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本音2 side、シャルル

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 結婚以来サラは満たされた顔をしている。……下男にバイユ公爵家を放逐された男を雇ってからは特に。この下男は王家の血に反抗ができないように多重の隷属紋を刻まれ、口がきけないように喉を潰されている。

「サラ、夜の事が満足できてないならあの下男は『使って』いい。ただし外に漏れる程大っぴらに遊ばないで」

「シャルル様は止めないの?」

「ああ」

あの男はもう子供を作れないようにしてある。なのでどれだけ交わっても子供ができることはない。サラがあの男に飽きたらどこかの奥方に売ればいいとプロスペール兄上は教えてくれた。『貴婦人のペット』として重宝されるだろう、と。

 あの男を拾ってあれこれしたのはプロスペール兄上だ。あの人の性格の悪さは一級品だ。僕は尊敬してるけどね。王太子と第二王子がなり変わられる危機感を持って第三王子であるプロスペール兄上を隣国の王配として追いやったんだけど……隣国の女王と兄上の組み合わせは最凶で最強だった。正直国力と知力の差でうちの国はほぼ属国となり果てている。
 ヴィクトリアの事も兄上が悪い様にはしない、と言ってくれた。僕とのことがなくても子供の頃からトリアの事を可愛がってたからね、兄上。

『令嬢としてはポンコツだと思うよ、あの子。裏がなさすぎる。王族も向かないと思ってた。この国王太子と第二王子金魚のふんはくそだからね。だから私が国の外から、第四王子アルベール第五王子アルチュール、そしてシャルル。皆で国の状況をコントロールする。働かせるからな」

 僕は王家の書類をまとめて保管する部署に回された。その部署で半年後程おとなしくしておいてその後その部署の統括になる事が決まっている。おとなしくしておいてその間に可も不可もない凡庸さを見せつけて部下に侮られるのが仕事、だったりする。

 あの下男が来てからサラが夜を求めてくることはなくなった。これで僕の気も楽になった。とりあえず忙しいしあの下男にサラの相手をしてもらっておこう。
 不穏な事の無いように庭番としてプロスペール兄上の部下が数人この家に入っているから駆け落ちとかはさせないけどね。
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