蒼炎の公爵令嬢 〜追放された私は、最強冒険者と共に真実の力に目覚める〜

雛月 らん

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過去の影2

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「古代竜…」

 レイヴンの声が低くなった。

「確かな情報ですか?」

「ああ。魔法騎士団が偵察に向かったが、三名が命を落とした」

 王の表情は深刻だった。

「このままでは、王都が危険にさらされる。そこで、S級冒険者であるお前に討伐を依頼したい」

「報酬は?」

「金貨一万枚。そして、望むなら貴族の爵位も与えよう」

 レイヴンは少し考えてから答えた。

「爵位は結構です。金貨一万枚で受けましょう」

「助かる」

 王は安堵の表情を浮かべた。

「それと——」

 王の視線が、エリアナに向いた。

「そこの女性は?」

「俺のパーティーメンバーです。」

 レイヴンが簡潔に答えた。

 エリアナはフードを深く被り、顔を隠していた。冒険者の装備に身を包んでいるため、令嬢時代の面影はない。

「ふむ、そうか」

 王は特に気に留めた様子もなく、話を続けた。

 謁見の間を出た後、レイヴンはエリアナに言った。

「古代竜相手に、お前を連れていくわけにはいかない」

「でも!」

「いいか、エリアナ。古代竜は別格だ。俺でも勝てる保証はない」

 レイヴンの真剣な表情に、エリアナは反論できなかった。

「分かりました。でも、何かあったら必ず呼んでください」

「ああ」

 その時、背後から声がかかった。

「お嬢様?」

 振り返ると、そこには見覚えのある顔があった。

 ポールだった。

「ポール!」

 エリアナは駆け寄った。

「お嬢様…本当にエリアナお嬢様なのですか?」

 ポールの目には涙が浮かんでいた。

「随分と…お変わりになられて」

「ええ、色々あったの」

 エリアナは笑顔を見せた。

「でも、元気よ」

「それは…良かった」

 ポールは安堵の表情を浮かべた。

「アルトハイム家の皆様は、お嬢様のことを…」

「もういいの、ポール」

 エリアナは首を横に振った。

「私は、もうあの家の人間じゃないわ」
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