悪役令嬢はヒロインと関わりたくない【完結】

あくの

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正妃様のお茶会

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 季節は移って春の終わり、夏休みも近づいてきました。次の9月では私は2年次に上がります。キャロライン先輩は3年次。私たち経営科は女官を目指す女性が所属しております。普通科から女官の道を目指すことも可能ですが、経営科から目指すのが楽らしいです。
 そんな折、私と母様に正妃様から王宮でのお茶会のお誘いです。

「……よし、新しいアフタヌーンドレスを仕立てますよ」

母様が燃えている。

「ドレスは女性の戦闘服ですからね。あと、ロイヤルなエロ殿下もいらっしゃいますので逃した魚の大きさを見せつけてやりましょう。子供の頃のあの子のしでかしたことの恨み、ここで晴らしますよ」

ロイヤルなエロ殿下って……

「アルベルト殿下がいらっしゃるのですか?」

「ええ」

母様がにっこり笑う。……この人は伯父様の持つ『嫋々とした』空気はないなぁと思った。

「正妃様がね、『ブランシュには悪いけどアルベルトには毛程とチャンスがないことを最後に思い知らせたいの。北の国に行ったら二度と会わない相手だと心から納得してもらわないとね。あとは子供の頃の事、ちゃんと謝りたいと言うのでね。但しあの子が期待してるみたいに二人きりにはしないから』って」

「謝る、のは口実でしょう」

思ってることを母様相手だからはっきりと口にする。

「私と婚約ができればこの国に残れる、くらいは考えておられそうですし。先日、蝶の手紙でお茶会をって来てましたから」

あのお手紙道具、蝶の手紙と言われてるそうです。

「はぁ……、殿下がとある伯爵の未亡人を侍従を使って王子宮に上げておられるのです。欲求の処理相手として陛下の許可が出てるらしくて」

母様は困り顔になる。

「正妃様はそれも含めての蟄居だ、って陛下に言っても『あれは俺と妾妃の子供だぞ?性衝動、強いぞ?理性的なお前にはわからんだろうがな』って開き直った返事が返ってきててね」

陛下あのおっさん、極まってるなぁ。あれで政治は正妃様、父様と伯父様の頑張りもあるんだろうけど、まともに動いてるんですよね。信じがたいけど。

「年代的にそっちに頭が行きやすい事もあるから陛下のそういう甘やかしでそっち方向ばかりに視線がむいてしまうのでしょうけど」

母様がため息をつく。母様はアルベルト殿下も子供の時から知っている子の感覚で心配している。こういう優しいところは見習うべきなのだろうけど……。私には無理かなぁ。
 幼馴染としてはシリル様、アルフォンス様、エリク様もグループで。私とサラ姉様はその中にいる女子枠で。でもみんなサラ姉様とはあまり親しくならなかったのよね、あの頃。
 ……理由あるのかな。こういう事聞くのはシリル様が最適ね。くやしいけどあの人は諜報員としての訓練も済んでいるし兄様の腹心でもあるし。
 そういえば、アルベルト様のお相手の伯爵夫人って大丈夫なのかな?妾妃様の手の人とか言わないよね?

「母様、アルベルト様の閨の相手の型なんですけど」

「ミラベル・ポー伯爵夫人です」

「あのお方ですか」

しっとりと色気のある人でイメージ的には紫色のユリ、って感じ。

「ポー伯爵夫人は妾妃様とは?」

「大丈夫。ディオン様のチェック済みで洗脳の痕もなかったそうです。元々アルベルト殿下の閨教育の実技の相手として選ばれていたので今、実技の授業と思えばいいのですけども」

母様はまた溜息だ。



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