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部屋の前の大騒ぎでリリゼットが外にでようとしたが侍女に止められる。
「旦那様が外にでないように、と。ただの口論なので」
侍女は戦闘メイドからの伝言を伝える。暫く騒がしかったが静かになって部屋の前から人の気配が消える。
「眠りやすいようにブランデー入りのミルクを持ってきますね」
そういいながらリリゼット付の侍女は戦闘メイドの一人と入れ替わった。
「リラックスするアロマを炊きましょう」
戦闘メイドは侍女が来るまでに侍女長がブレンドした優しい香りのアロマを平たい蝋燭を使い安全で燃えるものがないローテーブルの上で炊き始める。ホッとする香りが部屋に広がる。すぐに侍女はミルクを持ってきてくれた。少し甘くされたミルクはリリゼットのお腹の中を温めてくれた。豊かな赤毛を邪魔にならないように片側で緩く編み、白い木綿の寝間着を着ているリリゼットは年齢よりも幼く見える。
「おやすみなさいませ」
口を濯いでリリゼットは侍女に挨拶をしもう消えかかっている蝋燭の灯りだけでリリゼットはベッドに入る。蝋燭の灯りが消えるころリリゼットはゆっくりと眠りに落ちていった。
メイドたちや執事たちも湯あみや用事をすませ、皆おのが与えられた部屋に帰る。夜番の執事達は持ち場に着いた。使用人部屋ではおおむね今日の話で盛り上がっていた。
「やっぱりね」
「うん、領地からついてきたメイドさん達も各ご主人に報告してたみたい」
「ジュリエット様のご実家はどうなるんだろう」
「そのあたりはまだわかんないよね」
と姦しい。離婚されろ、というほどにはジュリエットは憎まれていないが『いい気味だ』と思われてる程度には嫌われている。
執事長と侍女長はニコルに執務室にいた。ニコルは二人をねぎらっていた。
「こういう時に特別ボーナスというのもおかしいが…。とりあえず全員に金貨3枚ずつボーナスを出す。妻の不始末に気が付かなかった詫び、というものだな」
ニコルは疲れた顔でこめかみをもんでいる。
「ありがたいです」
執事長は喜んだ。
「ジュスティーヌの婚礼もあって色々迷惑もかけたしな。一落ち着きするといいが…」
「旦那様もゆっくり休んでください」
侍女長は台所から運ばれてきたブランデー入りのミルクを渡す。
「………子供じゃないんだが」
「神経が立ってるところにお酒を流し込んではいけません。お酒は意識の拡大剤ですから眠る前にはむかないです」
と侍女長は言った。正直、ニコルの酒量はこのところ増加気味だった。
「わかった」
「お部屋に安眠のアロマも炊いておきましたからとりあえずは眠ってください。しっかりした頭で朝を迎えてから色々考えてください」
「夜の考えは暗い方に行きますからね」
マーサとセドリックに諭されて、ニコルはブランデー入りのミルクを飲んで自室に戻った。
いつもならジュリエットがいる寝室も今日は一人寝で広いベッドは冷たいままだ、と思いながら着替えるとベッドの足元に湯たんぽがおかれていて思ったより一人寝が寂しくなくなった。ニコルは妻を愛してるが、伯爵家の奥様、には性格的に難があるなぁと考えながら眠りに落ちていった。
「旦那様が外にでないように、と。ただの口論なので」
侍女は戦闘メイドからの伝言を伝える。暫く騒がしかったが静かになって部屋の前から人の気配が消える。
「眠りやすいようにブランデー入りのミルクを持ってきますね」
そういいながらリリゼット付の侍女は戦闘メイドの一人と入れ替わった。
「リラックスするアロマを炊きましょう」
戦闘メイドは侍女が来るまでに侍女長がブレンドした優しい香りのアロマを平たい蝋燭を使い安全で燃えるものがないローテーブルの上で炊き始める。ホッとする香りが部屋に広がる。すぐに侍女はミルクを持ってきてくれた。少し甘くされたミルクはリリゼットのお腹の中を温めてくれた。豊かな赤毛を邪魔にならないように片側で緩く編み、白い木綿の寝間着を着ているリリゼットは年齢よりも幼く見える。
「おやすみなさいませ」
口を濯いでリリゼットは侍女に挨拶をしもう消えかかっている蝋燭の灯りだけでリリゼットはベッドに入る。蝋燭の灯りが消えるころリリゼットはゆっくりと眠りに落ちていった。
メイドたちや執事たちも湯あみや用事をすませ、皆おのが与えられた部屋に帰る。夜番の執事達は持ち場に着いた。使用人部屋ではおおむね今日の話で盛り上がっていた。
「やっぱりね」
「うん、領地からついてきたメイドさん達も各ご主人に報告してたみたい」
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「そのあたりはまだわかんないよね」
と姦しい。離婚されろ、というほどにはジュリエットは憎まれていないが『いい気味だ』と思われてる程度には嫌われている。
執事長と侍女長はニコルに執務室にいた。ニコルは二人をねぎらっていた。
「こういう時に特別ボーナスというのもおかしいが…。とりあえず全員に金貨3枚ずつボーナスを出す。妻の不始末に気が付かなかった詫び、というものだな」
ニコルは疲れた顔でこめかみをもんでいる。
「ありがたいです」
執事長は喜んだ。
「ジュスティーヌの婚礼もあって色々迷惑もかけたしな。一落ち着きするといいが…」
「旦那様もゆっくり休んでください」
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と侍女長は言った。正直、ニコルの酒量はこのところ増加気味だった。
「わかった」
「お部屋に安眠のアロマも炊いておきましたからとりあえずは眠ってください。しっかりした頭で朝を迎えてから色々考えてください」
「夜の考えは暗い方に行きますからね」
マーサとセドリックに諭されて、ニコルはブランデー入りのミルクを飲んで自室に戻った。
いつもならジュリエットがいる寝室も今日は一人寝で広いベッドは冷たいままだ、と思いながら着替えるとベッドの足元に湯たんぽがおかれていて思ったより一人寝が寂しくなくなった。ニコルは妻を愛してるが、伯爵家の奥様、には性格的に難があるなぁと考えながら眠りに落ちていった。
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