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エドガーの章
06 ※
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「すぐ食べる分は塩は控えめにするんですよ」
エドモンドの姉、エリカはそういって開いてあるサーディンに塩をしていく。
「で、ローリエとか香草いれて。で、たっぷりのオリーブオイルをいれて」
オリーブオイルがしっかりと鍋の中のサーディンの上に注ぎ込まれる。そして調理用ストーブの上に鍋を置いた。
「このまま1時間ほど煮込みます。調理用ストーブだと火加減しなくてもぐつぐつにはならないし、とろとろゆっくり火が魚に入りますから」
この後は屋上で、階層状になった網にいくつもいくつも魚を入れていく。そうして明るい陽射しと湿度の低い風にさらすのだそうだ。
今日は久しぶりに何もない休日だったのでギルドの鍛錬場へ行くつもりで家をでた。ルトガーは学校の課題があるとかで家で勉強をしている。自分の行ってる街の学校の課題はルトガーの学校の課題ほど量は多くないので完全に空いてる今日みたいな日を作る事ができたのだ。ギルドへ向かう道を歩いている時、背中から思い切りぶつかられた。最初の衝撃が強すぎてエドガーは吹っ飛んだ。背中が熱い。
「おい、あんた」
男が声をかける。怯えた声だ。道に転がったエドガーには見えてないが逃げようとしたぶつかってきた人物を後ろを歩いていたギルドに向かう冒険者が足払いをし転がして背中を思い切り踏みつけていた。声をかけてきた男は思いっきり
「医者、医者いこう」
と叫んでいる。エドガーの服が血で濡れているのが見えたからだ。
「とりあえず、冒険者ギルドがすぐだから。彼をそこに連れて行って」
後ろから聞こえる声は女性の声だった。
「ジスラン?なんで?」
後ろからエドガーを刺そうとした人物はジスランだった。脇腹をナイフは擦っていて服は切れたが厚地の胴着だったので派手な出血のわりに傷は少し脇腹が切れたくらいで済んでいた。
「相手がナイフの扱いに慣れてない上に素人で初めて人を狙ったせいで狙いも定まってなかったから軽傷ですんだんですよ」
ギルドの職員が軟膏を塗って傷口をふさいでくれながら言った。
ギルドの留置所にジスランは手足の自由を奪われ床に転がってた。
「おい」
ジスランは転がったまま睨みつける。
「いくらもらった?」
エドガーの問いかけにジスランは唾を吐きかけてきた。
「お前がいたから俺は!」
「ジスラン、お前このまま衛兵に引き渡されたいか?ま、どっちにしても一緒か。ただ真面目に働いてるオヤジさんはまた仕事クビになるかな。………何回目だ。お前の素行でクビになるの」
エドガーはエドモンドの姉、エリカが夫に愚痴っている事から推察したことをジスランに告げた。エリカはジスランの母親と仲が良くてジスランの母親がエドガーの父親にどこか働き口を見つけてもらえないか、と言ってるという話とともに『ジスランの素行が悪くなって夫妻兄弟共に仕事をすぐクビになる』と言っていた、と。
寝転がったままジスランが吠える。
「お前みたいなやつ世の中にいらねぇんだよ。奥様がお前をやったら金を、家族が楽に暮らせる金をくれるっていうから」
エドガーはジスランに冷静に事実を告げる。
「母さんに個人資産はないよ。店の金も自由にできない。家族が暮らせる金をあの人が用意できると思えないけどな」
エドガーの言葉にジスランは
「うそだっ」
と吠えるように答えた。
エドモンドの姉、エリカはそういって開いてあるサーディンに塩をしていく。
「で、ローリエとか香草いれて。で、たっぷりのオリーブオイルをいれて」
オリーブオイルがしっかりと鍋の中のサーディンの上に注ぎ込まれる。そして調理用ストーブの上に鍋を置いた。
「このまま1時間ほど煮込みます。調理用ストーブだと火加減しなくてもぐつぐつにはならないし、とろとろゆっくり火が魚に入りますから」
この後は屋上で、階層状になった網にいくつもいくつも魚を入れていく。そうして明るい陽射しと湿度の低い風にさらすのだそうだ。
今日は久しぶりに何もない休日だったのでギルドの鍛錬場へ行くつもりで家をでた。ルトガーは学校の課題があるとかで家で勉強をしている。自分の行ってる街の学校の課題はルトガーの学校の課題ほど量は多くないので完全に空いてる今日みたいな日を作る事ができたのだ。ギルドへ向かう道を歩いている時、背中から思い切りぶつかられた。最初の衝撃が強すぎてエドガーは吹っ飛んだ。背中が熱い。
「おい、あんた」
男が声をかける。怯えた声だ。道に転がったエドガーには見えてないが逃げようとしたぶつかってきた人物を後ろを歩いていたギルドに向かう冒険者が足払いをし転がして背中を思い切り踏みつけていた。声をかけてきた男は思いっきり
「医者、医者いこう」
と叫んでいる。エドガーの服が血で濡れているのが見えたからだ。
「とりあえず、冒険者ギルドがすぐだから。彼をそこに連れて行って」
後ろから聞こえる声は女性の声だった。
「ジスラン?なんで?」
後ろからエドガーを刺そうとした人物はジスランだった。脇腹をナイフは擦っていて服は切れたが厚地の胴着だったので派手な出血のわりに傷は少し脇腹が切れたくらいで済んでいた。
「相手がナイフの扱いに慣れてない上に素人で初めて人を狙ったせいで狙いも定まってなかったから軽傷ですんだんですよ」
ギルドの職員が軟膏を塗って傷口をふさいでくれながら言った。
ギルドの留置所にジスランは手足の自由を奪われ床に転がってた。
「おい」
ジスランは転がったまま睨みつける。
「いくらもらった?」
エドガーの問いかけにジスランは唾を吐きかけてきた。
「お前がいたから俺は!」
「ジスラン、お前このまま衛兵に引き渡されたいか?ま、どっちにしても一緒か。ただ真面目に働いてるオヤジさんはまた仕事クビになるかな。………何回目だ。お前の素行でクビになるの」
エドガーはエドモンドの姉、エリカが夫に愚痴っている事から推察したことをジスランに告げた。エリカはジスランの母親と仲が良くてジスランの母親がエドガーの父親にどこか働き口を見つけてもらえないか、と言ってるという話とともに『ジスランの素行が悪くなって夫妻兄弟共に仕事をすぐクビになる』と言っていた、と。
寝転がったままジスランが吠える。
「お前みたいなやつ世の中にいらねぇんだよ。奥様がお前をやったら金を、家族が楽に暮らせる金をくれるっていうから」
エドガーはジスランに冷静に事実を告げる。
「母さんに個人資産はないよ。店の金も自由にできない。家族が暮らせる金をあの人が用意できると思えないけどな」
エドガーの言葉にジスランは
「うそだっ」
と吠えるように答えた。
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