悪役令嬢はヒロインと関わりたくない【完結】

あくの

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お褒めの言葉

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 「協力してくれてありがとう」

王妃様はアニエス嬢達が連行された後優雅な笑みで我々を労わってくださった。

「この場を借りてしまってごめんなさいね。あの子達は酷い目には合わないので安心を。皆ももう歓談してくださって?」

あ、これは愛想良しバージョンの王妃様だ。外面バージョンともいう。




 帰宅は……王妃様と一緒です。兄とアルベルト殿下もご一緒です。

「ああも簡単に情報が手に入るとは……。ピンクの会も人材がいないんだなぁ。もう少し狡猾な令嬢をえらべなかったのかしら」

王妃様は溜息をつく。

「ロザリーという方が黒幕なんですね?」

「運河を抑えたがった家の娘だな」

アルベルト殿下が考えながら言う。

「何度か学園で接触してこようとした娘だ。父親はよく妾妃宮に来てる」

アルベルトがぼつぼつと話す。

「父親に言われて……俺が子供を作れるようになったくらいから『お情けをいただけませんか?』って来てたよ」

「それ、ちゃんと報告なさい」

王妃様がアルベルトに声をかける。

「……恥ずかしくて」

「で、やったの?」

「ここではっきり言いますが俺もフランソワもジャックも童貞ですよ。ねや教育の実技は拒否させてもらってます。俺の母親のおかげで年上の女はダメだし。ピンクの会の子達の攻撃で同年代の女性にもちょっと……。俺は好きな子がいますしね」

アルベルト殿下はふっと息を吐く。妾妃様も罪なことを。自分の息子にトラウマ植え付けてるし。

「そのあたりは……陛下みてたら仕方ない気はしますが」

王妃様もふっと溜息をついた。

「それは置いておいて」

よかった。他人のそういう話は聞きたくないし。

「アニエス嬢のアクセサリ一式、魅了の魔術がかけてあります。かなり前にブランシュが荒唐無稽な事をアニエス嬢が言っても周りが信じてて不思議だって言ってたでしょ?」

王妃様に愚痴った記憶がある話。

「多分、あのアクセサリのせい」

「あのアクセサリー……なんだったんですか?」

「妾妃様の魅了術を結晶化させたものです。あの学園中に彼女の魔力が滲んでたのでおかしいってなってね」

「誰が調査してたんですか?」

「そこにいるアルベルトとかフランソワとかあなたの兄とかアルフォンスとか」

兄様をじっと見るとふっと目をそらす。

「ベルトランが学園に講師で行ってるのもそれよ?気が付いたのはベルトランね」

王妃様はにんまりと笑う。

「あの子にアニエス嬢が近づいてきててね。『ヒロインと結ばれるのが貴方の運命よ』とか言い出して」

アニエスさん、誰を狙ってたのかしら?すべての男性に声かけてるの?

「で、ベルトランやフェルナン、貴女や王子達は王家の血のおかげで魅了魔術にはかからないの。というか魔術をかけるなら大量の魔力と強力なスキルが必要なんだけど……。ちょっとそれ考えると陛下の状態がおかしいのよね。妾妃様に落ちたのがね」

わー、この馬車の中の会話、剣呑だぁ。

「どういうことかしら」

「……そうですねぇ」

どうせここの他には漏れないからぶっちゃけよう。

「穏当な考えだと妾妃様っていう源泉に触れてるが故の事かな、と」

「不穏な方も話していいわよ」

王妃様も同じこと考えてそうだな、これ。

「不穏な方は……陛下のもつ王家の血が薄い、という事ですかね」

「ふー。隠居宮の姑様は陛下の母親じゃないしな。陛下の母親はかなり身分の低い、宮殿の見習い侍女だったのよね。貴方達は前陛下の弟様の血を母方から引いてる上に父方も何回も降嫁があった公爵家だったからもしかしたら王家の血、というならブランシュとフェルナンがこの王国で一番濃い血を持ってるかも」

面倒な……。
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