろう?」
「そ、そんな」
「茶番はここまでにするか」

 魔王がそういうと、蓮の剣を魔王の左手が握り込んだ。

 バキン

 蓮の剣が中程から砕け折れてしまった。

「なっ! 僕の剣を素手で」

 蓮の剣はトレハミア王国でもらった名剣である。
蓮は剣の名前を覚えていないが、自分の手に馴染む、今まで数多の魔物を屠ってきた、なんでも斬れる名剣だった。

 それを素手で砕いてしまった魔王に蓮は心底恐怖した。

 後ろに跳んで下がるが、恐怖で着地を失敗し尻餅をついてしまう。

 魔王が一歩前に出ると、蓮の恐怖はさらに強くなる。
しかし、まだ蓮には魔法が残っていた。

「く、来るな! 『メキロ!』」

 尻餅をついたまま、炎魔法メキロを撃った。

 メキロは魔王の腹部に当たり、炎が魔王を包むかと思いきや、いくばくかの煙が後ろに流れるのと共に消えてしまった。

「ひっ」

 もう一歩、魔王が前に出る。

「メ、メキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキロメキローーーーーー!」

 蓮はパニックになり、メキロを20連射した。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 蓮の息は切れて、肩で息をしている。

 全弾命中した、魔王は煙に包まれていた。
何も見えない。

 『ウインド』

 魔王の声が聞こえた次の瞬間には魔王の風魔法で煙は散らされてしまった。

 魔王は全くの無傷だった。

「そ、そんな、馬鹿な……そんな馬鹿なーーーーーー!」

 蓮はあろうことか、逃げ出した。
魔王に背を向けて一目散に。

 そして、謁見の間の扉までもう少しのところで、

 『漆黒の手』

 魔王の左手から伸びた、漆黒の魔力の手が蓮の胴体を掴んだ。

「ヒ、ヒィ。な、なんだこれはーーーーー」

 蓮は、逃げられない恐怖で無様に叫んだ。

 そして、蓮は魔王に引き寄せられ、宙吊りにされた。

「汝、勇者であろう。守るべきものをおいて逃げるとはどういうことだ?」
「た、助けてくれ。僕は元々この国にはなんの関係もないんだ」
「汝、皇女たちの未来の伴侶として守る義務があると言っていたであろう?」
「ぼ、僕を助けてくれれば、皇女たちは好きにしていい」
「汝、皇女たちを見ながらそれが言えるか?」

 魔王が漆黒の手で、皇女たちの方に向きを変えさせる。
蓮が宙吊りのまま皇女たちに向き合う状態になった。

「「「……。」」」

 皇女たちは呆れた目で、蓮を見つめる。

 蓮はその視線に耐えかねて、皇女たちに言った。

「そ、そんな目で見ないでくれ。誰だって、自分が大切だろう。君たちとはまだ2回しか会ったことがない。
完全に他人じゃないか。そんな相手を君たちだって命を張って助けようとは思わないだろう?」

 第一皇女のアメリアが口を開く。

「ええ、あなたの言うとおりです。私たちは他人でありますので、助ける義務もありませんね。
 ただ……」

 アメリアはさらに冷たい目になる。

「2度と勇者を名乗らないでいただけますか?」
「う、あ。」

 蓮は返す言葉がない。

 第2皇女のシャルロットが後を引き継ぐ。

「勇者とはあなたにとってどんなものなのでしょうね。あなたの境遇は同情しますが、あなたの行動は勇者以前のもの。
獣と変わりませんわ。お姉様同様、勇者を名乗らないでいただきたいですわ」
「ぐ……」

 蓮は下を向く。

 第3皇女のクララがさらに続ける。

「あなたが遅れて現れたのはなぜですか? それは、自分の価値が一番高くなった時に来たかったのですよね。被害がどれだけ大きくなろうとも。それで、お父様に公爵の立場と私たち姉妹との婚姻を迫った。相手の弱い立場を利用しての取引。そして、その約束をしたくせに敵前逃亡。あなたの本性を見事に表していますね。でも、あなたには最初から何も期待していません。

 魔王に命乞いでもなんでもしたら如何かしら。その代わり勇者と名乗らないでいただきたい」

「……。」

 蓮は何も言えなかった。

 (どうやったら、魔王に命を助けてもらえるんだ? どうしたら逃げられるんだ)

 しかし、それは頭の中で逃げるための算段でいっぱいだったからだ。
皇女たちの声は本当の意味では届いていない。

 蓮が、魔王に引き戻される。

「汝、かなり嫌われているではないか。もう勇者と名乗るなと言われているぞ」
「はい! もう勇者を名乗りません。あなた様にももう逆らいません。ですから、助けてください」
「ふむ……そうだな」

