蒼炎の公爵令嬢 〜追放された私は、最強冒険者と共に真実の力に目覚める〜

雛月 らん

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母の意志2

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「生命よ、我が意に従え」

 エリアナが杖を掲げると、緑色の光が空間全体に広がった。

 その光は、グレゴールを縛っていた闇の鎖を消し去り、レイヴンとアリアの傷を癒していく。

「なんという力…」

 ヴォイドが驚愕の表情を浮かべた。

「生命の魔法を、こんなにも短時間で覚醒させるとは」

「これが、私の力」

 エリアナは真っ直ぐにヴォイドを見つめた。

「お母様から受け継いだ、全属性の力」

 エリアナは両手を前に突き出した。

「七つの属性よ、完全に融合せよ」

 火、水、土、風、光、闇、そして生命——七色の光がエリアナの周囲に集まる。

「創世の光ジェネシスブレイク!」

 七色の光が一つになり、巨大な光の柱となってヴォイドを襲った。

 ヴォイドは闇の盾で防ごうとするが、光の柱は盾を貫通した。

「ぐあああ!」

 ヴォイドが吹き飛ばされる。

 魔法陣も、光の力で消滅し始めた。

「まだよ!」

 アリアが短剣を投げた。

 短剣はヴォイドの肩に突き刺さる。

「レイヴン、今だ!」

「ああ!」

 レイヴンが跳躍し、剣を振り下ろした。

 剣がヴォイドの胸を貫く。

「ぐ…」

 ヴォイドは膝をついた。

「終わりだ、ヴォイド」

 レイヴンが剣を引き抜く。

「お前の野望は、ここで終わる」

「ふふ…ははは…」

 ヴォイドが笑い始めた。

「終わり?いいや、まだ終わらない」

 ヴォイドの体から、黒い霧が溢れ出す。

「私は、闇そのものだ。肉体が滅んでも、闇が存在する限り、私は消えない」

「なら、闇ごと消し去る!」

 エリアナが叫んだ。

「光よ、全ての闇を照らせ——永遠の光イターナルライト!」

 エリアナの体から、眩い光が放たれた。

 それは空間全体を照らし、全ての闇を消し去っていく。

「ば、馬鹿な…こんな光…セレスティアでさえ…」

 ヴォイドの体が光に包まれ、消えていく。

「セレスティア…愛していた…」

 ヴォイドの最後の言葉が、空間に響いた。

 そして、完全に消滅した。

 静寂。

 エリアナは膝をついた。

 魔力を使い果たした。

「エリアナ!」

 レイヴンが駆け寄る。

「やったぞ、エリアナ。お前が、ヴォイドを倒した」

「はい…でも、皆さんのおかげです」

 エリアナは微笑んだ。

「一人では、できませんでした」

 アリアとグレゴールも近づいてきた。

「お疲れ様」

 アリアがエリアナの頭を撫でた。

「君は、本当にすごいわ」

「ありがとうございます」

 その時、城全体が揺れ始めた。

「崩れるぞ!」

 グレゴールが叫ぶ。

「急いで脱出だ!」

 四人は急いで城を脱出した。

 城の外に出ると、空が明るくなっていた。

 闇の魔力が消え、普通の青空が広がっている。

「終わった…」

 エリアナは空を見上げた。

「本当に、終わったんですね」

「ああ」

 レイヴンが頷いた。

「お前が、世界を救った」

 その時、遠くから魔法の信号弾が上がった。

「他のチームからの成功の合図だ」

 グレゴールが言った。

「全ての拠点が、同時に破壊されたようだな」

「やった!」

 アリアが喜びの声を上げた。

「エクリプスは、完全に壊滅したわ!」

 四人は、王都へ戻る馬車に乗り込んだ。

 馬車の中で、エリアナは胸元の蒼氷の涙を見つめた。

 宝石は、もう光っていない。

 だが、温かさは残っている。

「お母様、ありがとう」

 エリアナは小さく呟いた。

「あなたの想いが、私を導いてくれました」

 レイヴンが優しく言った。

「セレスティアは、きっと喜んでいるだろう」

「はい」

 エリアナは微笑んだ。

「私、お母様の意志を継げたと思います」

 馬車は王都へ向かって進み続けた。

 新しい時代の始まりを告げるように、空は美しく晴れ渡っていた。
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