蒼炎の公爵令嬢 〜追放された私は、最強冒険者と共に真実の力に目覚める〜

雛月 らん

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過去の影1

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 D級冒険者となったエリアナは、レイヴンと共に様々なクエストをこなしていった。

 魔物の討伐、貴重な薬草の採取、遺跡の探索——どんな依頼も、二人なら難なくクリアできた。

 そんなある日、ギルドに一通の手紙が届いた。

「レイヴン様宛です」

 受付嬢が羊皮紙を手渡す。

 レイヴンは封を開け、内容を読んだ。その表情が、わずかに曇る。

「どうしたんですか?」

 エリアナが尋ねると、レイヴンは少し躊躇してから答えた。

「王都からだ。俺に、緊急の依頼がある」

「王都…」

 エリアナの故郷。複雑な思いが胸をよぎる。

「お前も一緒に来い」

 レイヴンが言った。

「この依頼、二人の方がいい」

「分かりました」

 エリアナは頷いた。

 正直、王都に戻ることには抵抗があった。でも、レイヴンが必要としてくれるなら、どこへでも行く。

 二人は翌日、王都へ向かう馬車に乗り込んだ。

 数日後、見慣れた王都の城壁が見えてきた。

 エリアナの胸が、複雑な思いで満たされる。ここを出て、まだ二ヶ月しか経っていない。でも、もう遠い昔のことのように感じる。

「大丈夫か?」

 レイヴンが心配そうに尋ねる。

「はい、大丈夫です」

 エリアナは微笑んだ。

「もう、あの頃の私じゃありませんから」

 王都に到着すると、二人は王宮へ向かった。

 豪華な装飾、大理石の柱、美しい庭園——全てが昔のままだった。

「『漆黒の刃』のレイヴン殿、お待ちしておりました」

 宮廷の執事が二人を迎えた。

「こちらへどうぞ」

 案内されたのは、謁見の間。

 玉座には、この国の王——エドワード三世が座っていた。

「よく来てくれた、レイヴン」

 王は重厚な声で言った。

「緊急の依頼とは、何でしょうか」

「近隣の森に、S級の魔物が現れた」

 王の言葉に、エリアナは息を呑んだ。

 S級魔物——通常の魔物とは比較にならない、災厄級の存在。

「古代竜アンシエントドラゴンだ」
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