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クランに関わる人間関係
16 まったりとした時間
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ルトガーがカツミの事を聞きたいと思ってるのはユリアーナにもわかっていた。が、聞かれても答えられない。それにルトガーが思っているような感情がお互いにない。
ルトガーはそう言うのがわからない程度には兄バカだと思っている。ブランカもユリアーナも男の方は確実にすぐに惚れると思っているのだ。二人とも水準以上のルックスであるから。ユリアーナは自分たちは性格に難があるからな、と思っている。
ブランカは相変わらずルトガーが心のど真ん中にいる。子供の時のようにそれを表立って現わすことはない。自分はときめいたことはほどんどない。ほのかな初恋に近い感情は宗介にあったが、それは彼が作る’美味しいもの’込みなのも理解している。
カツミにもジュニアにもそう言う感情は持っていないし自分が誰かにそう言う感情を持つことはあるだろうか、といつも謎に思っている。もう20代半ばも近づいている。早い子だと10年くらい前に子供産んでるんだよなーとぼんやり考える。
ユリアーナは首を横に振り考え事を頭から振り払った。
「さて、珈琲いれて飲もう」
ユリアーナが台所でコーヒー豆をひきじゃこめるとニーアがやってきた。
「あら、珍しいわね」
「ええ。なんだかお茶って気分ではなくて」
「ご一緒しても?」
「珈琲でいいですか?」
ユリアーナの言葉にニーアは笑顔で頷く。
お茶の時間あたりは宗介は台所にいない。昼食後から夕食の仕込みの時間まで昼寝をするらしい。『おっちゃん。もう体力ないさかいな』と言っている。
今日はヴァイキー、カイ、アキラ、ルトガー、エドガー、ヨアヒム、ジュニアで復活したダンジョンの最深部の調査をするらしい。5階を攻略していないジュニアを連れているので5階からの攻略らしい。7人は暫く帰らないと言っている。12階まであるダンジョンは未だ踏破されていないが、アキラ達が踏破しても踏破者とは言えないらしい。ダンジョンコアとアクセスが取れるアキラがいるのだ。今回はデヴィッドからの依頼で仕様を確かめる、という事だとか。
アキラは『実力で挑むのに。損だよな。今回はしかたないけどさ。8階層、9階層の肉ゾーンで肉たっぷり仕込んでくるから楽しみにしてて』と言ってうきうきと出かけて行った。相変わらず色気より食い気である。が、それを聞いたユリアーナも嬉しかったので似たようなものである。
ニーアがうっとりと珈琲の香りを楽しんでいる。
「マルクさんは?」
「隣の冒険者の宿にいた人に頼まれて街まで送ってる」
「アキラやデヴィッドでもない限り、街まで時間かかるものね」
ふたりがのほほんと会話する。
「多分ね、ヴァイキー、カイ、ヨアヒムは普通の馬車より早く街まで着くと思う。あの人たち、速歩使えるみたい」
「へぇ。さすがS級ですねぇ」
「ほんと」
二人のお茶会はのほほんと過ぎていく。
ルトガーはそう言うのがわからない程度には兄バカだと思っている。ブランカもユリアーナも男の方は確実にすぐに惚れると思っているのだ。二人とも水準以上のルックスであるから。ユリアーナは自分たちは性格に難があるからな、と思っている。
ブランカは相変わらずルトガーが心のど真ん中にいる。子供の時のようにそれを表立って現わすことはない。自分はときめいたことはほどんどない。ほのかな初恋に近い感情は宗介にあったが、それは彼が作る’美味しいもの’込みなのも理解している。
カツミにもジュニアにもそう言う感情は持っていないし自分が誰かにそう言う感情を持つことはあるだろうか、といつも謎に思っている。もう20代半ばも近づいている。早い子だと10年くらい前に子供産んでるんだよなーとぼんやり考える。
ユリアーナは首を横に振り考え事を頭から振り払った。
「さて、珈琲いれて飲もう」
ユリアーナが台所でコーヒー豆をひきじゃこめるとニーアがやってきた。
「あら、珍しいわね」
「ええ。なんだかお茶って気分ではなくて」
「ご一緒しても?」
「珈琲でいいですか?」
ユリアーナの言葉にニーアは笑顔で頷く。
お茶の時間あたりは宗介は台所にいない。昼食後から夕食の仕込みの時間まで昼寝をするらしい。『おっちゃん。もう体力ないさかいな』と言っている。
今日はヴァイキー、カイ、アキラ、ルトガー、エドガー、ヨアヒム、ジュニアで復活したダンジョンの最深部の調査をするらしい。5階を攻略していないジュニアを連れているので5階からの攻略らしい。7人は暫く帰らないと言っている。12階まであるダンジョンは未だ踏破されていないが、アキラ達が踏破しても踏破者とは言えないらしい。ダンジョンコアとアクセスが取れるアキラがいるのだ。今回はデヴィッドからの依頼で仕様を確かめる、という事だとか。
アキラは『実力で挑むのに。損だよな。今回はしかたないけどさ。8階層、9階層の肉ゾーンで肉たっぷり仕込んでくるから楽しみにしてて』と言ってうきうきと出かけて行った。相変わらず色気より食い気である。が、それを聞いたユリアーナも嬉しかったので似たようなものである。
ニーアがうっとりと珈琲の香りを楽しんでいる。
「マルクさんは?」
「隣の冒険者の宿にいた人に頼まれて街まで送ってる」
「アキラやデヴィッドでもない限り、街まで時間かかるものね」
ふたりがのほほんと会話する。
「多分ね、ヴァイキー、カイ、ヨアヒムは普通の馬車より早く街まで着くと思う。あの人たち、速歩使えるみたい」
「へぇ。さすがS級ですねぇ」
「ほんと」
二人のお茶会はのほほんと過ぎていく。
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