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運動、か……
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「ミラベルがね」
あら?
「ポー伯爵夫人は母様のお友達ですか?」
母様は頷きながら答えてくれる。
「お友達、なのかしら?私より少し年上の方で、私の刺繍の先生だったのです」
「あの……、もしかして殿下は自分の母親より年上の女性と」
「そういうことになりますね」
母様はふっと溜息をつく。
「でもね、あの方だと殿下に夜やその他女性とつきあうマナーをちゃんと教えてくださると思うの。北の女王は代替わりしたところでしょ」
そう、18歳の私たちと同年配のまだ少女、と言っていい方らしい。絵姿では儚い妖精のような華奢な方だった。
「殿下はあまりそちらの方はその……ちゃんと教育されてないからね。向こうへ行って少しでもまともに働いてもらわないとね。ベルトランやフェルナンは裏の事もあるからお年頃から訓練は済ませてるのですけどね」
訓練って身も蓋もない……。でもわからなくはない。兄様しかり、シリル様やアルフォンス様はコントロールの元に性教育を緩やかに受けてきたようで(シリル様はそれ以前の話だけど)殿下達のように娼館居続けって事はなかったものな。裏の人員に数人引き合わせてもらった時に俗にいう『色仕掛け』をするメンバー、そら国や城も傾くわ、みたいな美女もいたし男性もちょっとその色気分けてください、みたいな人もいた。ああいうのに引っかかってしまう人がいるのも理解できた。
「兄様達は昔から訓練を、という事ですが私にはそういう訓練なかったですよね?」
母様はメイドに指示してお茶を持ってこさせる。
「貴方、男性の美貌にも女性の美貌にも『綺麗だ』で止まっちゃうから色仕掛けにかかる心配はないって旦那様がね」
父様……。
「我が娘ながらそういう心配だけはないな。本来ならあれに武術を仕込むべきだったがそんな時間があれば本にかじりついてたしなぁ、って」
言われてみれば身に覚えしかない。なんせ運動神経が、ね。
「だって運動苦手ですもの」
「やらないと苦手のままですよ?」
隣に座る母様は私の鼻先をつっつく。
「たとえば扇子一本あれば相手から自分を守れます」
そう、汚い手ですけど目を突く、喉仏を突く、などね。
「……とりあえず、もう少し運動はしなさい?体力がないと色々楽しめないわよ」
母様、……体力なさそうなんだけど。
「正妃様と外遊びするようになって実感したわ。体力ないと遊べないって。貴方はただでさえ家の中が好きだからお友達ができた時が心配なの」
正妃様ほどアクティブな令嬢ってあんまりいないと思う。
「サラはあれでも子供の時から弟と遊んでましたからね。今も末っ子の鍛錬、一緒になってやってるわ」
なんとなくサラ姉様に裏切られた気分。
翌日の放課後、図書室へ向かっているとフランソワ殿下と会った。
「……すまない。無理を聞いてもらって」
お茶会のことね。
「正妃様のお招きですから」
「母に『貸しひとつね』って言われた」
フランソワ殿下が笑う。
あら?
「ポー伯爵夫人は母様のお友達ですか?」
母様は頷きながら答えてくれる。
「お友達、なのかしら?私より少し年上の方で、私の刺繍の先生だったのです」
「あの……、もしかして殿下は自分の母親より年上の女性と」
「そういうことになりますね」
母様はふっと溜息をつく。
「でもね、あの方だと殿下に夜やその他女性とつきあうマナーをちゃんと教えてくださると思うの。北の女王は代替わりしたところでしょ」
そう、18歳の私たちと同年配のまだ少女、と言っていい方らしい。絵姿では儚い妖精のような華奢な方だった。
「殿下はあまりそちらの方はその……ちゃんと教育されてないからね。向こうへ行って少しでもまともに働いてもらわないとね。ベルトランやフェルナンは裏の事もあるからお年頃から訓練は済ませてるのですけどね」
訓練って身も蓋もない……。でもわからなくはない。兄様しかり、シリル様やアルフォンス様はコントロールの元に性教育を緩やかに受けてきたようで(シリル様はそれ以前の話だけど)殿下達のように娼館居続けって事はなかったものな。裏の人員に数人引き合わせてもらった時に俗にいう『色仕掛け』をするメンバー、そら国や城も傾くわ、みたいな美女もいたし男性もちょっとその色気分けてください、みたいな人もいた。ああいうのに引っかかってしまう人がいるのも理解できた。
「兄様達は昔から訓練を、という事ですが私にはそういう訓練なかったですよね?」
母様はメイドに指示してお茶を持ってこさせる。
「貴方、男性の美貌にも女性の美貌にも『綺麗だ』で止まっちゃうから色仕掛けにかかる心配はないって旦那様がね」
父様……。
「我が娘ながらそういう心配だけはないな。本来ならあれに武術を仕込むべきだったがそんな時間があれば本にかじりついてたしなぁ、って」
言われてみれば身に覚えしかない。なんせ運動神経が、ね。
「だって運動苦手ですもの」
「やらないと苦手のままですよ?」
隣に座る母様は私の鼻先をつっつく。
「たとえば扇子一本あれば相手から自分を守れます」
そう、汚い手ですけど目を突く、喉仏を突く、などね。
「……とりあえず、もう少し運動はしなさい?体力がないと色々楽しめないわよ」
母様、……体力なさそうなんだけど。
「正妃様と外遊びするようになって実感したわ。体力ないと遊べないって。貴方はただでさえ家の中が好きだからお友達ができた時が心配なの」
正妃様ほどアクティブな令嬢ってあんまりいないと思う。
「サラはあれでも子供の時から弟と遊んでましたからね。今も末っ子の鍛錬、一緒になってやってるわ」
なんとなくサラ姉様に裏切られた気分。
翌日の放課後、図書室へ向かっているとフランソワ殿下と会った。
「……すまない。無理を聞いてもらって」
お茶会のことね。
「正妃様のお招きですから」
「母に『貸しひとつね』って言われた」
フランソワ殿下が笑う。
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