悪役令嬢はヒロインと関わりたくない【完結】

あくの

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花は散ってはいないものの……

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 「久しぶりのお泊りね」

とサラ姉様が喜んでいる。

「伯父様すごい神経質になってるけど……何かありました?」

「いつもよ。母が離縁して逃げ帰ったのもあの臆弱な性格のせい」

「オクジャク?」

「臆病で弱い、の。あの人、…筆頭公爵家を保つためだけの存在だと自分の事おもってるから」

「準王族でうちからのサポートもあるでしょ?…うちの父は母にべた甘で母の実家ってことで姉様の家、本気で大事にしてるし」

そう、父はサラ姉様の実家、バルバストル家を大事にしてます。先年のバルバストル領の洪水で小麦がほぼ全滅の憂き目にあった時もうちの備蓄を全部放出して助けてました。

「そこよね。……お父様はドヌーヴ家は自分の下、フォローして当たり前って思ってるのよ。妹の嫁ぎ先だから。でお兄様がそれではいけないってちゃんと書類揃えたりして先年の借りを返してるの。それがあるから私をドヌーヴ家に遊びに行かせたくなかったみたい」

サラ姉様は赤い長いくせ毛を一房指に巻き付けてくるくるともてあそんでいる。彼女は美しい、ですが抜きん出て美形という感じではないですが表情が生き生きしてて笑顔も可愛らしくてなんていうか魅力的すぎる方なのです。
 シスコン極めている兄様ですが、サラ姉様を好きって趣味が良いと思ってます。サラ姉様が去年までいた位置に私がおさまらないといけないのは……器の大きさ的に少しつらいとは思ってます。
 前世の32年はあまり女性と仲良くできず勉強と仕事で過ごしたので、友達の作り方なんてわからないのです。自分で言ってしまってはいけないですが詰まんない女です。面白味がないっていうか。

「伯父様の補佐にはベルトラン兄様がついてるんですよね?」

「補佐じゃなくて、ここ最近はメインで仕事してる。お父様を領地に押し込めようとしてね。お父様は領地でのんびり暮らす方があの性格的にも向いてると思うの……」

サラ姉様は物思わし気だ。

「エリーゼはどうしてます?」

「どうにもなんないから学園にはやらず、近いうちに婚約者として大公の領地に追いやるって兄様が決めた。……ブランシュもあの声、聞いたでしょ?」

私は黙るしかなかった。3年前、エリーゼと大公がバルバストル家の庭の四阿でその…いちゃついてるというには少々刺激的すぎる事をしておられて。私はあの声と思わず(というか…犬か何かが吠えてるのかと思ったので)サラ姉様と四阿の方へ行って目撃してしまいました。確かに大公の物は入ってませんでしたがあんなことをやってるなら処女膜はもうないと思ってしまいました……。
 その四阿は速攻壊されて今は薔薇が植えられてます。

「エリーゼのご乱交はおさまらなくてね。私は部屋変えてもらったし、あのフロアに行くのもいやだし。エリーゼと会話もしたくないのだけど、父は『姉妹仲良く』っていうばっかり。ベルトラン兄様はちょっと『話せない』ようなもの見ちゃったらしくて、怒り狂って早々に大公に引き取らせるって」

エリーゼ……。何をしていたかはエリーゼに詳細に語られたのでしってます。そういう趣味の方もいるのも。……ただあんまり若いうちからそういう事してると将来おむつが手放せなくなるんじゃないかと妙な心配までしてしまいます。ま、所詮は他人事です。エリーゼも猥談兼のろけをする相手が私しかいないのでこの二年ほどはつまらなかったでしょう。……サラ姉様にその話をしてる、って事はないよね?

「そういうの見聞きして育った下の男の子三人は初等部から騎士学園に入れられたのよね」

サラ姉様はまっすぐに私を見る。

「その判断をしたのは私。兄様は学年も全く被らなかったからよかったんだけど。アニエス嬢筆頭とする下位貴族令嬢の集団がそうね、中等部の真ん中あたりからその…恋愛脳全快になっちゃったの」

私が聞きたい話をサラ姉様が始めてくれた。
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