悪役令嬢はヒロインと関わりたくない【完結】

あくの

文字の大きさ
2 / 65

登校前のひと時

しおりを挟む
 私はブランシュ・ドヌーヴと申します。この国、エルステイン太陽王国の公爵令嬢です。年は15歳です。銀の髪に紫色の瞳、外見は美しいと客観的に思います。
 前世、日本人として過ごしておりましたし、美醜は客観的にも主観的にも判断できるのです。21世紀的基準に当てはめても美しいと思います。同じ顔をした兄がいまして、この兄が傍からみても美しいので私もそうなんでしょう。
 生まれた時から自分が転生したという自覚があるので子供時代から子供らしくない子供でした。親の言うことをよく聞き、騒ぐこともなく。また特殊スキルもないので、まぁ、…普通に無難に生きてきました。幼児からずっと王太子妃教育を受ける以外は。幼児からですし、ビジネス系ならマナーはいけるしと思ってましたが!
 貴族のマナー難しい。まぁ、それでもビジネスマナーがあった事はなかったよりは楽だったでしょうか。そして現在。10年以上やってればほぼすべての『王太子妃』教育は終了しております。現在は週に1度王宮に通って、王妃様とお茶をするのが私が担当する公爵家の公務です。…現状この国、王太子殿下が決まってないのでいらっしゃらないのです。

 王妃様の息子が第二、第三王子、陛下の王太子時代からの妾妃様の息子が第一王子、それ以外の妾妃様数名が息子、娘を授かっておられて、王子は合計八人、姫は合計で5人いらっしゃいます。
 王太子が決まれば王子様も、姫様もエルステインを名乗れますが今はまだ誰も決まってらっしゃらないので妃様方の実家の姓を名乗っております。第一王子殿下のお母上はこの国の伯爵で、王妃様は隣国のディアーヌ王国の王族の方なので、この辺りの政治的駆け引きでいまだに誰も王太子だと指名されていないのだとか。

 結局、第一王子か第二、第三王子(双子なのです)かに決まるだろうとは言われております。



 「ブランシュ、僕の姫、おはよう」

朝からキラキラしい兄が返事も待たずに部屋に入ってきます。まだ寝間着なのであまり気分がよくないですね。

「朝からなんですか。用意が終わるまで食卓ででも待っててくださいませ」

「…朝から妹が冷たい」

ええい、鬱陶しい。

「朝だからです。寝起きから兄さまのテンションに付き合う気ないんで…」

「朝じゃなくても付き合ってくれないじゃないか」

無視だ、無視。

「女性の用意が済むまで待てないからです」

と私付きのメイド、アリスが兄を追っ払ってくれました。

「つれないなぁ。ブランシュ、食堂でまってるよ」

と出て行ってくれたので、さっそく湯あみです。この部屋を親からあてがわれた時にはシャワーしかなかったのですが、浴槽を追加してもらい、入浴ができるようにしてもらいました。
 大きな浴槽は使用人のいる棟にはついているのですがさすがにそこは使わせてもらえないので子供のわがままという体で浴室の増築をしました。魔石を練りこんだ浴槽にお湯をためるのも浴槽の清掃も魔法と魔石でするので日本の浴室より楽だったりします。文明的には産業革命時に魔法付き、みたいな感じでしょうか。
 蒸気機関車も走ってますがそれはすべて魔石・魔素で賄われています。車も一応ありますが馬車の方がメジャーですね。車は運転できる人間が限られているのでまだ、普及しておりません。
 どうもこの世界は石油がない代わりに魔素、魔石があるのだなと思います。石油ないしまだ電気もないのですが魔石や魔素が完全にその代わりになってるようです。



 「ずいぶんゆっくりでしたね」

食堂には父母もおりました。母が声をかけ、

「フェルナンが追い出されてから会話する時間がゆっくりあったからね」

と父も兄をからかっている。

「ちょっとゆっくりお湯に入っておりました」

母は美しい顔に笑みを浮かべて言います。

「お腹減ったでしょう。朝ごはんにしましょう」

前世では朝食を取らない主義だったのですがさすが思春期の体は朝からしっかりごはんが食べられますね。薄いカリカリのトーストにマーマレードを塗ります。卵料理の皿もあり、サラダもしっかりついてます。サラダを最初に食べ始め、次にタンパク質、今日はスクランブルエッグにソーセージが1本ついてます。それを食べ終わった後に濃い目の熱い紅茶をストレートでいただきつつ、トーストを楽しみます。

「ごちそうさまでした。おいしかったです」

私がそういうと、母とメイド長がにっこりと笑ってくれます。朝食は毎朝メイド長さんが作ってくれるのです。料理人の方の勤務は朝のお茶、10時からなのです。

「僕が食べ終わるまで待っててよ」

と兄がいいます。今、三枚目のトーストをたべているようです。ま、男性なんで私より食べるのは仕方ないですしね。兄が食べ終わるまで、予習でもしておきましょう。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】『恋心を凍らせる薬を飲みました』 - 残りの学園生活、どうぞご自由にお遊びください、婚約者様

恋せよ恋
恋愛
愛されることを諦めた。だから、私は心を凍らせた。 不誠実な婚約者・ユリアンの冷遇に耐えかねたヤスミンは、 伝説の魔女の元を訪れ、恋心を消し去る「氷の薬」を飲む。 感情を捨て、完璧な「人形」となった彼女を前に、 ユリアンは初めて己の罪と執着に狂い始める。 「お願いだ、前のように僕を愛して泣いてくれ!」 足元に跪き、涙を流して乞う男に、ヤスミンは冷酷に微笑む。 「愛?……あいにく、そのような無駄な感情は捨てましたわ」 一度凍りついた心は、二度と溶けない。 後悔にのたうち回る男と、心を凍らせた冷徹な公爵夫人の、 終わりのない贖罪の記録。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので

モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。 貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。 ──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。 ……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!? 公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。 (『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)

契約結婚の相手が優しすぎて困ります

みみぢあん
恋愛
ペルサル伯爵の婚外子リアンナは、学園に通い淑女の教育を受けているが、帰宅すれば使用人のような生活をおくっていた。 学園の卒業が近くなったある日、リアンナは父親と変わらない年齢の男爵との婚約が決まる。 そんなリアンナにフラッドリー公爵家の後継者アルベールと契約結婚をしないかと持ちかけられた。

元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ
恋愛
 侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。  病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。  また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。 「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」  無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。  そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。  生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。  マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。 「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」  三度目の人生はどうなる⁈  まずはアンネマリー編から。 誤字脱字、お許しください。 素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。

自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~

浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。 本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。 ※2024.8.5 番外編を2話追加しました!

忘れ去られた婚約者

かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』 甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。 レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。 恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。 サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!? ※他のサイトにも掲載しています。 毎日更新です。

処理中です...