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東の国 【完結】
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宗介は教えられた店に足早に進む。早足になりながら、近づく店にそれでもすこしでも早くつきたくて仕方なかった。
「いらっしゃいませ」
そこには宗介が恋焦がれたものがあった。味噌が醤油が米がある。そして、小さなイートインがある。宗介はドキドキしながらそこに置かれているメニューを見た。おにぎり、味噌汁、お新香…、慣れ親しんだメニューがローマ字で書かれている。
「…豚の生姜焼き定食、味噌汁付きで」
声が震えないように宗介は気を配った。置かれたお茶は香ばしく、宗介の鼻腔をくすぐる。ほうじ茶だ。感激しながらお茶に口をつける。
ポロリ、と涙が溢れた。この国で暮らしていくことに不満はなかったし、元いた日本に未練はなかった。それでも宗介はほうじ茶の香りに日本を思った。
米と豚肉を一緒にかき込む。甘辛い懐かしい味。味噌汁の出汁と味噌の味が身体に沁みる。食事が終わったのを見計らったのか新しいお茶がそっと置かれる。
宗介がこの店に通い詰めるようになるまであっという間だった。そんなある日、馴染みになった店主が言う。
「転勤で、違う支店に行くんです」
この東の国の用品を扱う店は、東の国のとある商会の支店であること。この国の中に、いくつか支店がある事を教えられた。宗介は全ての支店のある街を教えてもらった。
そして、この国のここでなければこの店に通えないからと思っていた気持ちは消えた。近いうちに他の街に行こう、宗介はそう思った。
宗介は厨房のリーダーに辞めたい事を相談した。理由を聞かれて
『他の街が見てみたい、暮らしてみたい』
と答えると、辞める時にまとまった退職金と冒険者ギルドの紹介状、そしてギルド会員としての身分証明書をくれた。
「次はどこの街に行くんだ?」
「海の近くへ。魚がうまい街がいい」
と宗介は答えると大きな街への乗合馬車に乗り込んだ。
END
「いらっしゃいませ」
そこには宗介が恋焦がれたものがあった。味噌が醤油が米がある。そして、小さなイートインがある。宗介はドキドキしながらそこに置かれているメニューを見た。おにぎり、味噌汁、お新香…、慣れ親しんだメニューがローマ字で書かれている。
「…豚の生姜焼き定食、味噌汁付きで」
声が震えないように宗介は気を配った。置かれたお茶は香ばしく、宗介の鼻腔をくすぐる。ほうじ茶だ。感激しながらお茶に口をつける。
ポロリ、と涙が溢れた。この国で暮らしていくことに不満はなかったし、元いた日本に未練はなかった。それでも宗介はほうじ茶の香りに日本を思った。
米と豚肉を一緒にかき込む。甘辛い懐かしい味。味噌汁の出汁と味噌の味が身体に沁みる。食事が終わったのを見計らったのか新しいお茶がそっと置かれる。
宗介がこの店に通い詰めるようになるまであっという間だった。そんなある日、馴染みになった店主が言う。
「転勤で、違う支店に行くんです」
この東の国の用品を扱う店は、東の国のとある商会の支店であること。この国の中に、いくつか支店がある事を教えられた。宗介は全ての支店のある街を教えてもらった。
そして、この国のここでなければこの店に通えないからと思っていた気持ちは消えた。近いうちに他の街に行こう、宗介はそう思った。
宗介は厨房のリーダーに辞めたい事を相談した。理由を聞かれて
『他の街が見てみたい、暮らしてみたい』
と答えると、辞める時にまとまった退職金と冒険者ギルドの紹介状、そしてギルド会員としての身分証明書をくれた。
「次はどこの街に行くんだ?」
「海の近くへ。魚がうまい街がいい」
と宗介は答えると大きな街への乗合馬車に乗り込んだ。
END
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読んでくださってありがとうございます。ご指摘の点書き加えてみました。
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