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第三章
おかえり、ただいま
「アルマン王子、おかえりなさいませ」
ウージェーヌが改めて挨拶をする。その言葉にエディとロゼが驚いていた。
「其方の方達も一旦館へどうぞ」
ロゼはウージェーヌは面白いくらいマドレーヌと似てると思った。この親子はどちらも中性的なので見てるとなにか違う世界にいるように感じる。
「おかえり、マドレーヌ」
これまたマドレーヌにそっくりな女性、マドレーヌの祖母が部屋にいた。柔らかい光の中でマドレーヌそっくりだがずっと女性らしい微笑でマドレーヌを出迎えた。女性らしいしぐさはマリアンヌ、マドレーヌの姉に似ている。ロゼはジョアンを見て、しぐさがマドレーヌに似ていると思ったが本人の自分も狩りをするという話からそういう部分が似ているのかと納得した。
アルは守護者のおかえり、という声と落ち着いたら庭に出ろという指示を聞いた。ゆるっとお茶をする流れになっていたのでアルが声をかける。
「少し庭をみたいのだが」
フロランがなにか理解したらしい。
「ああ、ご案内します」
そう言うと、アルと連れ立って庭へ向かった。
「守護者様の木ですね」
「……君は彼の言葉がわかるのか?」
アルがストレートに訊ねる。
「いえ、私ではなくて加護を授けてくれている精霊がいるんですが彼が教えてくれるんですよ。……どうも守護者様は精霊と繋がっている模様ですね」
守護者ならそうだろうと思っていた。
「君の守護精霊の属性は?」
「無属性です。……こちらへ」
フロランは途中から持ってきた折り畳み式の椅子を守護者の樹の下に置く。アルは何も言わずにその樹に寄り添った。
『おかえり、アルマン』
「ただいま、守護者様』
二人の間に思念が流れる。フロランは少し離れた位置に立つ。
『フロランはなかなかいい。あいつならお前の側近に慣れると思う』
『側近とか……考えられない』
『お前が飛ばされる前の側近は色々問題があってな。……既に正妃たちに取り込まれておったのよ』
アルはそれで寝室に都合よく聖女と正妃が現れたんだと悟る。
『そうだ、当時の警備の騎士も取り込まれていた』
アルは早く父母や弟妹の顔を見たいと思った。それこそ正妃の息子であるネイサンの顔も。
『まだ暫くは辺境に留まってくれ。……近日中にセイラ妃とレアが来るように手配する。それと……陛下とグランサニュー公爵は明日にでも行くと。あの二人、ギルドのシステムをきっちり理解してしおってな。ちょくちょくシステムを使って移動してる。……アルノー伯爵家とバスチエ男爵家あたりがきな臭くてな』
『バスチエ男爵家の娘って婿の庶子だっけ。なんか、怖い子だったよ』
『あった事あるんだ』
『うん、十歳になるかならないかって女の子だったな。膝に座ってきて……判ってるのわ
かってないのかデリケートな所に手を伸ばして来てさ』
アルの表情が曇る。『ここが気持ちいところでしょ?』と言われた瞬間に寒気がした事を思い出した。
目を瞑っていたらふと珈琲の香りがして目を開ける。自分の座っている椅子の横にテーブルが広げられていた。エディとロゼは少し離れた位置で守護者の樹に見ほれていた。
「寒くなって来るので、冷めない様に入れ物に魔法がかかってるので、珈琲は熱いままです。ショコラとどうぞ。軽食も少し。夕食には戻ってくださいね。後は兄さん、頼みます」
「マドレーヌたちはどうするんだ?」
「ああ、ロゼとエディを冒険者用の宿舎に案内します。その方が気楽だというので」
マドレーヌはちらりと銀の葉の樹を見ると歩いて行った。
『あれはなんとなく我の存在は感じてるな。フロランは完全に見えてるんだがな』
そういうと守護者はテーブルの上に手のひらサイズで姿を見せる。
『ショコラをくれ』
