悪役令嬢はヒロインと関わりたくない【完結】

あくの

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思うようにはいきませんね

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「あの下位貴族令嬢集団は『ピンクの会』って名前なのね」

名前あったんだ!

「恋愛を至上とする主義で令嬢も令息も自分より上位の貴族、正確には伯爵以上の異性と恋愛をし結婚をするのが目的なんだって。実際あそこの会の所属者は貴族と言っても男爵令嬢のアニエス嬢以外は準男爵や騎士爵の子達だったりするの」

「はぁ」

それは私ではわからないかも。男爵以下の貴族の方は基本は私には話しかけないので……。

「だからあの会がうるさいならアニエス嬢を潰しなさい。あの子さえ静かになったらあの会は静かになるから。烏合の衆でしかない。あとは、キャロライン・ルヴィエ伯爵令嬢、貴女の1年上で普通クラスにいる子なの、彼女と仲良くなりなさい。近いうちにお茶会を開いて招待すればいいわ。数人名前をあげるからその子達を呼んで。やっと貴方と彼女達を橋渡しできる。……お茶会までおいてもらうことにしていいかな?」

「私は嬉しいのですけど…」

「義叔父様に『兄宛て』に手紙だしてもらっていいかな。暫く泊まるって」

「そうですね」

私はちょっと気分が楽になった。父ならうまくやってくれるだろうし。

「ブランシュは相変わらず図書館通い?」

「兄様が1時間くらい私より遅いので。兄様と一緒の馬車を使ってますし」

「相変わらずシスコンかぁ、婚約者の話とかはないの?」

「兄が『ブランシュの嫁ぎ先が決まってから』って頑なで」

サラ姉様がうふふ、と笑い爆弾を落としてくれた。

「じゃ、私が貰っていい?」

私は満面の笑みで答える。こんなの決まってる。

「もちろん」

「お兄ちゃん取られて寂しいとか言わない?」

「ありませんよ。サラ姉様だし」

サラ姉様は、含みある笑顔になる。

「じゃ、私以外なら?」

この答えも決まってる。

「人によります」 

「たとえば?」

「人柄がよろしいならそれで」

「ブランシュがそういうなら、私以外の人柄の良い人を紹介してもいいわね」

へ?サラ姉様が貰うんじゃないの?

「……ブランシュはすぐ顔にでるわね」

「サラ姉様相手だからです」

「私が男ならブランシュかっさらっていきたいのになぁ」

サラ姉様は私の横に座りぎゅっと体を寄せてきます。……不安なんですね?子供の時からの姉様の癖なんです。寂しかったり不安だと表面は元気にしてるのにスキンシップが激しくなるのです。

「サラ姉様、何か不安な事でも?」

サラ姉様が私をぎゅっと抱き寄せる。

「友人がピンクの会の男性に言い寄られてて。本人は幸せそうなんだけどね。家格が違い過ぎて文化が違うのを友人は『野性的で素敵』って言うのよ。他の友人と私は『粗野で卑しい』って見えるの」

私の中の×一OLの古傷が痛む。ただ単なる乱暴者でわがままなマザコン男と結婚してた傷だ。そう、『粗野で卑しい』男を『野性的で素敵』だと一瞬目がくらんで結婚までしてしまった挙句離婚までしちゃった。こっちに瑕瑾はないのに早く別れたくて私がお金払ったんだ。この傷があるせいで今世の私は男性が億劫なのだろうと自覚がある。

「恋愛するとそこまで目が曇ってバカになっちゃうのかと思うと、ね。友人が彼を選ぶなら我々は縁を切るべきだって友人間では判断されちゃって……」

人肌で少し落ち着いたのかサラ姉様は座りなおした。

「で、家に居るアレとか見ちゃってるし……」

アレってエリーゼの事よね。

「半年程前かな、父親とエリーゼと一緒に観劇に行って。父親もエリーゼも気が付かなかったんだけど。エマーヌ男爵とべたべたしてる母親見つけちゃって。母は独り身だからいいけどエマーヌ男爵は奥様いらっしゃるんだ。……もうね、本当に恋愛するとバカになるのかって絶望しちゃった」

サラ姉様は深くため息をついた。

「で、私自身が変になる前にもうさっくり婚約者決めようとおもって。年齢的にも家柄的にもフェルナンなら釣り合いも取れてるし。昔から知ってるし、可愛いとおもってるしね」

そこネックよね、兄様はサラ姉様に恋してるけどサラ姉様は兄様に恋はしてない。……情はありそうだけど。

「それに私とフェルナンが一緒になればベルトラン兄様は貴女をあきらめざるを得なくなるし」



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