 蓮は魔王の思案顔を固唾を飲んで見つめる。
そして、魔王は思いついたように口を開いた。

「勇者よ」
「はいぃ」
「勇者を名乗るのをやめないで良いぞ」
「そ、そんな、それでは私は」

 蓮が青ざめる。勇者のままだったら、魔王に殺されてしまうだろう。

「早とちりをするな。勇者だからと殺すとは言っていないだろう?」
「……」
「勇者よ」
 
 魔王が、少しためを作り言った。

「これからも生きて勇者を名乗るが良い」
 

 —————————— 同時刻の美羽 ———————————

「うえ~ん、怖いよぉ、気持ち悪いよぉ、見たくないよぉ」

 美羽は泣きながら、オーガのデスサークルの斬撃でバラバラにされた、戦士たちをつなぎ合わせていた。

 美羽の身体強化魔法は生命力も強化する。そのおかげで、即死でなければ、生きながらえているのだ。
ちなみに、痛みも感じにくいから、体が半分しかない者でも割と元気だ。

「まあまあ、そう言わずに間違えて繋いでしまったら、足が手になったり、手が4本になったりして、キメラみたいな人間ができてしまいますから、よく見てくださいね」
「え~ん、コリンがブラックな冗談を言ってくる~」

 美羽はスプラッターが怖い。
見るだけで、吐き気がするし、怖いし、夢で見てしまいそうだ。

 だから、本当は治癒で欠損部位を生やしてしまうのが一番早いのだが、それでは今度は残った手足や下半身や臓物が残って見えてしまう。それはもっと嫌だった。

 だから、こうして一人ずつ繋ぎ合わせていた。

 治癒士や治癒済みの戦士たちも手足を拾い集めてくれるので、あとはその人の魔力と、同じ魔力の切断された部位を探すだけだ。作業自体はすんなりと進んでいる。

 しかし、繋ぎ合わせるときに、念のために目視で確認しないといけないのだ。
勘で繋ぎ合わせようとしたら、コリンに止められた。

『私は勘がいいから見ないでもできるの!』
『そんなこと言って、もし間違えたり前後逆につけてしまったらどうするんですか?もう一度切り落とすんですか?』
『うう、それもやだ……』
『だったら、一つずつ丁寧に、じっくりと見て繋ぎ合わせてくださいね』
『うう、コリンが意地悪……』

 そんな会話があって、今は一つずつしっかり確認しながら、繋ぎ合わせていた。

「ああ、足が痒い。誰か掻いてくれ」
「ぎゃー、ネズミが俺の足を齧ってるー」
「足の先が冷たい。俺冷え性なんだよぉ」

 幻肢痛の類だろうか。大体、下半身がない人がそんなことを言っている。

「……うるさい」

 美羽だって怖いのに一生懸命にやっているのだ。少しは我慢して欲しいと、女神の手で足と胴体を繋げながら思った。

「ああー、なんかトイレ行きたくなったなぁ」
「ははは、お前の下半身が勝手に漏らしたらどうする?」
「おお、御使い様に繋いでもらってるときに漏らしたらどうしよう」
「「ギャハハハハ」」

 下半身がないくせに陽気に話している大勢の男どもに美羽がキレた。

「うるさいって言ってんの! 何そのデリカシーのない会話。私だって女の子なんだよ! 怖いの我慢してんの! それなのになんなの! もうやってられない! 私、帰る!」

 美羽が帰る宣言をすると、それでは流石に生きていられない戦士たちは、顔を青ざめさせて、美羽に縋ろうとする。

 「「「「「「「「御使い様~、お許しください~」」」」」」」」

 青ざめた体の一部のない男たちが縋ってきた。
ゾンビ映画のアレである。

「いや~! 分かったから来ないで~」

 1000以上のバラバラ肢体をつなぎ合わせなければ、帰ることさえ許されなくなってしまった美羽は、泣きながら繋ぎ合わせるのだった。

 しかし、慣れとは恐ろしいもので、怖いなりに、処理が早くなっていき、今では200本まで出せるようになった女神の手と高速で処理できる思考力を駆使して、瞬時に組み合わせていき、30分もかからずにバラバラ肢体を全て元通りにしてしまった。

 しかし、ショックなのは変わらずで、美羽は一人でポツンと草むらにしゃがみ込んで不貞腐れて泣いていた。

「え~ん、もうバラバラは嫌だぁ~」
 
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