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夏休み〜秋の旅行計画
姫1
しおりを挟むあの日から俺とリューセーは付き合い始めた。と言っても、夏休みに入り部活で忙しいリューセーと会う時間はあまり取れず、俺はいたって普通の生活を送っている。
その間に、ルイがショウと初体験を済ませたり、あのピンクさんがカグラの崇拝者となり、リューセーには目もくれなくなったり・・と、色々な重大ニュースはあった。
ピンクさんの件は、本当に何でそうなったっ?!って感じだったんだけど、あの、俺に突撃してリューセーとのありえない妄想を語った件でカグラがブチ切れし、調きょ・・ゲフンゲフン、改心するよう説得してくれたらしい(棒読み)。
後でカグラにお礼を言ったら、「あのピンク畑は今のうちに潰しておかないと、絶対にもっと面倒な案件を引き起こす未来しか見えなかったからちょうど良かったの。まっ、トワちゃんはきっかけに過ぎないから気にしないで。」って言われてマジで俺も崇拝しそうになった。
うん、やっぱりカグラが最強だわっ!!
異論があるヤツは一度カグラの目の前に立ってみればいい。大概のヤツはそれで身の程を知るから。
そう思うと、最初に面と向かってカグラに暴言を吐いたピンクさんはなかなかの強者だったよな。まぁそれも、本気を出したカグラに一瞬でやられたみたいだけど。
ピンクさんから解放され、俺と付き合う事になったリューセーは絶好調のようだ。
一年生ながらレギュラーに選ばれ、試合でも大活躍。何度もシュートを決めるリューセーを見て、惚れ直しまくった俺。
なのにそんなリューセーに一切絡む事もなく、カグラの素晴らしさをひたすら語るピンクさんを見てちょっと、いや、だいぶ引いた。バスケ部のマネージャーを辞めないのも、カグラに言われたかららしい。
カグラ・・お前どんだけ最強で無双状態なんだよっ??最早これは洗脳・・・ゲフンゲフン、もう何も言いません!!
ルイに言っても、「カグラはお祖父さんのジュンさん、お母さんのカグヤさん、叔父さんのキョウさんの血をかなり濃く受け継いでるからね。その三人も、本気を出せば世界を滅ぼせるんじゃないかってくらいの人たちなんだ。あの人たちを常識で考えちゃいけない。だから、黙って受け入れた方がいいよ。」って遠い目をして諭されたから、そんなもんだと思って受け入れる他ないんだろう。
俺とリューセーにとってもありがたいとしか言えないから、異論はない。
もう一度言う。ありがとうカグラ!!!
そんな中、お盆休みに入ってリューセーの部活もしばらくは休み。俺は今、リューセーに誘われてちょっと遠くの花火大会に来ている。
うん、デートだ。
デートらしいデートをした事がない俺にとっては、ドッキドキの一大イベント。
正直、どんな態度でリューセーに接したらいいのか分からない。
人混みの中で手を繋がれ、花火が始まったら腰に手をまわされ、俺はもういっぱいいっぱいだ。
「花火、綺麗だね。まぁ、姫の方が綺麗だけど。」
そんなセリフを好きな人から言われて、冷静に対処出来る高校生がいたらお目にかかりたい。俺は顔を真っ赤にしてリューセーに寄りかかるのが精一杯だった。
そして夏休みも終わり、季節は秋。もうすぐリューセーの誕生日というビッグイベントがある。
プレゼントよりリューセーが欲しい物は分かっている・・・
そう、お察しの通り俺の処女(処男?)だ。
俺は一大決心をして、処女(ややこしいから処女で通す)をリューセーに捧げる事に決めたんだ。
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