食べ物につられて出てきたようでアルはくすっと笑った。
ウージェーヌが改めて挨拶をする。その言葉にエディとロゼが驚いていた。
「其方の方達も一旦館へどうぞ」
ロゼはウージェーヌは面白いくらいマドレーヌと似てると思った。この親子はどちらも中性的なので見てるとなにか違う世界にいるように感じる。
「おかえり、マドレーヌ」
これまたマドレーヌにそっくりな女性、マドレーヌの祖母が部屋にいた。柔らかい光の中でマドレーヌそっくりだがずっと女性らしい微笑でマドレーヌを出迎えた。女性らしいしぐさはマリアンヌ、マドレーヌの姉に似ている。ロゼはジョアンを見て、しぐさがマドレーヌに似ていると思ったが本人の自分も狩りをするという話からそういう部分が似ているのかと納得した。
アルは守護者のおかえり、という声と落ち着いたら庭に出ろという指示を聞いた。ゆるっとお茶をする流れになっていたのでアルが声をかける。
「少し庭をみたいのだが」
フロランがなにか理解したらしい。
「ああ、ご案内します」
そう言うと、アルと連れ立って庭へ向かった。
「守護者様の木ですね」
「……君は彼の言葉がわかるのか?」
アルがストレートに訊ねる。
「いえ、私ではなくて加護を授けてくれている精霊がいるんですが彼が教えてくれるんですよ。……どうも守護者様は精霊と繋がっている模様ですね」
守護者ならそうだろうと思っていた。
「君の守護精霊の属性は?」
「無属性です。……こちらへ」
フロランは途中から持ってきた折り畳み式の椅子を守護者の樹の下に置く。アルは何も言わずにその樹に寄り添った。
『おかえり、アルマン』
「ただいま、守護者様』
二人の間に思念が流れる。フロランは少し離れた位置に立つ。
『フロランはなかなかいい。あいつならお前の側近に慣れると思う』
『側近とか……考えられない』
『お前が飛ばされる前の側近は色々問題があってな。……既に正妃たちに取り込まれておったのよ』
アルはそれで寝室に都合よく聖女と正妃が現れたんだと悟る。
『そうだ、当時の警備の騎士も取り込まれていた』
アルは早く父母や弟妹の顔を見たいと思った。それこそ正妃の息子であるネイサンの顔も。
『まだ暫くは辺境に留まってくれ。……近日中にセイラ妃とレアが来るように手配する。それと……陛下とグランサニュー公爵は明日にでも行くと。あの二人、ギルドのシステムをきっちり理解してしおってな。ちょくちょくシステムを使って移動してる。……アルノー伯爵家とバスチエ男爵家あたりがきな臭くてな』
『バスチエ男爵家の娘って婿の庶子だっけ。なんか、怖い子だったよ』
『あった事あるんだ』
『うん、十歳になるかならないかって女の子だったな。膝に座ってきて……判ってるのわ
かってないのかデリケートな所に手を伸ばして来てさ』
アルの表情が曇る。『ここが気持ちいところでしょ?』と言われた瞬間に寒気がした事を思い出した。
目を瞑っていたらふと珈琲の香りがして目を開ける。自分の座っている椅子の横にテーブルが広げられていた。エディとロゼは少し離れた位置で守護者の樹に見ほれていた。
「寒くなって来るので、冷めない様に入れ物に魔法がかかってるので、珈琲は熱いままです。ショコラとどうぞ。軽食も少し。夕食には戻ってくださいね。後は兄さん、頼みます」
「マドレーヌたちはどうするんだ?」
「ああ、ロゼとエディを冒険者用の宿舎に案内します。その方が気楽だというので」
マドレーヌはちらりと銀の葉の樹を見ると歩いて行った。
『あれはなんとなく我の存在は感じてるな。フロランは完全に見えてるんだがな』
そういうと守護者はテーブルの上に手のひらサイズで姿を見せる。
『ショコラをくれ』
食べ物につられて出てきたようでアルはくすっと笑った。
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