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海が綺麗ですね。

Mery Xmas!! 風紀委員会Side

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本編とは関係のないお話です。







  

那之原 一正の場合

(クリスマス…かぁ……)

毎年特に意識していなかったが、今年は……

(蛇島の予定はどうだろうか……)

今年は想い人がいる。

(予定を聞くか…いやしかし空いていたとしてどうする?一緒に過ごすにしても馴れ馴れしすぎでは?だが、蛇島と過ごしたい、そもそも蛇島に一緒に過ごす相手がいないとは限らない………あぁ!どうすれば…!) 

グルグルと考えるが、中々着地点が見つからない。
そんなとき

ブーブー

風紀委員に特別に与えられている携帯が鳴った。

「はい、こちら那之原です」

『時半です。どうやら裏庭の方で生徒達が大人数で喧嘩をしている様です』

「分かった。至急そちらへ向かう」

『はい、お願いします』

ブチッ

俺は部屋の戸締まりだけ確認すると、すぐさま現場へ向かった。 



「時雨、今の状況は?」

5分程で裏庭に到着すると、時雨に状況を聞いた。

「今は風紀委員達が生徒達を止めている最中ですが、……そろそろ終わると思います」


時雨の言った通り、既にほとんどの生徒が風紀委員によって拘束されていた。

「何名の生徒を呼んだんだ?」

「貴方を入れて4名です。三尾地君、方丈君、それと蛇島君です」

「!、蛇島もいるのか」

「はい、呼べそうな生徒しか呼んでいませんが」

「ああ、ありがとう。すまないが、蛇島だけ置いていってくれないか?」

「……分かりました、では後の2人は生徒達を引き渡すのに手伝ってもらいます」

意味ありげな視線を少しだけ寄越すと、時雨は生徒の引き渡しをしに行った。

「蛇島、すまないが俺の話に付き合ってくれないか」

「断る」

それだけ言い、さっさと校舎へ戻ろうとする。

「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺の話を聞いてはくれないか?」

「……何故」

眉間みけんに思いっ切りしわを寄せる蛇島。

(そんな顔をされると少し傷つくんだが……しかしその顔も可愛いぞ!)

なんて、変な事を考えているのがバレたのか、より一層眉間に皺を寄せた。

「……なんだ」

「!、実は、蛇島とクリスマスを過ごしたいんだ」

「……はぁ?」














蛇島 神楽の場合 

「はぁ?」

(こいつ…何言ってんだ…)

裏庭で喧嘩をしている奴らを止めるのを手伝うためだけに来たのに、何故かクリスマスのお誘いを受けた。

「なんで俺がお前とクリスマスを過ごさなきゃならないんだ?」

「それは…まぁ……」

どことなく頬を赤く染めている那之原は、ジリジリと少しずつ近付いてくる。

(なんで近付いてくる……)

ある程度の距離まで来ると、那之原はやっと口を開いた。

「お前も分かっていると思うが、俺はお前が好きだ」

「!」

今度は俺が顔を赤くする番だった。

(いきなり…何を……)

「ああ…顔が赤くなってるぞ、可愛いな」

「うるせぇ」

顔が赤くなってる事を自覚しながらも、懸命に心を落ち着ける。

「すまないな、話を戻すが、自分の想い人と一緒にクリスマスを過ごしたいと思うのは自然な事だと思うのだが」

とろけるような笑みで、またもやこちらに近づいてくる。

「駄目だろうか?」

「っ…わ…かった……分かったから、早く退け」

「ありがとう!!」



その後、昼は食堂で一緒に食べ、蛇島が許してくれる距離でイチャイチャした。蛇島は終始無表情だったが、時々顔が赤くなったり、可愛い(いつも可愛いが)顔をしていて、とても満足な日になった。

(蛇島も悪くはないと思ってます。)  











時半 時雨の場合
(このお話は『Mery Xmas!! 生徒会Side 獅子宮 椿の場合』を読んでいただけると分かりやすいと思います)  

