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「最近、流行ってるみたいね『乙女名刺』」
先ほどの子爵家の令嬢が置いていこうとした名刺の事になって、リリゼットはイネスとリーゼから爵位の下の令嬢の方から名刺を渡すのはマナー的に良くはないのだと教えられたところだった。
『今の場合だとリリからリーゼに一方的に渡すのはマナー的に良くないけどリーゼに要求されて渡すのは全くマナーに違反してないの』
とイネスに言われて、リリゼットは感覚的には納得した。そのあとに『乙女名刺』なる単語が出てきてリリゼットは会話に脱落しかけている。イネスはそれに気が付いたようだった。
「令嬢の間で流行ってる名刺なんですけど。こんな感じです」
イネスが自分の名刺を出した。スカイブルー地の紙に濃紺で名前と四隅に線画で花の意匠が描いてある。
「本来もっと華やかなんですが、私は落ち着かないので………とりあえず、な感じです」
デザインに工夫を凝らして、交換しあうのだとか。イネスは妹が作る時に一緒に作ったらしい。
「今度、作りに行こうか」
リーゼが言い出した。
「みんなで街遊びもいいですね。ジュリエットさんもお連れしては?」
イネスが言う。
「そうですね、外国に出られる前に街を見ておくのもいいかもですね」
リリゼットも言う。
「でもジュリエットと出るとなると………護衛が付きますよ?」
リーゼが心配そうに言う。
「いいじゃないですか。どっちにしても護衛はつくでしょうし」
イネスが言う。リリゼットも確かにそうだな、と思って頷いた。外に出るとなると戦闘執事がついてくるだろうな、とリリゼットは思った。
「きゃー、かわいい」
名刺のサンプルをみてジュリエットは大騒ぎをする。リリゼットはそんなジュリエットをかわいいなと思ってみている。ジュリエットはリーゼとおそろいがいいと言い出し姉妹は二人の趣味に合うものを選んでいる。4人は店の奥にある応接室で膨大な量のサンプルを見せられている。イネスが作った時は自宅に来た店員が持ってきたサンプルだけを見て決めたのでリリゼット達と一緒に他のサンプルを見てキャッキャしている。
ダンテス家からは戦闘メイドが二人、イネスの家からはメイドと御者が、リリゼットの家からは戦闘執事が出ていた。
イネスの手配で名刺の店と皆でお茶をするカフェでは別室が用意されている。リーゼ、イネス、リリゼットならもう少し自由を楽しむのだが、ここにジュリエットがいるので念を入れて計画したのだ。冬には花嫁になるジュリエットの為の外出ではあったがそれこそ嫁入り前に事故にでもあうと外交的にも面倒なことになるので厳重に、ということになった。
リーゼとジュリエットは右下に花束を左上の隅に花束を構成している花で枠を作った名刺を色違いで、リリゼットは全体が花のプリントで真ん中の楕円形の白地に名前を描くタイプのものに決めた。名前の字体を選ぶのもに割合と時間をとられた。だが名刺を作った三人とも満足げであった。
先ほどの子爵家の令嬢が置いていこうとした名刺の事になって、リリゼットはイネスとリーゼから爵位の下の令嬢の方から名刺を渡すのはマナー的に良くはないのだと教えられたところだった。
『今の場合だとリリからリーゼに一方的に渡すのはマナー的に良くないけどリーゼに要求されて渡すのは全くマナーに違反してないの』
とイネスに言われて、リリゼットは感覚的には納得した。そのあとに『乙女名刺』なる単語が出てきてリリゼットは会話に脱落しかけている。イネスはそれに気が付いたようだった。
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「きゃー、かわいい」
名刺のサンプルをみてジュリエットは大騒ぎをする。リリゼットはそんなジュリエットをかわいいなと思ってみている。ジュリエットはリーゼとおそろいがいいと言い出し姉妹は二人の趣味に合うものを選んでいる。4人は店の奥にある応接室で膨大な量のサンプルを見せられている。イネスが作った時は自宅に来た店員が持ってきたサンプルだけを見て決めたのでリリゼット達と一緒に他のサンプルを見てキャッキャしている。
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