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金と銀の玉の章
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「え?サファイアは?」
「おいてきた。っつか預けてきた」
アキラが答える。先ほど挨拶ができなかった黒がマリナに言った。
「お初にお目にかかります。黒の竜の端末です。聖女様」
「こちらこそ…。なんとお呼びすればよろしいでしょうか?」
「ボブでもビルでもジョーでもスミスでも。皆さん呼びたいように呼んでおられますよ」
と黒の端末は不思議な事を言う。マリナが疑問を顔に張り付けている。デヴィッドが説明
をする。
「黒は日常的に認知誤認の魔法をつかっていてな。そこにいる端末を皆覚えられない上に毎回違う人間として認識するけれど職務上の地位はそのまま認識してもらえるようにしているようだな、俺はこの認識誤認の魔法と同系の魔法を使って中年男性に見せているから黒の魔法に感づいたんだけどもな」
「なので好きにお呼びいただければ」
黒の竜がそのままサファイアの事をごまかそうとしたが、聖女はごまかされなかった。
「で、サファイアを誰に預けたの」
黒はちらりとアキラを見る。アキラは素直にマリナに告げた。
「別の世界の神様、だと思うんだけどあの人」
「あの神社の主ではあるな」
「ジンジャってなに?」
「さっき、みんなが入れなかったところ」
「こっちから見てると三人が一瞬にして消えたし、…青も黒もこの世に存在してない感じだった」
レッドの言葉に黒がゆったりと答える。
「次元、この世が存在している場所とは違うところだな」
黒は暫く考えてから続いて言葉にする。
「海に浮かんでる島、みたいな感じか。海があるから渡れはするけどお互い距離が遠いとその島が存在するかはお互いにわからないだろ?あのジンジャはさしずめ、海の底の城だな。招かれたものしか訪れる事はできない」
『竜宮城みてぇ』
とアキラが思うとレッドから念話が飛んできた。
『余計な事いうなよ?黒に収めさせればいい。マリナがかんかんなんだよ。目の前で逃げられたって言ってる。…デヴィッドはお前たちが消えても心配してなかった』
『そっか。…俺、サファイアにも生きる権利あると思うんだけど。甘いかな』
『彼女は吸血鬼ハンターなんだよ、本質は。先祖代々受け継いだ力だ。そら怒りもする』
『だからかなぁ。あそこの主にサファイアはマリナが生きてる間は絶対外に出さないって』
『それは良い判断だな』
『その間に吸血鬼としての力とか王の力を吸収しちゃうみたいなこと言ってた』
こんな念話をレッドとアキラでかさねている間もマリナに対する説明は続いている。デヴィッドが声をかける。
「とりあえず、ギルドに戻らんか?そこの腹減らし二人も腹減ってきてるだろ?」
ギルドにデヴィッドの転移で戻る。
「神殿、こういう出入りチェックしてないの?」
オールが疑問を口にする。
「…神官長が飛んでこないとダメなはずだけど」
マリナが頭を抱える。
「そもそも侵入禁止の結界張ってないといけないのに」
「ああ、あの位置は結界張れないんだよ。昔神殿回りの術をチェックした時にオールと俺で見つけた穴だから、仕方ない」
「ああ、あの位置か。すっかり忘れてた」
オールも思い出したようだった。
「あの位置は神殿の魔術も干渉を許さないようだよ」
マリナはふっと息を吐いた。
「正直、神殿を完全に知ってると思ったんだけど、あんなもの建ってるの初めて気が付いた」
マリナの言葉に黒が言う。
「あの位置は神殿や王宮を守る位置なんだよ。初代様の時にここに居た異世界人とこいつらのじーさんで計算、建築したらしい。その異世界人とわしもつながりがあってな。そのつてでアキラをあっちに送った、と」
「黒自身も次元は越えられるんだろ?」
とレッドが尋ねる。
「おいてきた。っつか預けてきた」
アキラが答える。先ほど挨拶ができなかった黒がマリナに言った。
「お初にお目にかかります。黒の竜の端末です。聖女様」
「こちらこそ…。なんとお呼びすればよろしいでしょうか?」
「ボブでもビルでもジョーでもスミスでも。皆さん呼びたいように呼んでおられますよ」
と黒の端末は不思議な事を言う。マリナが疑問を顔に張り付けている。デヴィッドが説明
をする。
「黒は日常的に認知誤認の魔法をつかっていてな。そこにいる端末を皆覚えられない上に毎回違う人間として認識するけれど職務上の地位はそのまま認識してもらえるようにしているようだな、俺はこの認識誤認の魔法と同系の魔法を使って中年男性に見せているから黒の魔法に感づいたんだけどもな」
「なので好きにお呼びいただければ」
黒の竜がそのままサファイアの事をごまかそうとしたが、聖女はごまかされなかった。
「で、サファイアを誰に預けたの」
黒はちらりとアキラを見る。アキラは素直にマリナに告げた。
「別の世界の神様、だと思うんだけどあの人」
「あの神社の主ではあるな」
「ジンジャってなに?」
「さっき、みんなが入れなかったところ」
「こっちから見てると三人が一瞬にして消えたし、…青も黒もこの世に存在してない感じだった」
レッドの言葉に黒がゆったりと答える。
「次元、この世が存在している場所とは違うところだな」
黒は暫く考えてから続いて言葉にする。
「海に浮かんでる島、みたいな感じか。海があるから渡れはするけどお互い距離が遠いとその島が存在するかはお互いにわからないだろ?あのジンジャはさしずめ、海の底の城だな。招かれたものしか訪れる事はできない」
『竜宮城みてぇ』
とアキラが思うとレッドから念話が飛んできた。
『余計な事いうなよ?黒に収めさせればいい。マリナがかんかんなんだよ。目の前で逃げられたって言ってる。…デヴィッドはお前たちが消えても心配してなかった』
『そっか。…俺、サファイアにも生きる権利あると思うんだけど。甘いかな』
『彼女は吸血鬼ハンターなんだよ、本質は。先祖代々受け継いだ力だ。そら怒りもする』
『だからかなぁ。あそこの主にサファイアはマリナが生きてる間は絶対外に出さないって』
『それは良い判断だな』
『その間に吸血鬼としての力とか王の力を吸収しちゃうみたいなこと言ってた』
こんな念話をレッドとアキラでかさねている間もマリナに対する説明は続いている。デヴィッドが声をかける。
「とりあえず、ギルドに戻らんか?そこの腹減らし二人も腹減ってきてるだろ?」
ギルドにデヴィッドの転移で戻る。
「神殿、こういう出入りチェックしてないの?」
オールが疑問を口にする。
「…神官長が飛んでこないとダメなはずだけど」
マリナが頭を抱える。
「そもそも侵入禁止の結界張ってないといけないのに」
「ああ、あの位置は結界張れないんだよ。昔神殿回りの術をチェックした時にオールと俺で見つけた穴だから、仕方ない」
「ああ、あの位置か。すっかり忘れてた」
オールも思い出したようだった。
「あの位置は神殿の魔術も干渉を許さないようだよ」
マリナはふっと息を吐いた。
「正直、神殿を完全に知ってると思ったんだけど、あんなもの建ってるの初めて気が付いた」
マリナの言葉に黒が言う。
「あの位置は神殿や王宮を守る位置なんだよ。初代様の時にここに居た異世界人とこいつらのじーさんで計算、建築したらしい。その異世界人とわしもつながりがあってな。そのつてでアキラをあっちに送った、と」
「黒自身も次元は越えられるんだろ?」
とレッドが尋ねる。
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