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ランディの帰省(vs.虎人国編)
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「里も巻き込まれるな」
レッドの言葉にクロは異を唱える。
「いや、巻き込まないぞ。速やかにひそやかに一般の人には知らせず済ませる。長老達やお前のじーさまや父親には巻き込まれてもらうがな、あとはイーゼァの家だな」
「イーゼァの妹、頭が切れるから巻き込むにしてもこっちに着けておきたい」
ムーチェンが言う。
「頭のいいやつ相手には計略とか隠し事よりストレートに当たった方が良い」
レッドがムーチェンに言う。
「その方がお互い動きやすいしな」
「ユータンを呼んでいいかな?」
「いいがどうするんだ?」
「俺が里まで出向くしかない」
レッドにムーチェンはそう言った。
「ああ、私が行きます。地図で大体の位置を教えてください」
オールが腰軽く動く。
半刻後、ムーチェンと気が強そうな釣り目の金茶色の編みこみの女性がムーチェンとオールに連れられてきた。
「このくそ兄貴」
起きない事をいい事にイーゼァのお尻を思いっきり蹴ってくるりと皆に向いて自己紹介をした。
「ユーゼァの元婚約者のユータンと申します。そこで倒れてるクソの妹でもあります」
きりっとした美女は己が兄を見下ろしている。
「一応なんか暗示で秘密を話せば精神崩壊するとか言って怯えてるんだ」
ユータンはそれを鼻で笑う。
「暗示で壊れる精神的な弱い男は里長の護衛は勤まりませんね。そもそも暗示なんかにかけられてんなよくそ兄貴」
「はっはっ、気の強いおなごだな」
リュウは笑う。
「うむ、この娘には王族の血が入ってるな」
「私と兄は母親が違いますから。うちの母親の婚約者だった父親を寝取った竜人の貴族の女が兄の母です。貴族相手だったんで父は里では私の母親を愛人にして外で婚姻を結んでました。正直何があったのかは知りませんが3才の息子を連れて里に戻った父は母とは結婚せずに母に私を産ませて、私と兄は父方の伯父の家に引き取られて以降は伯父の子として育ってます」
ユータンは周りを見回して言う。
「私の里での立ち位置はこんな感じです。そんな女になんの用ですか」
「里、っていうよりイーゼァとユーゼァが関わってるからね。ユータンも関わった方がいいと思ってさ」
ムーチェンの説明にユータンはぴたっと口をつぐんだ。
「別に仲良くしなくてもいいし。ユータンが二人と顔を合わせたくないならそれも可能」
ゴールディは言う。
「ただこの子達が何を言い出すか、興味ない?」
ユータンは少しそそられたようだった。
「ならゴールディとユータンには認識阻害の術をかけとくよ」
オールが言う。
「ここに女性がいない、と思った方が品のない話とか口にしやすいからね」
レッドの言葉にクロは異を唱える。
「いや、巻き込まないぞ。速やかにひそやかに一般の人には知らせず済ませる。長老達やお前のじーさまや父親には巻き込まれてもらうがな、あとはイーゼァの家だな」
「イーゼァの妹、頭が切れるから巻き込むにしてもこっちに着けておきたい」
ムーチェンが言う。
「頭のいいやつ相手には計略とか隠し事よりストレートに当たった方が良い」
レッドがムーチェンに言う。
「その方がお互い動きやすいしな」
「ユータンを呼んでいいかな?」
「いいがどうするんだ?」
「俺が里まで出向くしかない」
レッドにムーチェンはそう言った。
「ああ、私が行きます。地図で大体の位置を教えてください」
オールが腰軽く動く。
半刻後、ムーチェンと気が強そうな釣り目の金茶色の編みこみの女性がムーチェンとオールに連れられてきた。
「このくそ兄貴」
起きない事をいい事にイーゼァのお尻を思いっきり蹴ってくるりと皆に向いて自己紹介をした。
「ユーゼァの元婚約者のユータンと申します。そこで倒れてるクソの妹でもあります」
きりっとした美女は己が兄を見下ろしている。
「一応なんか暗示で秘密を話せば精神崩壊するとか言って怯えてるんだ」
ユータンはそれを鼻で笑う。
「暗示で壊れる精神的な弱い男は里長の護衛は勤まりませんね。そもそも暗示なんかにかけられてんなよくそ兄貴」
「はっはっ、気の強いおなごだな」
リュウは笑う。
「うむ、この娘には王族の血が入ってるな」
「私と兄は母親が違いますから。うちの母親の婚約者だった父親を寝取った竜人の貴族の女が兄の母です。貴族相手だったんで父は里では私の母親を愛人にして外で婚姻を結んでました。正直何があったのかは知りませんが3才の息子を連れて里に戻った父は母とは結婚せずに母に私を産ませて、私と兄は父方の伯父の家に引き取られて以降は伯父の子として育ってます」
ユータンは周りを見回して言う。
「私の里での立ち位置はこんな感じです。そんな女になんの用ですか」
「里、っていうよりイーゼァとユーゼァが関わってるからね。ユータンも関わった方がいいと思ってさ」
ムーチェンの説明にユータンはぴたっと口をつぐんだ。
「別に仲良くしなくてもいいし。ユータンが二人と顔を合わせたくないならそれも可能」
ゴールディは言う。
「ただこの子達が何を言い出すか、興味ない?」
ユータンは少しそそられたようだった。
「ならゴールディとユータンには認識阻害の術をかけとくよ」
オールが言う。
「ここに女性がいない、と思った方が品のない話とか口にしやすいからね」
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