悪役令嬢はヒロインと関わりたくない【完結】

あくの

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学園にて。

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 私と兄の通っているのは王立太陽神学園です。隣には王立騎士学園もあります。騎士学園のライバルとして都立の兵学校が学園の近所にあるので学園があるあたりは学研都市という形で王都内でも特殊な位置を占めております。幼稚舎もありますし、一番街に近い辺りは平民向けの学校が立ち並んでおります。
 太陽神学園は平民と成績が足りない下級貴族が通う家政科、成績の良い平民と下級貴族が通う普通科、そして基本は伯爵以上の爵位の家の人間が通う経営科があります。伯爵以上の爵位をもっていてかつ成績が足りない人は普通科落ちします。その他色々例外はありますが。卒業すぐに結婚が決まってる高位貴族令嬢は家政科のカリキュラムもとることができたり、割合と臨機応変なところもあります。あとは下級貴族でも王家からの許可があれば初等部から経営科、という事もあります。
 すべて大学までエスカレーターです。女生徒は大学まで行くのは三割くらいの感じ。普通科以上の女子の中には王宮文官を目指している方も多くいらっしゃいます。
 家政科の学費は格安です。そして普通科は家政科の倍くらいらしく、経営科は家政科の5倍、かつ寄付金が必要というわりと現実に即したシステムです。経営科の寄付金は家格によって最低ラインが決まってます。父親に

『同じタイミングで二人通わせるのはお金がかかりすぎではないですか?』

と聞いたら

『寄付金は『家』単位で支払うので二人通っているからといって2倍払うわけじゃないよ。ちょっとは色は付けてるけどね』

とのこと。…これが曲解されて広められてしまってるんですよね、今現在。

 兄と同じ馬車で学園に着くと、学園では学年ごとに校舎が違うので途中で別れる。というか、シスコンの兄が付いてこないようにしっかり言い含めて…、おかげでお昼ご飯は兄と食べると約束しているのですが、別行動になり兄から十分離れると出てくるのです。
 1つ上の女子集団が。下級貴族子女集団です。

「ちゃんと寄付金も払ってないのに経営科にいらっしゃる方が来たわ」

名前を呼ばれたわけではないし、お知り合いではないので無視です、無視。学園の中だからこそ許される態度でもありますね。下位貴族から高位貴族そして王族には話しかけてはいけないという不文律があります。
 高位の者から下位の者に声をかけ、挨拶をちゃんと交わしてからの会話が開始なのですが…。挨拶一つしない方を認知する必要はないですわね。

「まぁ、表情一つお変わりならないってことはご自覚されてないのね」

「厚かましい。…こういう方の事を面の皮が厚いっていうんですわね」

 ま、日本でバツイチお局様やってたらこれくらいは無視できるスキルもあります。その上で、あの方たち…そろそろおやめにならないと…、マナー講師のアデライト先生が登校する時間なのですが…。あ、やっぱりつかまった。

 アデライト先生は出身は平民ですが騎士として近衛騎士団で勤め、その時に王宮のマナーも学んだ方です。第一王子の乳母だった方で文武両道を体現したような堅苦しくも力強い女性です。

「集団になって騒がない」

さ、彼女達がお説教されている間に教室に向かいましょう。


 今日はお昼が楽しみです。週に一度の学生食堂での食事の日なのです。王族も通うこの学園、食堂がやたらと美味しいので私は利用するのを楽しみにしてます。それと今日はデザートがアップルパイのはず。食堂のアップルパイのフィリングの味が大好きだったりします。シナモンが効いて甘くて、でも酸味もちゃんと立ってる、とても美味しいものです。
 が、お昼に思いを馳せる前に…教科書をおさらいしておきましょう。

「真面目だな」

 朝から見たくない顔が…。

「アルベルト殿下、ここは一年の教室です。もうすぐ授業も始まります」

「ブランシュの顔を見に来ただけだよ」

「もう見たのでおかえりください」


殿下はいつも通り笑う。そろそろ…

「殿下っ、時間です。毎朝毎朝、遅刻しますよ」

エリクが迎えに来た。これも定刻、いつも通りの光景だ。



 お昼に食堂に行くと、今日はうるさいピンク頭の人とはかち合わなかった。朝の下位令嬢集団のリーダー格で、一つ上の令嬢、アニエス・エマーヌ男爵令嬢を中心とする一つ上の学年の集団だ。このアニエス嬢は第一王子殿下と仲良しらしい。なにかと私に突っかかってくる。殿下のご学友の兄にもまとわりついている、んですが…。
 私が標的になったきっかけがこの兄なんですよね。…ほんと、シスコンうざい。
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