悪役令嬢はヒロインと関わりたくない【完結】

あくの

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魔力量 2

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 金属がぶつかり合う音が扉の前でしている。私とサラ姉様は壁側の一角にある隠し部屋に押し込められている。
 ジャック殿下の咆哮やシリル様の声も聞こえてくる。サラ姉様は私の腕を持っている。その手が震えているので私はそっとサラ姉様の手の上に自分の手を当てた。

「追っ付け兄様もきます。この部屋は母様の守りの魔法がかかってますから。不安ですけど事が終わるのを待ちましょう」

声が震えなかったのでよかった。こうなると非戦闘員の私やサラ姉様は足手纏いでしかない。侍女の顔も白いのでそっと手を握った。なんだろう、今私は完全に仕事モードに入っている。

「ブランシュはっ」

兄様の声だ。すぐにノックがある。

「でられるか?手を貸せ」

あ、非常事態モードの兄様だ。

「はい。今出ます」

これが罠なら私は死ぬよね、とか思って出ると大きな魔石が着いた杖を兄様は持っている。

「ブランシュ、借りるぞ」

そう、私の無駄に多いだけの魔力を魔石が吸い上げていく。私は魔力量は非常識に多いのだけど魔法は全く使えない。私の魔力を利用できるのは母様と兄様だけなのです。この魔石付きの杖自身が使う人間を選び、国中でも母様と兄様にしか使えない代物だそうです。

 吸い上げられた魔力を使い、兄様はこの部屋中に眠りの魔法をかけます。そうすると戦闘音が止まります。兄様の後ろは魔法が掛からないようにバリアを張っていたので私にはかかってません。隠し部屋から侍女がサラ姉様にナイフを突きつけ出てきました。その瞬間、兄様が目にもとまらぬ素早さでその侍女を杖で突き飛ばします。
 侍女も壁にぶつかり頭を打ってそのまま崩れ落ちます。

 「サラ」

兄様の声にサラ姉様が言います。

「私より敵の拘束を」

サラ姉様は侍女のエプロンの腰のリボンを解きそれで手首を拘束します。また外から執事や執事補達がひも状のものをもって入ってきて敵方の騎士を縛り上げていきます。

私がふーっと息を吐くと兄様は私の髪を撫でます。

「よく頑張った。あと魔力ありがとうな」

「それぐらいしか役に立てませんもの。とりあえずジャック殿下とシリル様起こします?」

「いや、執事達に任せる。サラとブランシュはまだ部屋から出ないでね。この部屋は……と、良し。一応悪意や殺意を持って入ってくるものには電撃が走るので一瞬隙ができる」

「わかりました。今のうちに魔石に魔力の補填をしますか?」

「まだいけるか?」

「もちろん」

私は頷いて杖に手を伸ばす。杖の一部を触るだけで魔石の方が勝手に私の魔力を吸い取っていく。兄様はサラ姉様を慰めている。

「ブランシュっ、無事?!」

父様が走って入ってくる。私兵の皆さんが改めて拘束を強化してくれる。ジャック殿下とシリル様がぼんやりと起きてあがっている。兄様が拘束されたメイドの顔を改める。

「父上、このメイドはいつ雇いました?」

「一昨年の秋からかな。洗濯場のマリーの近所の娘で仕事がなくて困ってると言われてね」

「ジョー」

執事補の一人を呼ぶ。

「洗濯場のマリーを連れてきてくれ。拘束してな」

「わかりました」

ややあって、戻ってきたジョーは首を横に振っている。

「おりません。部屋はそのままに一見見えます。彼女の私物を把握していたわけではないのですべて残っているかはわかりません」

「いや、逆にわかった。手引きをしたのはマリーだろう」

父様がため息をついた。

「いつからむこうについたのか。そもそもむこうの人間だったのか途中からなのか」

兄様はそう言いながら侍女の方を見た。

「ブランシュもいる事だし、侍女を尋問しましょう」

は?なんで私が?
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