(今日はクリスマスですね、椿の所に行きますか)

やっとクリスマスに浮かれたバカ共を引き渡し終わると、椿の所に向かうべく、歩き始めた。

(さて、去年は窓から入りましたから、恐らく戸締まりは完璧にしてるでしょう。私の考えだと、去年と違い部屋に籠もるつもりでしょうね)

椿の事は何でも分かりますよ

私はそう呟いて、椿を取ると、椿のもとへ向かった。












三尾地 竜樹の場合

「クリスマス…美鈴音まりねにプレゼント、届いてるかな」

美鈴音まりねとは俺の婚約者だ。政略結婚ではない。

最初のお見合いは、無理矢理結婚させられると思っていたので嫌だったが、美鈴音は顔こそ特にパッとしないが、優しく、やわらかな雰囲気があって、言葉の1つ1つが美しい。
美鈴音もこちらを好きになってくれて、見事婚約へと至った。

(早く逢いたいな…)

最近は手紙やスマホなどでしか連絡をとっていない。

(また手紙を書こう)

愛しい人へ愛をつづるために、自分の机に向かった。












方丈 美弥次の場合

「わーい!クリスマス!!」

「「「「イェーーイ!!」」」」

俺は自分の部屋に友人を数人呼ぶと、クリスマスパーティを始めた。

(朝は副委員長に呼ばれてどうなるか分からなかったけど、楽しく過ごせそうで良かったぁ!!)

「おい美弥次!何ボーッとしてんだよ!もっと盛り上がろうぜ!」

「のわっ、分かったから乗っかんな!
よし!、何かビデオ見よ!」

「「「「やったー!」」」」

こいつらは、中学時代からの親友だけど、絶対に俺より子供だろうな……

(ホント、最高の親友達!!)












藍川 晃の場合

(クリスマスかぁ……何もすることないな……)

特に友人などをつくっている訳でもない(1人でいる方が楽)ので、本でも読もうか

コンコンコン

「?、……はい」

恐る恐るドアを開けると、そこには…

「すみません、図書副委員長の加賀 丞かが すすむといいます。
今回はこちらに貸し出し期限の過ぎている本があると聞いて伺いました」

僕より遥かに背の高いキリッとした顔立ちのイケメンでした。

「……どうしました?」

「へやっ!、い、いえ…何でもないです。本…今持ってきます」

ついつい見惚れてしまった。

(ずっと敬語だな…誰にでもそうなのかな…)

「はい、どうぞ」 

「ありがとうございます、また来てくださいね」

その時の彼の笑顔は、どう表したら良いのやら、とにかく僕にものすごい衝撃を与えた。

(なんでだろう……心臓がドキドキして止まらない…) 

彼が去った後も、中々、心臓の音が鳴り止まなかった。


どうやら、クリスマスの聖なる夜に、新たな恋が芽生えたそうです。












南乃 衛の場合

「ふんふ~ん♪ふふ~ん♪」

(クッリスマス~、みーちゃんに会いに行けるやん♪)

テンション爆上がりの状態でみーちゃん、もとい踵払 光智かかはら みともに会いに行った。

「みーちゃん、会いにきたで~」

合鍵を使い、勝手に部屋に入る。

「みーちゃん?」

「……スー、スー」

「ぐはっ」

どうやらベッドで寝ているようで、クマの大きな可愛らしいぬいぐるみを抱きしめ寝ていた。

(天使か!度々思う事はあったけど、やっぱ天使やん!!)

みーちゃんを起こさないように、最小限に抑えながらもだえていた。

(これ、俺が横で寝てて起きたらどんな反応するんやろか…)

きっと驚いて可愛い顔しするんやろな~

周りはみーちゃんを平凡だなんだと言うが、絶対に違う。絶対可愛い。

(まぁ、誰も知らんでええけどな?)

俺は、独占欲が強い方なのである。


そのまま一緒に寝た南乃は、起きたときのみーちゃんの反応を存分に楽しんだ。




















******

人物紹介の生徒編更新しました!!













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